「没イチ」の意味・語源【使い方や例文】人により不快を与える?
新語として使われるようになった、この「没イチ」という言葉ですが、使用には賛否両論があるようです。
目次
- 「没イチ」の意味とは?
- 「没イチ」の語源
- 「没イチ」の言葉の使い方
- 「没イチ」を使った例文と解釈
- 「没イチ」を使った言葉とその解釈
- 「没イチ」は不快に思う方も多いので使うときには注意が必要?
「没イチ」の意味とは?
没イチとは、初婚の結婚相手を亡くして独身に戻ってしまった人のことを指す言葉です。
男女のどちらにも使うことができ、亡くなった原因は問わず、病気によるもの、事故によるものの、天寿を全うしたと思われるケースまで全てです。
以前から一部では聞いていた言葉ですが、2018年に新語として一般的に紹介されたことで、この言葉を知った人も多いでしょう。
最初に書いたように、初婚であることが条件で、一度そのようなことがあったという意味になります。
「没イチ」の語源
没イチの語源は、人が亡くなることを「没する」と表現することからです。
似たような言葉に、「バツイチ」がありますが、意味は全く違います。
バツイチは、一度の離婚歴がある人のことを表す言葉です。
何故バツイチと言うのかにも語源があり、離婚をすると、自分の戸籍に記載されていた相手の名前に×印が付くことからです。
離婚を繰り返すとこの×印が増えていくので、二度離婚をしたことがあれば「バツニ」、三度なら「バツサン」という呼び方をします。
没イチの場合も、亡くなった相手の名前に×印が記載されますが、特にそれとの関係はありません。
「没イチ」の言葉の使い方
没イチは、最初に結婚した相手が、その結婚中に亡くなったことがある人を指す言葉で、原則的に初婚だけを対象にしています。
よって、過去に離婚をしたことがあり、その後の結婚相手が亡くなり、また独身に戻った人には使いません。
また、没イチの後に再婚をした場合、没イチの経験があることには変わりませんが、没イチの人だとは呼ばなくなります。
「没イチ」を使った例文と解釈
結婚中の相手が亡くなったことがある人に使う言葉なので、離婚してからその相手が亡くなった場合には、この没イチとは呼びません。
そう何度も同じことはないとないでしょうが、もし、その後の結婚相手も同じように結婚中に亡くなってしまった場合には、「没ニ」と表現するようです。
三度あれば、同様に「没サン」です。
(これらは特に新語という訳ではありませんが、関連語として紹介しました)
- 「あの人、没イチだって話を聞いたよ」
- 「病気での没イチらしい」
- 「事故により、突然没イチになった経験がある」
「あの人、没イチだって話を聞いたよ」
没イチという言葉はこのように、噂話などでよく使われます。
あまり響きのいい言葉ではないだけに、本人には聞かれないようにした方が無難です。
「病気での没イチらしい」
没イチになる結婚相手の死亡原因には、特に区別はありません。
ですが、没イチの人だと聞くと、どのような理由でそうなったのかと興味をもつ人も多いでしょう。
本人が直接語ることがあれば、それを聞く分には構いませんが、自らすすんで話そうとはしない人に、下世話にそれを尋ねるのはやめておきましょう。
「事故により、突然没イチになった経験がある」
事故だけは、いつ起こるか分からないものです。
この場合、病気とは違い、全く心の準備ができていないということがほとんどだと思うので、その後が大変な場合がほとんどです。
「没イチ」を使った言葉とその解釈
没イチという言葉を使った新語がいくつか既に誕生しています。
この「没イチ」という言葉が入っているだけに、どれも(原則的に)対象が没イチの人だけなのが特徴です。
- 「没イチ婚」
- 「没イチの会」
- 「没イチ限定○○」
「没イチ婚」
お互いが没イチ同士で結婚をしたカップルを指す言葉です。
一度の離婚歴がある人同士の「バツイチ婚」は比較的有名ですが、それを没イチ同士に使った応用として誕生した言葉です。
「没イチの会」
没イチの人だけで構成された会のことで、基本的に全員が独身です。
場合によっては、再婚していても、没イチになった経験があれば入会が可能だというケースもあります。
「没イチ限定○○」
上の没イチの会も、この中に含まれる1つです。
没イチの人だけを集めて行われる各種のイベントや会合、フィーリングカップル(いわゆる、お見合いパーティ)などが今では珍しくありません。
特にフィーリングカップルは、お互いが同じ経験をしているだけに、他の条件での開催より話が合う人が見付かる可能性が高いのが特徴だと言っていいでしょう。
「没イチ」は不快に思う方も多いので使うときには注意が必要?
この没イチという言葉は、見た目も響きも決していいものではありません。
その為、これに当てはまる人がこう呼ばれることを嫌うことも多いです。
有名人でも、妻の小林麻央さんを病気で亡くし、現在没イチになっている市川海老蔵さんが、この言葉について、「大変不快」、「最低」などと酷評しています。
このことからも、該当する人が居るとしても、無闇に使うのはやめておいた方がいいでしょう。
没イチは、この言葉を見ただけで何となくその意味が分かり、実際にそのような人も少なくないので、つい使ってしまいたくなる言葉かも知れませんが、使う時には充分に注意してください。
特に、自分より目上の相手には(本人がそのようなことを全く気にしない人でない限り)絶対に使わないことをおすすめします。