「強請る」の読み方は何個もある?【使い方や例文】
日本語は実に色々な言葉がありますが、普段使っている言葉のボキャブラリーは、いくつくらい持っているものでしょうか?
家族や友人などとの身近な会話で使う言葉には、平素で簡単な単語を使っているでしょうし、ビジネスシーンでは丁寧な表現でしゃべっているはずです。
そのコミュニケーションの中では、ことわざや四字熟語を含めて物事を例えることができる人もいらっしゃるでしょう。
しかし、日本語の中には、1つに単語で色々な読み方をする言葉もあります。

目次
- 「強請る」は解釈を間違えやすい漢字
- 「強請る」の意味とは?
- 「強請る」は読み方によって使い方も色々
- 「強請る」を使った例文
- 「強請る」の英語
- 「強請」の漢字の意味は?
「強請る」は解釈を間違えやすい漢字

「強請る」という単語を見て、この言葉の読み方を知っている人は、どれだけいるのでしょうか?
「強い」という意味がある「強」や「願い求める」という意味を持つ「請」の2つの文字から構成されている「強請」です。
これに「る」を付け加えて、「強請る」という言葉はいくつもの読み方があり、尚且つ、読み方によって、それぞれ微妙に意味も異なってくるのです。
また、負担、あまり使わない漢字なので、間違いない漢字を使ってしまいそうにもなります。
「強晴る」と「晴」という文字を当ててみたり、「強靖」と「靖国神社」の「靖」を入れてしまうこともあるのではないでしょうか?
何れにしても、こと「強請る」は、どのような読み方をして、どんな意味を持っているのかを見ていきたいと思います。
「強請る」の意味とは?

「強請る」には、いくつかの読み方があります。
「ゆする(ゆすり)」、「ねだる(ねだり)」、「もがる(もがり)」、「たかる(たかり)」などです。
一般的な意味としては、「相手の愛情や好意に甘えて無理に頼むこと」=「せがむ」という意味があります。
また、「無理を言って金品を要求する」、「文句や不平をいう」といえような解釈をすることもできるのですが、1つひとつの読み方に対する意味も、掘り下げて見てみましょう。
- 「ゆする」
- 「ねだる」
- 「もがる」
- 「たかる」
「ゆする」
名詞では「ゆすり」となる「ゆする」も、「強請る」の読み方の1つです。
この時の意味は、「人を脅して何かを要求する」という解釈ができます。
もう少しリアルな解釈をするなら、「人の弱みにつけこんで金品を脅し取ること」ということになります。
素行の悪い不良の人達のことを連想させてしまいます。
「ねだる」
「ねだる」も「強請る」の読み方の中に、含まれている言葉です。
「甘えたり、無理に頼んだりして欲しいものを請い求める」という意味になってきます。
「ゆする」の時とはかなり異なるニュアンスになっていないでしょうか?
「ゆする」人はかなり強面の人達をイメージしてきまうのですが、「ねだる」となると、どうも小さな子供が親に対して、甘えている光景を思い浮かべてしまいます。
「もがる」
また、「強請る」には、「もがる」という読み方もありますが、意味としては、「異議を申し立てる」や「逆らう」という意味があります。
ただ、「もがる」という読み方で、この言葉を使う人はあまりにいないような気がします。
「たかる」
「たかる」という読み方もできる「強請る」で、意味は「人に金品を請う」などの意味になります。
この時の「たかる」は、多くの貧しい人達が、裕福な人に群がっている感じがしないでしょうか?
この時の漢字は「強請る(たかる)」だけでなく、「集る(たかる)」という表記もできます。
「強請る」は読み方によって使い方も色々

「強請る」は実に色々な読み方や解釈ができるので、使い方も言葉の解釈によって色々な使い方、場面が出てきます。
これだけいくつもの読み方があると、とても言葉の用途が広がってくるので、とても興味深い言葉でもありますね。
「強請る」を使った例文

では、「強請る」を使った例文を見ていくことにします。
これでどんな場面で、どの読み方の言葉が使えるかを理解することができると思います。
いくつもの事例がありますので、それぞれの文を参考に自分でもシチュエーションによって使えるようにすると、言葉のボキャブラリーが増えて、色々なバリエーションで使える興味深い言葉でもあります。
- 「強請る」の例文1
- 「強請る」の例文2
- 「強請る」の例文3
- 「強請る」の例文4
「強請る」の例文1
「あいつは、自分より力が弱い人間と判断できたなら、いつもお金をゆすっている嫌な人間だ」
まさに不良が弱い生徒や人達に対して、「恐喝」=「カツアゲ」していることです。
人として、決してやってはならないことですが、「強請る」という漢字を見ると、「強く願う」というよりは、「力ずくで奪い取る」ような感じがしないでしょうか?
何れにしてもあまりいい意味で使われることがありませんね。
「強請る」の例文2
「私の娘はいつも困った時に、欲しい物をねだってくる」
こんな言い方ができるのも、「強請る」の使い方ですが、この時の読み方は「ねだる」ですね。
普段はあまりダンマリや無視している年頃の娘が、自分の欲しいものを見つけると、父親に甘えた声で、「ねだる」場面がこのセリフの内容ですね。
「強請る」の例文3
「何かと上司にもがっているやりづらい奴」
この「もがる」も「強請る」と書きますが、「反抗する」、「異議申し立てをする」という意味で使います。
ここでは、何かと上司に立て付く部下の菅があります。
この「もがる」は、かなり古い言葉なのか、日常生活はおろか、ビジネスの世界でも、使う人がいないと思います。
今ではめったに使うことがない言葉の1つかもしれません。
「強請る」の例文4
「宝くじで10億円当たった人に、多くの人がたかってきた」
このセリフでは、「人に金品を請う」という意味で、「強請る(たかる)」が使われています。
野生の世界でも、弱っている馬にライオンが「たかる」光景がありますが、これも「強請る」という表記で例えることができるでしょう。
「たかる」は、弱い人が強い人にすがる思いで「たかってくる」こともありますし、弱者に対して強者が「たかってくる」というニュアンスもあります。
「強請る」だけでも、色々な読み方や解釈があるのに、「たかる」だけでも文章の流れで、少し意味合いが違ってくる可能性もありますから、とても興味深い言葉ではないでしょうか?
「強請る」の英語

「強請る」英訳ですが、「ゆする」という意味では、「extort (money from somebody)」となります。
また、「たかる」という言葉では、「集まる」という意味から、「swarm」、「crowd」、「gather」、「flock」となります。
「強請」の漢字の意味は?

「きょうせい」とも読める「強請」には、「無理に頼むこと」という意味がありますが、言い換えると、「ゆする」ということになります。
漢字の意味通り「強く請う」という言葉なので、かなり強い勢いで相手に迫っていく印象を覚えてしまいますね。
「強請る」ほど、いくつもの顔を持っている言葉はないのではないでしょうか?
「ゆする」では、「人を脅して、金品を巻き上げる」という非道とも言えることを指していますし、「ねだる」となると言葉の主体者が、一変して全く異なった人が「相手にお金やプレゼントを甘えた言葉で要求する」ようなイメージがあります。
このような言葉には、様々な用法があることが分かりますが、文章の中に「強請る」を盛り込むことは、読み方により解釈が大きく変わってくることもあるので、注意が必要でしょう。
例文でも挙げた文章で「私の娘はいつも困った時に、欲しい物を強請って(ねだって)くる」が、「私の娘はいつも困った時に、欲しい物を強請って(ゆすって)くる」となると、全く意味がおかしくなってきますね。
このようなことから、物事の流れの中で十分に注意をしなくてはならない言葉でもあると思うのです。