「薨御」の意味・対義語【使い方や例文】
日本語には色々な言葉があります。
最近でこそインターネットが一般化してカタカナ語やネットスラングというジャンルが増えてきました。
しかし、私達の会話の中には、中国由来のことわざや熟語に加えて、大和言葉が織り成す美しい赴きのある語句も含まれています。
しかし、日常会話で使われている現代用語の他にも、めったに使うことのない言葉もあります。
例えば、「薨御」という言葉をご存知でしょうか?
どのような意味があり、どのような場面で使われるのか、全く想像することができない人もかなり多いのではないかと思います。
ここでは、この「薨御」という言葉について見ていくことにします。
目次
- 「薨御」の意味とは?
- 「薨御」を使う際の注意点
- 「薨御」の言葉の使い方
- 「薨御」を使った例文・短文(解釈)
- 「薨御」の英語
- 皇族に対する言葉については「敬語」以上の配慮が必要
- 「薨御」の意味を分解して解釈
「薨御」の意味とは?
「薨御」とは、かなり古い言葉でもあり、律令制の時代まで遡ることになります。
律令制度が敷かれていた頃に、高貴な人の死を指しており、天皇の「崩御」とは別に、皇太子や大臣などの死のことを意味している言葉なのです
正確には、「薨御」は、親王や三位以上の死を意味する「薨去(こうきょ)」や、王や女王、四位・五位以上の死を意味する「卒去(しゅっきょ、そっきょ)」などとは明確に区別された名称として理解されています。
しかし、この言葉を使う機会はめったにないことから、今では忘れ去られてしまう言葉なのかもしれません。
「崩御(ほうぎょ)」は、天皇がお亡くなりなる際に使われる語句なので、記憶に残っている人も多いのですが、「薨御」を知る人は、年配の方々でも少ないのかもしれません。
この際、しっかりと記憶に留めておいて下さい。
- 「薨御」の読み方
「薨御」の読み方
「薨御」は、「こうぎょ」と読むことになりますが、このような発音になることを知っている人はすごいことです。
「薨御」を使う際の注意点
高貴な人の死を指している「薨御」という言葉を使う場合、何か注意すべきことはあるのでしょうか?
現代の日本で高貴な人々と言えば、やはり皇族の方々を指すことになるでしょう。
今の日本で天皇陛下を初め、皇帝や国王、太皇太后、皇太后、皇后、その他の君主など地位にいらっしゃる方々がお亡くなりになった時は、「崩御(ほうぎょ)」という言葉を使います。
昔は、日本の報道では、皇后様のご逝去の際にも、この「崩御」という表現が使われたことがありました。
しかし、「崩御」は、報道機関によっては、天皇陛下に限って、この言葉を用いることを厳密に決めているところもあるくらいです。
このようなことから、「薨御(こうぎょ)」は、皇太子、大臣などの地位にある方々がご逝去された時について用いられる言葉と理解するべきです。
ちなみに「薨去(こうきょ)」という言葉もありますが、この言葉は皇太子妃や親王・親王妃や内親王、あるいは位階が三位(正三位・従三位)以上の方々のご逝去について用いる言葉です。
この「薨去」という表現は、外国でも同じような立場にある方に対しても使われる言葉でもあります。
このことから、「薨御」の使い方は皇族や王族の中で、どなたがご逝去されたかによって、変わってくるために意味と使い方に注意が必要なのです。
「薨御」の言葉の使い方
「薨御」の使い方を考えると、皇族の中でも、皇太子の地位にある方がご逝去された時に使われることになりますが、普段の私達の日常会話で使うことは、皆無と言ってもいいくらいに珍しい言葉かもしれません。
この「薨御」は、どちらかと言うと、ニュースや新聞などを媒体に報道機関が用いることが大半なのではないかと思います。
「薨御」を使った例文・短文(解釈)
私達がこの「薨御」という言葉を使うとしたなら、会話の中ではかなり限定されるのではないかと思います。
むしろ、次のような例文に見るように「薨御とは?」という言葉の定義や説明する場合に使われることが考えられます。
- 「薨御」の例文1
- 「薨御」の例文2
- 「薨御」の例文3
「薨御」の例文1
「薨御(こうぎょ)とは、皇太子や大臣の逝去について指している言葉です」
「薨御」の意味の説明パートでも述べた内容ですが、この言葉を私達が目にする機会があるとするなら、まず「薨御とは?」といったような説明文の中で触れることになるのではないかと思われます。
「薨御」の例文2
「律令制下においては、貴人の死を指し、「崩御」の他、皇太子や大臣などの死を意味する薨御(こうぎょ)と言う」
これも「薨御」についての定義文となるのですが、このようなケースで見ることになります。
「薨御」の例文3
「昨夜、皇太子殿下が薨御されました」
あまり使いたくない例文ですが、「薨御」をシンプルに使うと、このような例文になるのではないでしょうか。
また、新聞の見出しでは、「皇太子殿下、薨御」というような内容で打ち出されることになるでしょう。
「薨御」の英語
では「薨御」という言葉を英語で訳すとどのような表現になるのでしょうか?
“death of important person”という英訳になります。
“important person”とは、直訳すると、「重要人物」のことですが、具体的には、“prince”(王子)、“princess”(王女)などを指しています。
皇族に対する言葉については「敬語」以上の配慮が必要
皇族の方々について述べる場合は、少なくとも敬語以上の言葉で表すことが必要です。
例えば、「逝去」という言葉も、尊敬語になるので、皇族の方やそれに近い立場の方々に用いても間違いではありません。
しかし、位階によって言葉をさらに使い分けることで、その敬意の度合いを高めていく目的うとしているわけです。
特に報道機関においては、言葉の使い方や表現方法に慎重なので、皇族の方に対する敬意の表し方として、「崩御」、「薨御」「薨去」、「卒去」を厳密に使い分けるようにすべきという考えがあるのです。
なお、最近では皇族の方が亡くなった時に「ご逝去」という言葉が用いられるケースが増えてきましたが、「死去」や「死亡」という言葉は皇族の方々には用いないこととされているのが、常識となります。
「薨御」の意味を分解して解釈
では、この「薨御」を「薨」と「御」の2つの文字に分けて意味の見ていくことにします。
- 「薨」
- 「御」
「薨」
「こう」と読む「薨」ですが、他には「みまかる」という読み方もあります。
「身分の高い人の死」を意味しており、日本では、「皇族および三位以上の人の死」のことを指しています。
「御」
「御」は、主に尊敬の意を表しているのですが、相手や第三者に属するものについて敬うケースと敬うべき人に対する自己の物や行為について敬うケースがあります。
「教授の御話」、「御手紙を差し上げる」といった使い方です。
また、「丁寧に」、あるいは「上品に表現しようとする気持ち」も表しています。
その他には、「になる」、「なさる」という意味もあります。
「崩御」という言葉は、歴史の勉強の際にも聞くことがあるかもしれませんが、「薨御」という言葉はめったに使われない言葉なので、余程のことがない限り出てくる言葉ではないかと思われます。
また、若きプリンスにご不幸があっても宜しくないことでもあるので、聞くことがないようにとも思えるのです。
しかし、あと少しで元号が変わることが決まっている時期だからこそ、皇族の方々に対する尊敬の念を新たにすべき時ではないかとも考えます。
そのようなことを思うと、このような言葉があることも、知っておくことが必要ですし、私達が普段使っている日本語の中にも、日本独自の言葉があることを再認識できる良い機会ではないでしょうか。
新しい時代に期待を寄せるとともに、正しい言葉を理解しておくことも、非常に大切なことです。