「トサカにくる」の意味・英語・対義語【使い方や例文】
この「トサカにくる」という表現は、あまり見たことがないでしょう。
この手の言葉はネットで使われることが多いと言えますが、このトサカにくるは、口語で使われることの方が多いからです。
目次
- 「トサカにくる」の意味とは?
- 「トサカにくる」の語源や由来
- 「トサカにくる」の言葉の使い方
- 「トサカにくる」を使った例文と解釈
- 「トサカにくる」を英語にすると?
- 「トサカにくる」の類義語と解釈
- 「トサカにくる」は死語?
「トサカにくる」の意味とは?
トサカにくるは、「アタマにくる」時に使う言葉です。
要は何かに対して怒っている感情を表す言葉で、「あいつ、トサカにくるわ」などという使い方をします。
そこまで使われる言葉ではありませんが、意味の「アタマにくる」より強い意味で使える言葉なので、応用形も含めて、若者の間で使われることが多い言葉です。
「トサカにくる」の語源や由来
「トサカにくる」の「トサカ」とは、ニワトリの頭にある赤いトサカを表しています。
そのトサカが頭の上にあり、真っ赤なことから、「怒りで頭の先まで真っ赤になっている状態」という意味で作られた言葉です。
2006年頃から聞かれるようになった言葉で、詳しい発祥は不明ですが、現在でも普通に会話で使われています。
「トサカにくる」の言葉の使い方
トサカにくるとまで言うのであれば、それなりの出来事などがあった時でしょう。
その為、この言葉を使っている人は少なからず怒っている状態だと判断できます。
それも、この言葉は普通に「アタマにくる」状態以上に怒っていることを表す為、無理にその理由を聞き出したり、余計なことは言わない方がいいかも知れません。
「トサカにくる」を使った例文と解釈
「トサカにくる」の「トサカ」は、漢字で「鶏冠」と書きます。
文字通り、鶏(ニワトリ)の頭に付いている冠を表し、この言葉を文字にする時にも「鶏冠にくる」という表記ができますが、「トサカにくる」は、「トサカ」が片仮名だからこそ若者言葉らしいと言える部分が多分にあるので、「鶏冠にくる」という使い方はやめておきましょう。
- 「いいと言ってたくせに、今になって駄目とか言い出した。メッチャトサカにくるわ」
- 「最近、何かとトサカにくることばかりだよ」
- 「さすがにあの試合結果はないだろう。トサカにきたわ」
「いいと言ってたくせに、今になって駄目とか言い出した。メッチャトサカにくるわ」
このような理不尽なことがあった時にこそ、このトサカにくるの出番だと言えるでしょう。
この例では、「メッチャ」というメチャクチャを意味する若者言葉と合わせて使っていることで、更に怒りを表現しています。
「最近、何かとトサカにくることばかりだよ」
そんなことも多い世の中ですが、怒りっぽい人は誰からも敬遠されてしまう傾向にあります。
多少のことですぐに怒らないようにすることも覚えないといけません。
「さすがにあの試合結果はないだろう。トサカにきたわ」
語尾の「くる」を「きた」と変化させた応用例です。
相手に対して同意を求める時には、「トサカにこない?」と変化させることができます。
「トサカ」をそのまま「アタマ」だと思えば、色々な変化ができると分かります。
そのように、比較的自由な使い方ができる言葉です。
「トサカにくる」を英語にすると?
この「トサカにくる」という言葉特有の、「アタマにくる」より若干ながら強いニュアンスがある英語表現に“pissed”があります。
アタマにくるの方は“angry”という単語がそのまま当てはまりますが、トサカにくるの英語なら、この“pissed”がちょうどです。
“issed at〜”で、〜に対してトサカにきているという表現になります。
尚、この“pissed”の使い方はスラングに近く、この点でもちょうどトサカにくるに合っていると言えるでしょう。
「トサカにくる」の類義語と解釈
トサカにくるのように、怒っている状態を表す言葉をいくつか挙げていきます。
どれも、アタマにくるより上の表現だと考えて構いません。
- 「カチンとくる」【かちんとくる】
- 「むかっ腹が立つ」【むかっはらがたつ】
- 「癪に障る」【しゃくにさわる】
「カチンとくる」【かちんとくる】
アタマにカチンと一発をもらったかように、腹が立っているという状態を表す言葉です。
トサカにくると共に若者の間でよく使われます。
「むかっ腹が立つ」【むかっはらがたつ】
この「むかっ腹が立つ」で1つの言葉として使えます。
「むかっとして腹が立つ」が語源です。
それを縮めた表現で、そのまま言葉として定着しました。
「癪に障る」【しゃくにさわる】
これは、昔から使われている言葉で、人間の体の中には「癪の虫」(しゃくのむし)が住んでいるという言い伝えからです。
その虫を刺激されると怒りが湧いてくると言われており、それをされたのと同じだという意味で使います。
「癪の虫」は、「疳の虫」(かんのむし)とも言われます。
そこから、「疳の障る」(かんにさわる)という言い方をすることもあります。(どちらでも問題なく使えます)
「トサカにくる」は死語?
死語とまでは言いませんが、初出から10年以上経っている言葉ということもあり、今ではそれほど使っている場面を見掛けません。
しかし、まだ充分に使える言葉なので、いつも使っても特におかしいことはありません。
トサカにくるようなことは、起きない(起こさない)に限りますが、いざそんなことがあった時には、この言葉を使えば、アタマにくるより上の怒りを表現できると覚えておきましょう。