「ノンポリ」の意味・類語【使い方や例文】
今の20代の人と50年前の20代の人とは、生き方、考え方が大きく変わってきました。
「今さらそんなことを言って何になる?」というように感じる人が多いのではないかと思います。
しかし、当時の若い人達は、何事に対しても熱心だった時代でもあったようです。
特に「学生運動」が盛んだったのですが、この運動の良し悪しは別にして、政治に対する関心がとても高く、当時の大学生が戦後に大学の改革運動や政治運動をしていたのです。
その多くは1960年代後半の新左翼的思想と呼ばれた人達が行った暴力的な政治活動のことを指していますが、「ノンポリ」という言葉も生まれてきました。
目次
- 「ノンポリ」の意味とは?
- 「ノンポリ」の類語や言い換え・似た言葉
- 「ノンポリ」の言葉の使い方
- 「ノンポリ」を使った例文
- 「ノンポリ」の英語
- 「ノンポリ」の対義語
- 「ノンポリ」の語源や由来
- 「ノンポリ」は最近ではあまり使われない?
「ノンポリ」の意味とは?
今ではほとんど聞くことがなくなった「ノンポリ」という言葉は、「政治運動に関心が無いこと」あるいは「関心が無い人」のことを指しており、そのような集団を「ノンポリ層」とも呼んでいたのです。
元々は、1960年代〜70年代の日本の学生運動に参加しなかった学生の人達を指していた用語でした。
普通に学生生活を送りたいと思っていた学生に対して、批判的な意味を込めて出来上がった表現でもあります。
この時代は、学生運動をするのがごく当たり前だったのことから、学生らしい普通の生活を望んでいた人達が、異端児扱いされたのですから、今から考えると、異常な時代だったのかもしれません。
「ノンポリ」を簡単に言うと「ノンポリシー」で、「具体的な思想を持っていない人」となります。
「ノンポリ」の類語や言い換え・似た言葉
では、「政治的思想」や「具体的な思想を持っていない」という「ノンポリ」を他の言葉で例えると、どのような言葉になるでしょうか?
「ノンポリ」の類義語を探っていきます。
- 「無党派層」
- 「政治的無関心層」
「無党派層」
「ノンポリ」を現代風に置き換えると、「無党派層」というキーワードが出てきます。
「無党派層」とは、「具体的に支持する政党を持たない人達や層」ということになります。
選挙がある度に、この「無党派層」という言葉が選挙報道で耳にしますが、与党にとっては、この「無党派層」の票をとても恐れています。
と言うのも、「支持する政党」がない反面、選挙時には気まぐれ的に野党に票が流れてしまう可能性があるからです。
たとえ与党が過半数を持っていたとしても、選挙時の勢いで大きく変わってしまうこともあり得ます。
これがとても怖いのですね。
「政治的無関心層」
「政治的無関心層」という言葉もありますが、「無党派層」よりもさらに「ノンポリ」のニュアンスが強く感じられます。
「無党派層」の場合、「支持する政党」はないものの、政治にはそれなりの関心があるかもしれません。
しかし、「政治的無関心層」は、政治そのものに関心がないのですから、世の中の動きにも関心がないことかもしれません。
「ノンポリ」の言葉の使い方
「ノンポリ」という言葉が今ではあまり使われないことから、どのような場面で使われるかとても難しいのですが、敢えて言うなら、当時の学生運動の時のことを振り返ったり、今の政治活動で意識的に使うことになるでしょうか。
「ノンポリ」を使った例文
ここからは「ノンポリ」を使った例文を見ていくことにしますが、実際に想定される例文というよりは、「このような場合でも使うことができるかとしれない」という観点で、「ノンポリ」の例文を使ってみます。
- 「ノンポリ」の例文1
- 「ノンポリ」の例文2
- 「ノンポリ」の例文3
「ノンポリ」の例文1
「基本的に政治に関しては、私はノンポリなのです」
このような時は、類義語で挙げた「政治的無関心層」の人となるでしょう。
でも、今の若い人達は、政治に関心を持たない人が多いので、決して珍しいことではありません。
「ノンポリ」の例文2
「ノンポリの層の有権者の支持を取り込んで、野党が過半数を獲得した」
国政選挙で、「無党派層」の票を取り込んで、与党に躍り出たことを言っています。
言葉の表現は異なるものの、このようなことは、過去にありましたね。
「ノンポリ」の例文3
「政治とは直接関係のないのところで選挙に勝てたのは、ノンポリが動いたから」
これも前の例文と同じことですが、このような言い方もできるかもしれません。
「ノンポリ」の英語
「ノンポリ」は、「ノンポリシー」の略語とされていますが、英語で表現すると、“non‐political”となります。
「ノンポリ」の対義語
では、「ノンポリ」の対義語としては、どのような言葉があるのか、非常に難しいのですが、次のような言葉になると思われます。
- 「イデオロギー主義」
- 「左翼」、「右翼」
「イデオロギー主義」
「イデオロギー」とは、「観念の体系」のことで、細かく見ていくと、「観念形態」、「思想形態」とも解釈されることがあります。
ただ、一般的には「政治や宗教における観念」を指しており、「イデオロギー主義」となると、「政治や宗教的思想を持つ(人)」となるでしょう。
「左翼」、「右翼」
「左翼」、「右翼」も、見方によっては、「ノンポリ」の対義語になるかもしれません。
「右翼」は「権利、収入の格差を認める思想」で、「左翼」は「権利、収入を平等にしようとする思想」ということになります。
また、「右翼」=「保守」という捉え方もあり、「伝統や文化を保持し守る思想」で
「左翼」=「革新」は、「リベラル」とも理解されることもありますが、「革新」は、「伝統や文化を時代にあわせて変革させていくという思想」となります。
これらの思想はそれぞれ異なる意味がありますが、全体的にそれぞれに「主義」があることから、「ノンポリ」の対義語としても、理解しても飯のではないでしょうか。
「ノンポリ」の語源や由来
「ノンポリ」とは、前述の通り、「ノンポリシー」から生まれてきました。
今ではカタカナ語やネットスラングで、略語がよく使われますが、この時代から略語があったことは、とても興味深いことです。
「ノンポリ」は最近ではあまり使われない?
今では「ノンポリ」が使われることがほとんどないでしょう。
「日和見主義」や「ノンセク」、「ラジカル」などの言葉もあったのですが、それと同じくらいに、「ノンポリ」という言葉を全く知らない人違が多いのです。
「ノンポリ」が流行った時代の若い人達は熱かった時代なのかもしれません。
「ノンポリ」が現代風に「組織に属して個人の良さを失うことを嫌う」人達という意味であればまた巣くわれるのですが、『ノンポリ」=「無関心派」というのが、今の若い世代の特徴ということが言えるとも思えます。
ただ、昔の熱い世代と比べて、今の若い人達が熱さを持てなくなったのは、さらに上の年代の人達がそのような環境にしてしまったように思えてなりません。
PCを使うことやスマホで時間を潰すことに関心を寄せるばかりで、本来なすべきことをしなくなったことは、時代の変化だけで済ませてはならない感じがします。
「ノンポリ」という言葉が使われていた1970年代は、色々な意味で日本が大きく変わっていこうしていた時代です。
戦後の焼け野はらから、経済の高度成長期になっていく時代でもあり、政治も経済も大きく飛躍していこうとしていたはずです。
しかし、今の地代は全てにおいて、裕福担ったと言われますが、精神性においては、むしろ後退しているのではないかと思います。
平和な世の中だからこそ、政治に関心を持つだけでなく、自分の生き方や仕事観も含めて、自分なりの「ポリシー」を持つことが必要だと思うのです。
それができることによって、若い人達の動きが世の中をよりよい方向に導いてくれると考えたいですね。