「業を背負う」とは?意味や使い方!例文や解釈
哲学的な話題をしていると「業を背負う」という言葉が使われることがあります。
一体どの様な意味があるのか、類語や例文なども併せて詳しく紹介します。
目次
- 「業を背負う」とは?
- 「業を背負う」の表現の使い方
- 「業を背負う」を使った言葉と意味を解釈
- 「業を背負う」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「業を背負う」の反対語
- 「業を背負う」の類語や類義語・言い換え
- 「業を背負う」の英語と解釈
「業を背負う」とは?
「業を背負う」の意味は以下の2つになります。
1つ目は「過去の行いが現在に影響している状態」という意味です。
人は刑法に触れる様な悪いことをすれば、法律で罰せられます。
しかし、犯罪には該当しないことや、他には分らない様に悪事を働いた場合、罰を受けずに済みます。
しかしその行為は後悔となり、一生その気持ちを抱いて生き続けなければなりません。
出来れば償いたい、許されたいと思いながら生きていることを表します。
2つ目は「宿命として生きているうちにやるべきことがあること」という意味です。
こちらの場合は現在に限らず、前世に何か悪いことをしたなどでマイナス貯金が残ってしまっている状態です。
その償いをする為に生まれ変わったのですが、記憶がない為に何をどうすれば分らず、探し求めていることを言います。
それは簡単なことではなく、一生をかけてやり遂げなければならないことで、本人が自ら悟りを開かないと見つけられません。
- 「業を背負う」の読み方
- 「業」とは
- 「身口意の三業(しんくいのさんごう)」とは
「業を背負う」の読み方
「業を背負う」は「ごうをせおう」と読みます。
「ぎょうをせおう」と読み間違えない様にしましょう。
「業」とは
「業」とは非常に難しい言葉です。
「業」はインドの言葉で「カルマ」といい、直訳は「行為」という意味です。
「業」とは現世での人の運命は、自分の過去の行為により生じた因果であるという概念です。
過去、或いは前世に良い行為をすれば「良い因果」が生じ、悪い行為をすれば「悪い因果」が生じます。
そして一度その「業」が身に付いてしまうと、その人の運命に必ずついて回るのです。
その人の未来、或いは来世に、大きな影響を与えることになります。
「業」のエネルギーは非常に強く、特に過去に悪い行いをした場合は未来にその報いが訪れるのです。
「身口意の三業(しんくいのさんごう)」とは
「業」は「カルマ=行為」という意味ですが、直接悪い行為をせずに悪いことを考えていればセーフではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、仏教での「業」とは、何か悪いことを考えただけでも生じるのです。
「実際に身体で示したこと」は「身業(しんごう)」、「口で言ったこと」は「口業(くごう)」、「心で思ったこと」は「意業(いごう)」と言われ、これらを総じて「身口意の三業」と言うのです。
「業を背負う」の表現の使い方
「業を背負う」の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 悪い意味ばかりではない
- ビジネスには不向き
文法的な使い方
「業を背負う」は動詞で、文末にそのまま使えます。
副詞として使う時には「業を背負って」「業を背負い」になり、形容詞として使う時には「業を背負った〇〇」になります。
基本的に受け身形や尊敬語はありません。
悪い意味ばかりではない
「業」とは過去や前世での行いが、未来や現世に報いとなって影響してくることを言います。
良い行いをすれば「良い業」が生じ、悪い行いをすれば「悪い業」が生じるのです。
「業を背負う」というとネガティブなイメージなのですが、良い意味でも使われることを覚えておきましょう。
ビジネスには不向き
「業を背負う」は宗教的な意味が強く、ビジネスには不向きです。
多くの人が具体的にイメージしにくかったり、宗教が違う人にとっては不快な表現になることあります。
親しい間柄の人との会話で使う様にしましょう。
「業を背負う」を使った言葉と意味を解釈
「業を背負う」を使った言葉と意味を解釈します。
- 「業を背負って生きる」
- 「深い業を背負う」
- 「前世の業を背負う」
「業を背負って生きる」
過去や前世での行為により、現在正にその影響を受けていることを言います。
自分でそのことを認識していて、一生かけて報いていこうとする姿勢を表しています。
「深い業を背負う」
こちらは過去や前世に悪い行為をして、悪い影響を受けていることを言います。
罪深さによる業の強さを表した言葉です。
「前世の業を背負う」
前世に何らかの悪い行いをした為に、現世に影響が及んでいることを言います。
前世に高利貸しだった、前世に叶わぬ恋をしたなどで、現代にお金や恋愛で苦労をするなどのケースがあります。
「業を背負う」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「業を背負う」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「業を背負う」を使った例文1
- 「業を背負う」を使った例文2
「業を背負う」を使った例文1
「私は恋愛で深い業を背負っている」
前世に恋愛で失敗したり、辛い思いなどをしている為に、現在の恋愛も上手くいかないのだと悟っていることを表しています。
「業を背負う」を使った例文2
「人は皆業を背負って生きている」
誰でも前世に何らかの業を持っているので、現世での運命はその業により何らかの影響を受けているという意味です。
「業を背負う」の反対語
「業を背負う」の反対語を紹介します。
- 「徳を積む」【とくをつむ】
- 「昇華する」【しょうかする】
「徳を積む」【とくをつむ】
「良い行いをして、その人の魂の価値を高めること」という意味です。
「昇華する」【しょうかする】
「ものごとが非常に高いレベルに達し、高尚で普遍的なものになること」という意味で、人の魂や精神などに対しても使われます。
「業を背負う」の類語や類義語・言い換え
「業を背負う」の類語を紹介します。
- 「宿命を背負う」【しゅくめいをせおう】
- 「因縁を背負う」【いんねんをせおう】
- 「十字架を背負う」【じゅうじかをせおう】
「宿命を背負う」【しゅくめいをせおう】
「人が生まれる前から決まっている運命に従って生きること」という意味です。
「因縁を背負う」【いんねんをせおう】
「前世から引き継いでいる人やものとの関係に従って生きること」という意味です。
「十字架を背負う」【じゅうじかをせおう】
「たえがたい苦痛や困難、犯した罪などを心に持ち続けること」という意味です。
「業を背負う」の英語と解釈
“We must live carrying the burden of our karma.”
「私達は業を背負って生きなければならない」です。
“karma”は「業・カルマ」の英語訳です。
「業を背負う」は「過去の行いが現在に影響している状態」「宿命として生きているうちにやるべきことがあること」という意味です。
難しい言葉ですので、相手の性格やその場の雰囲気を良く考えて使いましょう。