「謬見」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
理論が破綻していると感じたり、根拠もない偏見に溢れた考え方だ、と思う場面に出くわした事があるでしょう。
そんな時に最適な謬見という言葉を知っていますか。
覚えておくと役立つ「謬見」について、様々な視点から解説していきます。
目次
- 「謬見」の意味とは?
- 「謬見」の類語や言い換え・似た言葉
- 「謬見」の使い方
- 「謬見」を使った例文と解釈
- 「謬見」の英語
- 「謬見」の謬について解釈
- 「謬見」を使った言葉の意味と解釈
- 「謬」を使った言葉の意味と解釈
「謬見」の意味とは?
謬見の謬には、「あやまる」「間違える」という意味があります。
そして謬見の見は、目で見るという動作を表すだけではなく「物事の見方」「意見」「考え」「見解」といった意味を持っているのです。
謬と見、この二つが合わさった謬見は「間違った考えや見解」を意味する熟語となります。
- 「謬見」の読み方
「謬見」の読み方
謬見は「びゅうけん」と面白い発音をします。
謬は音読みのびゅうの他に訓読みでは「あやま(る)」とも読みますが「びゅう」と読むケースがほとんどです。
見の読み方は、音読みの「けん」も訓読みの「み(る)」も日常生活の中でよく読み書きに使われますから、迷う事はないでしょう。
「謬見」の類語や言い換え・似た言葉
謬見の解釈を深める為にも、同じような意味を持つ類語も覚えておく事をオススメします。
謬見の類語や似た意味の言葉を知る事で、意味の理解がより深まるものです。
- 誤判
- 誤認
- 誤解
誤判
誤判とは間違った判断や判決という意味があります。
裁判では、その判決を裁判官がくだしますが、やはり人間ですから時には間違った判断をしてしまう事もあるのです。
こうした事態を誤判と言い、誤判は時に人生や命そのものを左右します。
そのため誤判は謬見に似た言葉の中でも、非常に重い意味が込められていると言えるでしょう。
誤認
誤認は、誤ってある物事を別の物事と間違って認める、見間違えるという意味になります。
誤認逮捕、事実誤認といった熟語が有名でしょう。
謬見は間違った考えや見解の事ですが、こうした間違った考えこそ誤認の原因になっているとも言えます。
誤解
事実や人の言葉などに対して、間違った解釈をしてしまう事が誤解です。
誤解は、勝手な思いこみや勘違い、またその場の様々な状況が原因となって生まれます。
謬見も誤解も、事実や物事を間違って認識してしまっているという点で意味が似ていると言えるでしょう。
「謬見」の使い方
謬見は名詞ですから「謬見が~」「謬見を~」といった使い方が多くなります。
また「~は謬見だ」「謬見である」などもよく見かけられる使い方です。
上記で紹介した誤解や誤判は「誤解する」のような使い方も一般的に見られるカタチですが、謬見は「謬見する」とは言いません。
あくまでも謬見は、間違った考えや意見のことであり、「する」といった動作を表現する際には使わないのです。
「謬見」を使った例文と解釈
謬見は、なかなか口語では用いる事のない言葉です。
だからこそ、例文を見て具体的な使い方を覚えるようにしましょう。
- 「謬見」の例文1
- 「謬見」の例文2
- 「謬見」の例文3
「謬見」の例文1
「外国人の日本に対する批判は、歴史の謬見によるものである」
歴史の謬見とは、事実とは異なる歴史認識や誤解があるという事です。
こうした歴史の謬見は、個人間の問題だけではなく、国同士の火種の元にもなってきました。
謬見はただの勘違いや理解力不足で起きるとは、限らないのです。
「謬見」の例文2
「この解説者の話は謬見だらけで、参考にもならない」
テレビなどに出演している解説者の言葉は、ついそのまま鵜呑みにしてしまいがちです。
しかし、解説者であっても根拠がなかったり、その人の偏見や主観的な考えに基づいた意見の可能性があります。
つまり、どんな肩書きを持っている人の話であっても謬見の疑いがあるのです。
誰かの話を参考にする場合は、自分でもその根拠や信憑性を確認するようにしましょう。
「謬見」の例文3
「独裁的な親のもとでまともに教育を受けずに育った子供は、常識に欠けた謬見を抱く可能性が高いだろう」
親の意見を押し付けられ、教育を受けさせて貰えなかった子供は、正しい知識も情報も得られないでしょう。
このように環境が原因で謬見を生む事もあるのです。
また「謬見」は、例文のように「謬見を抱く」といった使い方をすることも出来ます。
間違った考えが心の中に生まれるといった意味です。
「謬見」の英語
謬見を英語で表現する方法はいくつものパターンがあります。
“fallacy”は間違っている事柄を正しいと信じているという意味になり、謬見や誤信と誤謬と訳される英単語です。
他に“misconception”という英単語も誤解や勘違いとい意味で使用されるので謬見を英語で表現したい時に使っても構いません。
また“erroneous belief”という表現方法も謬見の英訳としても間違いではないでしょう。
「謬見」の謬について解釈
謬という漢字は、はじめに説明した通り「間違える」「あやまる」という意味があります。
「あやまる」という漢字には他にも誤るなどがあり、そちらの方が有名で一般的に使用されている文字です。
謬の右側の作りは、もともと繆という漢字を省略したものになります。
繆には糸がもつれるという意味があり、物事の真実や意味がもつれる事で間違った伝わり方をする、間違った考えに繋がる事から謬が今のような意味になったと考えられるのです。
「謬見」を使った言葉の意味と解釈
謬見という言葉をもっと身近に感じてもらう為にも、謬見を使った言葉を紹介します。
その意味もきちんと覚えて、上手く使いこなせるようにしましょう。
- 「謬見を正す」
- 「謬見を生む」
「謬見を正す」
「謬見を正す」とは、間違った意見や見解を正しく訂正するという意味になります。
正しくないものを正しく変える、直す、またその考えや見解が間違っている事を証明してハッキリさせるといった意味も含まれている言葉です。
しかし、謬見を正す事は口でいう程簡単ではありません。
時には人生観や信念そのものを変える必要さえあるからです。
「謬見を生む」
心の中に間違ったものの見方や考えが生じること、それがまさに「謬見を生む」という言葉の意味です。
生むには生物が卵や子供を出産するという意味もありますが、それだけではなくモノが作り出される時にも生むという言葉を使用します。
それは、謬見のように目に見えないモノであっても生むを使用する事が出来るのです。
「謬」を使った言葉の意味と解釈
実は以外にも「謬」を使用した言葉は、たくさんあるものなのです。
そこで謬見以外にも、謬が使われた言葉とその意味をあげてみましょう。
- 誤謬
- 無謬
- 謬論
誤謬
誤謬とは知識、考え、見解の間違いの事です。
ですから、その大きな意味は謬見と同じだとも言えるでしょう。
誤謬は、他にも論理学における誤謬というものがあり、論証の過程に間違いがなどがある事でその論証が妥当ではないという事です。
一般の人々の間で使用する機会はない使い方ですが、形式的誤謬と非形式的誤謬に分けられます。
通常使用する分には、あやまった考えと覚えておけば十分でしょう。
無謬
無謬は、間違いのない考えや意見の事を指す言葉です。
謬が間違いやあやまりという意味ですから、それが無いという事は正しい考え方、根拠や正当性があり道理にあっているという事になります。
謬見の反対語としても使えるでしょう。
謬論
謬論は間違った議論という意味があります。
ですから「謬論をいくら続けても、問題は解決しない」といったように使う事が可能です。
せっかく議論をしても、間違った意見を交わしたり、方向性などに問題があれば無駄に終わってしまうものです。
ですから謬論は、成果の出ない議論とも言えるでしょう。
謬見という言葉は、日々の生活の中で誰にでも生まれる恐れのある間違った考え方や見解を表したい時に使用してみると良いでしょう。
特に会議や論議の場所で謬見という言葉を用いて間違いを指摘すると、相手にも見直されるかもしれません。
その場に合わせて、謬見を言葉の中に取り入れてみてください。