「蒐集」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「蒐集」という字を見たことがある人はほとんどいないことでしょう。
ですが、意味を知るとこれまでも身近にあった言葉だということに気づきます。
ここでは「蒐集」という言葉について意味や読み方、使い方を確認していきます。
目次
- 「蒐集」の意味とは?
- 「蒐集」の類語や言い換え・似た言葉
- 「蒐集」の言葉の使い方
- 「蒐集」を使った例文と解釈
- 「蒐集」の具体例
- 「蒐集」の英語
- 「蒐集」を使った言葉と意味の解釈
「蒐集」の意味とは?
意味は「寄せ集めること」、または「趣味や研究などのために物や資料をたくさん集めること、あるいは集められたもの」となります。
これを聞くと「収集」が浮かぶ人もいるでしょうが、実はほとんど同じ意味になります。
ただ、敢えて「収集」と「蒐集」を使い分ける場合は、「収集=寄せ集めること」「蒐集=物や資料をたくさん集めること」という区別になります。
- 「蒐集」の読み方
「蒐集」の読み方
「収集」と同じ意味であることから想像できるように、こちらも「しゅうしゅう」と読みます。
もともとは「蒐集」という漢字でしたが、「蒐」が常用外の字であるため、「収集」という言葉が生まれました。
「しゅう」「しゅう」はどちらも音読みです。
また、くさかんむりのしたが「鬼」であるため「きしゅう」と読み間違えやすいですが、そういった読み方はないので気をつけてください。
「蒐集」の類語や言い換え・似た言葉
「収集」を別にしても多くの類語があります。
例えば「寄せ集める」という意味で「かき集める」「取り集める」、「物や資料をたくさん集める」という意味では「コレクション」「採集」などで言い換えられます。
また、「蒐」の字を使った「蒐荷」という言葉もあり、こちらは「集荷」と同じ「各地からの荷物を一ヵ所に集める」という意味を持ちます。
「蒐集」の言葉の使い方
基本的に「○○の蒐集」「○○を蒐集する」「趣味は○○蒐集です」といった使い方をします。
○○に入る言葉は切手・昆虫・芸術品など様々ですが、基本的には「趣味や研究などのために」ものを集めるという意味であるため、町内のゴミを集める場合などは「収集」を使うことになります。
「蒐集」を使った例文と解釈
それでは「蒐集」を使った例文を見てみましょう。
身近な漢字ではないものの、意味は比較的平易であるため使い方は難しくありません。
また、ここでは「収集」と区別した意味で使っている例文を集めています。
- 「蒐集」の例文1
- 「蒐集」の例文2
- 「蒐集」の例文3
「蒐集」の例文1
「北欧雑貨の蒐集を楽しみにしています」
これは「○○の蒐集」という使い方ですね。
趣味として北欧雑貨を集めることを楽しみにしている、という意味です。
もちろん「収集」でも全く問題ありませんが、「蒐集」にすることで趣味としてこのジャンルを大量に集めているというニュアンスが強まります。
「蒐集」の例文2
「蝶の研究のために資料を蒐集している」
「○○を蒐集する」という使い方で、研究のために蝶の資料を集めているという意味になります。
研究する目的のために狙いを絞って集めているニュアンスを強めるために「蒐集」が使われます。
「蒐集」の例文3
「私の趣味は切手蒐集です」
こちらが「○○蒐集」の使い方で、意味は例文1とほとんど同じです。
また、通常のゴミ回収は「収集」を使いますが、仮に仕事ではなく趣味として集めている場合は、この例文と同じように「私の趣味はゴミ蒐集です」とすることができます。
「蒐集」の具体例
趣味や研究について使う言葉であり、趣味は人によって様々であるため、「蒐集」の対象も星の数ほどあることになります。
その中でも切手や昆虫の標本、書物、芸術品などについて使われることが多いですし、子どもの間ではアニメなどのカードを「蒐集」することが流行する場合もあります。
「蒐集」の英語
ぴったりくる英語は「集めること、コレクション」という意味を持つ“collection”です。
また、“gather”(名詞のように使える現在分詞は“gathering”)は「寄せ集める、蓄積する」といった意味を持ちます。
“accumulation”も「蒐集、蓄積、集積」の意味を持つ語ですが、どちらかというと「溜める」という意味合いが強く、趣味のために集めようとするという意味とは少し違った印象になります。
「蒐集」を使った言葉と意味の解釈
最後に「蒐集」を使った言葉を3つ見てみましょう。
どれも「収集」で書き換え可能な言葉ですので、一度は耳にしたことがある言葉かもしれません。
「蒐集」の意味合いを再確認しながら解釈していきます。
- 蒐集癖
- 蒐集家
- 蒐集品
蒐集癖
「しゅうしゅうへき」と読む「むやみに物を集めたがる癖(くせ)」を指す言葉であり、人間の持つ狩猟本能によるもの、という説も多く流布しています。
「夫の蒐集癖が強くて困る」などと使います。
意識的に集めるだけでなく、癖なので衝動的に買ってしまう、集めてしまうということもあるようです。
蒐集家
「しゅうしゅうか」と読み「目的を持ってものを集める人」、つまり研究などのために物を集める人や、一見同じようなものを何個も集めている人を指します。
この「家」は「愛妻家」「野心家」などの「家」と同じで、「?な人」という意味で使われています。
たいていの場合学ぶ意欲があり、一つひとつの微細な違いなどを分かる人が多いのが特徴的です。
蒐集品
読み方は「しゅうしゅうひん」で、「蒐集した品(しな)」=「集めたもの」を指す言葉です。
「非売品」「特売品」などに使われる「品」ですね。
趣味などのコレクションに対してはもちろん、博物館や美術館に所蔵されている芸術作品に対しても使うことができます。
常用外漢字ということもあり普段目にすることがほとんどない「蒐集」という言葉を見てきましたが、意味は平易で使いやすい言葉でした。
とはいえ一般的には「収集」が圧倒的によく使われています。
相手が「蒐集」を知らない可能性もあるため、基本的には「収集」を使う方が無難でしょう。
ここぞという時に上手く使う言葉として頭に入れておいてください。