「フーテン」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「フーテン」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか。
長年続く邦画の主人公を思い浮かべる人も多いでしょう。
その言葉の意味を知ると、これまでのイメージが覆るかもしれません。
目次
- 「フーテン」の意味とは?
- 「フーテン」の類語や言い換え・似た言葉
- 「フーテン」の言葉の使い方
- 「フーテン」を使った例文と解釈
- 「フーテン」の英語
- 「フーテン」の漢字
- 「フーテン」とヒッピーは違う意味の言葉?
- 「フーテン」は良くない言葉
「フーテン」の意味とは?
「フーテン」は学校にも通ってもおらず、定職にも就かずにフラフラしている人や住所も定まっていないような人の事を指します。
学校へ通わず、定職についていないといっても主婦や老人などをフーテンとは言いません。
一般的に学校へ通ったり、仕事に就かなければいけない年齢で十分に働く事の出来る健康体の人に限定されます。
- 「フーテン」の語源
「フーテン」の語源
フーテンの語源となるのは、精神障害やそういった精神が正常な状態ではない人を表す「瘋癲」からきている言葉になります。
しかし、1960年代後半から新宿で仕事もせずに1日中フラフラする若者たちが集まるようになるといった現象が起こる様になりました。
また、同じ頃アメリカではヒッピーと呼ばれる若者を指す言葉が流行した事から、和風ヒッピーとして「瘋癲」をカタカナ表記でフーテン、フーテン族と呼ぶようになったのです。
今やフーテン族は存在しませんが、これが「フーテン」の語源となります。
「フーテン」の類語や言い換え・似た言葉
フーテン族が存在しなくなった現在では、「フーテン」という言葉もほぼ聞かれなくなりました。
そのため「フーテン」の類語や似た意味の言葉も思い浮かばないでしょう。
しかし、現在でもよく使われている言葉の中にも実は「フーテン」に似た言葉や類似した言葉が存在しているのです。
それは一体どんな言葉なのでしょう。
- ニート
- 引きこもり
- 風来坊
ニート
ニートと言えば、仕事をせずにフラフラしている人というイメージがあります。
厳密にはニートとは、15歳から34歳までの若年層で学校へも行かず仕事もしていない人たちの事です。
専業主婦や求職活動をしている人はニートに含まれず、あくまでも働く意思のない若者に使用される言葉になります。
ですから、15~34歳までの「フーテン」は「ニート」と言っても間違ってはいないでしょう。
引きこもり
引きこもりとは、家の中に半年以上引っ込んで、家族以外の人間とかかわりを持たない人の事を言います。
ニートは、家の中に引きこもっている訳ですから、当然学校へも行かず、仕事にも行っていません。
「フーテン」は家の中に引きこもっている訳ではありませんが、仕事にも学校にも行っていないという点では「ニート」と意味が似ている部分があると言えます。
風来坊
風来坊はフラフラと何処からともなくやってきて、フラフラと何処かへ行ってしまう人の事です。
どこの誰なのか身元もハッキリとしない、ひとつの場所へ留まらない気ままな人といった意味もあります。
「フーテン」にもフラフラしていたり、住所が定まらないという意味がありますから、こうした所は「風来坊」と意味が似ているでしょう。
「フーテン」の言葉の使い方
上記で「フーテン」の意味を説明しました。
しかし、今では精神障害またその疾患のある者を指して「フーテン」といった使い方をする事はありません。
現在の使われ方としては、風来坊に近いニュアンスで使用される事が多くなります。
気ままな自由人を表す際に使われるでしょう。
また、職就かずに学校にも行っていないという意味では、現在はニートの方が使われています。
ただし、ニートは正式には15~34歳の若年層を指しますから、それ以外ならフーテンの方が正しい使い方だと言えます。
それでも今は一般的に「フーテン」が使われる事は少ないものです。
「フーテン」では、その意味が相手に伝わらない事もあるので注意しましょう。
「フーテン」を使った例文と解釈
確かに「フーテン」は、現在はあまり耳にする事も使われることもない言葉でしょう。
邦画のタイトルとしてしか、耳にしないかもしれません。
もし「フーテン」を使用する事があった場合、どのように使えば良いのか例文を見ながら考えていきましょう。
- 「フーテン」の例文1
- 「フーテン」の例文2
- 「フーテン」の例文3
「フーテン」の例文1
「仕事も辞めて自由気ままなフーテンのような暮らしをしてみたい」
生活をするうえでは、仕事をしなくてはいけません。
ですが、仕事を辞めて好きなように自由に生きたいと心の中で思っている人は多いでしょう。
仕事のプレッシャー、ストレスを抱えている人にとって「フーテンのような」暮らしは、憧れと言えるのかもしれません。
「フーテン」の例文2
「娘が結婚をしたいと言ってきた男は、30にもなって定職にも就いていないフーテンの男だった」
この例文のフーテンは、決して良い意味では使われていません。
いい歳をして、定職にも就かずに仕事もしていない社会からはみ出しただらしのない男というニュアンスで使用されています。
「フーテン」の例文3
「かつて新宿に集まる無気力な若者集団をフーテン族といった」
フーテンの由来とも言えるフーテン族という言葉を使用した例文です。
1967年の夏、フーテン族と呼ばれる若者が新宿東口に集まりました。
こうしたフーテン族は、長髪やひげ、サングラスにラッパズボンといった格好を好み、和風ヒッピーとも呼ばれています。
このフーテン族のように、その時代背景を表す特徴的な若者の集団は、いつの時代でも出現するものなのです。
「フーテン」の英語
精神障害者という意味の場合、フーテンを“mental disability”という英語で表す事が出来ます。
また、目標などもなくフラフラと生きるという意味であれば“vagabond”という英語が相応しいでしょう。
“vagabond”には、放浪者やさすらい人などという意味がある言葉です。
「フーテン」の漢字
フーテンは、カタカナで表す事も多い言葉ですが、漢字で書くことも可能です。
漢字で書き表すと瘋癲というやまいだれへんの難しい漢字になります。
瘋も癲も普段は書いたりする機会もない漢字ではないのでしょうか。
瘋という漢字には頭痛や精神病という意味があり、癲には狂うという意味があります。
ですから瘋癲と漢字で書く場合、精神障害といった意味合いが強いとも取れるでしょう。
カタカナで書くか漢字で書くかによって、イメージが全く違う言葉です。
「フーテン」とヒッピーは違う意味の言葉?
「フーテン族」は和製ヒッピーの俗語とも言われていますから、その言葉は同じものを指すと思われがちです。
しかし、ヒッピーとはこれまでのアメリカの伝統や制度などの縛られた考え方を否定する主に若者の一派の事を指します。
フーテンは和製ヒッピーと呼ばれるものの、その根本的な考えたは同じとは言えません。
何故ならフーテンにはヒッピーのような思想やカルチャーはないからです。
そのため、フーテンはヒッピーより劣るものの様に扱われています。
パッと見は似ていても、その本質は違うと言えるでしょう。
「フーテン」は良くない言葉
フーテンが使われる邦画の主人公の人柄から、良い意味のように捉えている人も少なくありません。
しかし、実際の意味は「精神障害」「仕事をせず求職もしない」「学校へも通っていない」「住所不定」など、どこにも良い内容は見当たらないでしょう。
ですから決して良い意味の言葉ではないと覚えておいてください。
「フーテン」はどうしても映画の印象が強い言葉です。
自由気ままな良い意味のように捉えられがちですから、本来の意味を知って驚く人も多いでしょう。
これからは、その本来の意味も大切にしていきたいものです。
特に誰かを例えて使う際には、その言葉の意味をよく考えからにしてください。