「須臾」の意味・類語【使い方や例文】
私達が普段使っている日本語には、色々な言葉がありますが、漢字やひらがなを文字を交えて、自分の思いを相手にいかに正しく、速く伝えるかが、非常に大事になってきます。
この頃は、インターネットの普及によって、古い言葉ではなく、スラング的な言葉も増えてきました。
日本語のジャンルの中に新しい流れを作るがのごとくに、次々に新しいキーワードが生まれていますが、やはり私達は日本人なのですから、漢字も言葉も正しく理解しておきたいと思います。
とは言うものの、まだまだ自分の知らない、見たことも聞いたこともない漢字や言葉がたくさん残っているはずです。
その中で「須臾」という言葉は、知っている人はどれだけいるでしょうか?
あまり見慣れない漢字が2つもあるのですから、目にしても、意味や読み方が分からずに、そのまま放ってしてしまいたくなるような言葉かもしれません。
目次
- 「須臾」の意味とは?
- 「須臾」の類語
- 「須臾」の言葉の使い方
- 「須臾」を使った例文
- 「須臾」の英語
- 「須臾」の対義語
- 「須臾」を分解して解釈
- 「須臾」を使った言葉と意味を解釈
「須臾」の意味とは?
「須臾」を見た時、「須」の字は地名や人の氏名の中で見かけることがありますが、「臾」となると、めったに目にすることがない漢字ではないかと思います。
しかし、この2つの漢字が組み合わさった単語になっても、その意味は決して難しい内容ではないのです。
おそらく、昔の名文学とも言える作品などで見ることがある言葉なのでしょう。
「須臾」という言葉は、「しばらく」や「僅か(わずか)の間」、「ほんの僅かな時間」といった意味がありますので、意味を知ると、あまり難しく悩むことがなくなるでしょう。
- 「須臾」の由来
- 「須臾」の読み方
「須臾」の由来
しかし、日本ではほとんど使われることのない「須臾」は、何となく語源は中国当りからきているのではないかと思える節もあるのです。
実は、古代インドで成立した仏典の中に「一昼夜を三十須臾とする」という下りがあり、その中の意味を解釈すると「1須臾」は24時間/30=48分という時間的な数字が導き出されます。
但し、現在の日本で「須臾」というように細かな単位を使う時間基準を採用していないことは、皆さんがよく知っていることです。
また、昔の中国でも「須臾」が、数の単位として成立した記録がありますが、「1、10、100、1,000〜無量大数」と数の単位が大きくなっていくのに対して、逆に小さくなっていく「少数」の単位がありますね。
「分(ぶ)、厘(りん)」までは、子供の頃に習った記憶があるかもしれませんが、その下に「毛(もう)、糸(し)、忽(こつ)、微(び)、繊(せん)、沙(しゃ)、塵(じん)、埃(あい)、渺(びょう)、漠(ばく)、模糊(もこ)、逡巡(しゅんじゅん)、須臾(しゅゆ)、瞬息(しゅんそく)、弾指(だんし)、刹那(せつな)、六徳(りっとく)、虚空(こくう)、清浄(せいじょう)、阿頼耶(あらや)、阿摩羅(あまら)、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」という小さな単位があるのです。
この単位の基準からすると、「須臾」は、何と1×10の-15乗という「1000兆分の1」を表す単位ということになってきます。
ただ、用語として「須臾」を使うのではなく、日本語として「須臾」を使うことになり、「しばらくの間」、「ほんの少しの間」という意味合いで使うことになったと思われるのです。
さすが、言葉の表現の1つとして、「1000兆分の1」のニュアンスで会話の中で使うことはないでしょう。
そのために「1000兆分の1くらいのほんの僅かな時間」という解釈もできるかもしれません。
「須臾」の読み方
「須臾」は「しゅゆ」という読み方になります。
「須臾」の類語
「しばらくの間」、「ほんの少しの間」などの意味を持つ「須臾」は、他に同じような意味を持つ類義語や同義語を探していくと、実に多くの単語が浮かんできます。
- 「しばらく」
- 「咄嗟」
- 「瞬時」
- 「暫時」
- 「寸刻」
「しばらく」
「しばらく」というのが、「須臾」の同義語として、すぐに出てくる言葉ですね。
意味は、「長いと感じられるほどではない一定の長さの時間」のことで、「しばらくの間、お休みをもらっていました」
「しばらく休憩してくれ」と、ごく普通に日常的な会話の中で使われる言葉です。
「咄嗟」
「咄嗟」と書いて「とっさ」と読むこの言葉も「須臾」の類義語となりますが、「切迫した状況下での僅かな時間」という意味があります。
「咄嗟の出来事で、何が起こったのか分からなかった」
「咄嗟の判断で、交通事故に巻き込まれずに済んだ」
このような言葉を聞くと、「咄嗟」も身近にある言葉だと分かるでしょう。
「瞬時」
「瞬時」とは、「まばたきする間もないほど短い時間」という意味です。
「暫時」
「暫時」は「ざんじ」という読み方ですが、「しばらく」の漢語的な表現の言葉で、これはあまり使われることが少ない言葉かもしれません。
「寸刻」
「すんこく」と読む「寸刻」も「僅かな間」という意味を持つ言葉です。
このように見ると、「須臾」の意味があまりにもシンプルなためにたくさんの類義語っがあることが分かりますが、それだけに「須臾」が珍しい言葉であることも理解できるのではないでしょうか?
「須臾」の言葉の使い方
では「須臾(しゅゆ)」はどのような場面で使うことができる言葉でしょうか?
かなり古めかしい発音が伝わる漢語なので、日常的な会話の中ではあまり使わないで、昔の小説の中で出ているのかもしれません。
私達が使うなら、やはり「しばらくして」や「ちょっとの間」などの表現が当たり前で自然に受け止めることができる表現だと思いますね。
「須臾」を使った例文
中々使われることのない「須臾」ですが、私達の日常会話の中で置き換えるイメージで例文を作ってみました。
- 「須臾」の例文1
- 「須臾」の例文2
- 「須臾」の例文3
「須臾」の例文1
「その言葉を聞いて須臾の後、彼はすぐに次の行動に移ったのです」
この例文を現代風に訳すと「誰かの発言や言葉を聞いて、間もなく、彼は次の行動を起こした」といったようなことになるでしょうか。
「須臾」の例文2
「彼女の過去を知ってからというもの、彼の頭の中を須臾の間も離れなかったのは、彼女の過去の恋人の幻影だったのです」
この例文からだと「彼女の過去を知ってからは、元彼のことが気になって仕方がない」というような意味合いになります。
「須臾の間」というように「須臾」と「間」という単語がつながっていますが。
「片時の間も」という意味になってくるでしょう。
「須臾」の例文3
「世界征服を実現しようとする彼の心は、赤々と燃えている心は、須臾も留まることはなかった」
「強い思いを持って、世界征服の野望を抱く彼の熱い気持ちは、少しも消えることはなかった」という意味になるでしょう。
「須臾」の英語
「須臾」を英語で表現すると、“blink of an eye”、“instant”、“trice”、“new york minute”などの言葉で訳すことができます。
「須臾」の対義語
「須臾」の対義語を探してみると、意外や意外、難しい言葉ではなく、身近な言葉があることが分かってきます。
6-1「長時間」
シンプルに「長い時間」という意味ですが、ごくありふれた日常用語ですね。
「積年」
「積年」も時折、耳にする表現ですが、「積もった長い年月」という意味があります。
「長町場」
「長丁場(ながちょうば)」とは、宿場と宿場との距離が長い区間」、「他の区間よりも距離の長い区間」という元来の意味が転じて「仕事などが長い時間を要するさま」を指すようになりました。
歌舞伎やドラマなどのセリフや上演時間が長い場面でも使われる表現です。
「須臾」を分解して解釈
「須臾」を「須」と「臾」の2つに分解して意味を探っていきます。
- 「須」
- 「臾」
「須」
「須」は、「ひげ」など色々な意味がありますが、「しばし」という意味も持っている漢字です。
「臾」
「臾」は、いくつか意味がありますが、この「須臾」での意味合いは曖昧ですが、「僅かな」という意味があると考えられます。
「須臾」を使った言葉と意味を解釈
「須臾」を使った言葉があるかも見ることにします。
- 「須臾にして」
- 「一念須臾」
「須臾にして」
「須臾にして」とは「ほんの一瞬」という意味があり、「須臾にして姿が見えなくなった」といったような文章ができると思います。
「一念須臾」
「一念須臾」とは、「でも一瞬の思考」、「きわめて短い時間。往生すると同時に」
「臨終一念の夕に超証するのが大般涅槃、一念須臾のあひだに超証するのが無上正真道」という文章が見つけることができました。
「大般涅槃」と「無上正真道」とは、「悟り」のことを言っており、「臨終一念の夕に超証する」や「念須臾のあひだに超証する」は、「臨終一念」=「長い時」、「念須臾のあひだ」=「一瞬の間」に「恐ろしいまでに思考を巡らす」というような意味になると思います。
「須臾(しゅゆ)」の意味や用法について深く見ていくと、「ほんの一瞬の時」という簡単な意味がある反面、使い方が意外と難しいことが分かってきました。
しかし、このような言葉を勉強することは、日本度の理解を深めることにとなりそうです。