「奢侈」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、色々な言葉があります。
私達が気兼ねなく使える日常的な生活で使う言葉もあれば、ビジネスの場面でしか使うことのない言葉もあります。
しかし、日本語は古くから伝わることわざ(故事)、四字熟語などで物事の流れやありさまを比喩的に表現する言葉もあります。
その中で、「奢侈」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「奢侈」は日常生活の上ではめったに使われることがない言葉でしょうし、仕事の場面でも、この言葉を用いることは少ないかもしれません。
では、この言葉にどのような意味があるかを見ていきたいと思います。
目次
- 「奢侈」の意味とは?
- 「奢侈」の類語や言い換え
- 「奢侈」の使い方
- 「奢侈」を使った例文と解釈
- 「奢侈」の対義語
- 「奢侈」を使った言葉と解釈
- 「奢侈」の英語
「奢侈」の意味とは?
「奢侈」という言葉は非常に贅沢な状態を表している言葉で意味としては、必要な程度や身分を越えた贅沢」や「金を使い、度を過ぎた消費をすること」という内容を指しています。
「奢侈」で使われている漢字の意味を1文字ずつ見てみると、その意味がさらに理解できると思います。
「奢」は「しゃ」と発音しますが、「おごる」という意味が含まれており、「過度に物事を立派ににする」や「贅沢する」という解釈ができます。
また、「侈」は「し」と発音し、「侈る(おごる)」という意味があり「金銭を使って贅沢をする」、あるいは「無駄遣いをする」といった意味があります。
「侈った暮らし」や「侈った生活」などの使い方ができます。
「奢」、「侈」ともに「贅沢」というニュアンスの意味がありますので、「奢侈」という言葉が形成されることで、贅沢度合いが強まってくることになります。
- 「奢侈」の読み方
「奢侈」の読み方
「奢侈」は、「しゃし」という読み方になりますが、この読み方ができる人が若い世代の人は中々できないのではないでしょうか?
しっかりと憶えるようにしておきたいものですね。
「奢侈」の類語や言い換え
では、「奢侈」に似たような意味を持つ言葉(類義語・同義語)としては、どのようなものがあるでしょうか?
- 「贅沢」
- 「栄耀」
- 「華奢」
「贅沢」
「贅沢」は「ぜいたく」と読みますが、前項の「奢侈」の意味でも出てきた言葉ですね。
「贅沢」の意味は「実際の生活で必要とする以上の度の越えた消費」または、「費用がひどくかかること」ということになりますが、「贅沢な家を建てる」、「贅沢な生活」などというような使い方をします。
「奢侈」は日常生活の会話で使う機会は少ないのですが、「贅沢」という言葉は、ごく身近な言葉だと思います。
「栄耀」
「栄耀」は「えいよう」と発音し、言葉の意味は「派手で贅沢な暮らしをすること」となります。
「栄耀栄華は心のままに」といった表現があります。
しかし、この言葉を普通の会話やビジネスシーンで用いられることが少ないかもしれません。
「華奢」
「華奢」は「きゃしゃ」という読み方で、意味は「上品で美しい雰囲気を持ちつつも、どこか弱々しく感ぜられる様子」で「頑丈ではない、丈夫ではない様子」を指しています。
「華奢」は「彼女は華奢な身体をしている」という表現ができます。
「奢侈」の使い方
「奢侈」は、非常に今風で例えるなら、「過度のゴージャスな生活を送ったり、行動をすること」と理解できるでしょう。
そのようなことから、一般庶民では経験できないような生活があるかもしれません。
「奢侈」を使った例文と解釈
では、「奢侈」を使う場面は、どのようば場面で使われているか、例文を見ていくことにしましょう。
- 「奢侈」の例文1
- 「奢侈」の例文2
- 「奢侈」の例文3
「奢侈」の例文1
「彼女の自宅に招かれて伺ったですが、家具や絵画、掛け軸などの美術品あなど、全てが驚くべき奢侈のものばかりだったのです」
このようなリッチな生活を送っているような家庭育ったお嬢さんは、現実にもいることでしょう。
ごく普通に生活をしていた人にとっては、このような家はどのように映るでしょうか?
「奢侈」の例文2
「芸術的な趣きのある生活は、とても奢侈贅沢です。しかし、このような生活は日常生活でも心の持ちようでは味わうことがではできるかもしれません」
このような生活とは、一体どのような生活なのでしょうか?芸術的な趣きのある生活は、普通のサラリーマンでは思いつかない生活のようかもしれませんが、心の中で「美」に関するこだわりの思いを持っているなら、このような境地を見出せる可能性もあります。
「奢侈」の例文3
「今日の世の中には、奢侈と栄達とがある」
贅沢の限りを尽くす「奢侈」と、高い地位まで昇りつめて出世する「栄達」が、人にとって最高の名誉であり願望と思うかもしれません。
しかし、このような願いが成就した後には、何が残ることでしょう?
「奢侈」と「栄達」が必ずしも最高の生活ではなく、精神的な充実も必要だと思うのです。
「奢侈」の対義語
「奢侈」とは、「とても贅沢なこと」という意味からすると、対義語としては、「質素(しっそ)」が挙げられます。
この言葉の意味は「贅沢をせずに簡素な生活を送ること」となり、「質素な身なりをしている人」、「質素な暮らしぶり」というような使い方をします。
常に「質素」な生活を送っている人は、必ずしも経済的に貧乏だということではなく、精神的に謙虚な人ではないでしょうか?
「奢侈」を使った言葉と解釈
他に「奢侈」を使った言葉を見ていくことで、もう少し、この言葉の使い方の理解が深まると思います。
- 「奢侈淫佚」
- 「奢侈を尽くす」
- 「奢侈に流れる」
「奢侈淫佚」
「奢侈」を含む四字熟語で「奢侈淫佚」という言葉があります。
この言葉には、「贅沢ににふけり、淫らな(みだらな)楽しみや遊興にふけるさま」という意味があります。
「淫佚」自体、「淫らでだらしないさま」、「男女関係の淫らなさま」を指ししており、「奢侈淫佚な生活」、「奢侈淫佚にふける」などの使い方を見ることができます。
「奢侈を尽くす」
「奢侈を尽くす」とは「贅沢の限りを行う」という意味があります。
人は、経済的なゆとりが生まれてくると、どうしても贅沢な生活に慣れてしまい、つつましい生活に戻ることが難しくなってきます。
どんなに裕福になろうとも、何時も質素な生活を送るように心掛けることが必要です。
「奢侈に流れる」
「奢侈に流れる」も「度を超えて贅沢なこと」や「身分不相応な暮らしをすること」という解釈ができます。
「流れる」という言葉は、「水の流れ」というイメージがありますが、人の感情の動きを示すこともあります。
「贅沢」という裕福に負けてしまい、「奢侈に流れる」ということは、人を堕落させてしまうことになりかねませんので、注意することです。
「奢侈」の英語
「奢侈」を英語に訳すと“luxury”となりますが、「奢侈にふける」を英訳するなら、“indulge in luxury”、“be addicted to extravagance”となり、他に「奢侈に流れる」という語句は、“fall into luxurious habits”という形で表現することができます。
「奢侈」という言葉を見ていくと、あまり身近な言葉ではないと思われるのですが、人の行動を戒める場合に使うことができる言葉かもしれません。
人は贅沢な生活を一度送ると、その生活ぶりはますますエスカレ-トしていきます。
しかも、止まることができなくなり物質面での豊かさだけも求めて行くようになっていくことから、精神面の豊かさを忘れてしまうのかもしれません。
そのようなことから、「奢侈」という言葉の意味を理解した時に人が贅沢に生活に憧れることは、果たしていいことのなのでしょうか?
そのことを考えると、人の生活には、精神的な充実が必要不可欠なことが必要なのです。