「葛藤」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人は生きている間に様々な出来事に遭遇します。
その出来事は嬉しいことだけでなく、辛いこと、悲しいことなど、実に様々なことが起こります。
自分では決して望んでいない出来事でも、情け容赦なく来るものです。
「どうして、私にこんな出来事に出会ってしまうの?」
そんなふうに思うことを決して、おかしなことではありません。
できれば、自分の生活が安定して平穏な毎日を過ごすことができることを願っているからです。
しかし、困難な出来事が自分の身に降りかかるからこそ、人生は波乱万丈であり、自分の存在意義も見いだせるのではないでしょうか?
そのような山あり谷ありの人生の中で、「葛藤」ということがあります。
目次
- 「葛藤」の意味とは?
- 「葛藤」の類語や言い換え・似た言葉
- 「葛藤」の言葉の使い方
- 「葛藤」を使った例文
- 「葛藤」の英語
- 「葛藤」の語源
- 「葛藤」する心理
- 「葛藤」を使った言葉
「葛藤」の意味とは?
「葛藤」という言葉は、「心の中で葛藤している」というような表現で使われることが多い言葉ですが、どのような意味を持っている言葉でしょうか?
「葛藤」とは、「葛や藤がつるを絡ませてもつれ合う様子」を例えに使った言葉なのですが、この言葉には「心の中に相反する欲求が存在し、どれを選択するか迷うこと」という意味を持つ言葉です。
人生は、選択の連続と例える人もいますが、その選択肢のうち何れか1つを選ばなければならなく、迷いが生じて、心と頭を悩ますことを「葛藤」と呼んでいます。
- 「葛藤」の読み方
「葛藤」の読み方
「葛藤」の読み方は「かっとう」となります。
「葛藤」の類語や言い換え・似た言葉
では、「葛藤」の類義語は、どのような言葉で置き換えることができるでしょうか?
- 「ストレス」
- 「フラストレーション」
「ストレス」
「葛藤」に近い意味を持つ言葉では、「ストレス」があります。
「ストレス」は、悩める現代社会の状況を表現できる代表的な言葉かもしれません。
元々、「ストレス」には、「生体的な外傷・中毒・寒冷・伝染病・精神的緊張などの刺激が加わったとき、生体の示す反応」という意味があります。
一言で言うと、「精神的緊張」とも表現することができます。
それが現代社会では、「精神緊張・心労・苦痛などの心理的な抑圧かたくる精神的・肉体的に負担となる刺激や状況」のことも指すようになっています。
現代のビジネ業界では、慌ただしい時間と複雑な人間関係から、この「ストレス」に悩まされている人々が数多くいらっしゃいます。
これは、まさに社会的問題と言っても過言ではありません。
「フラストレーション」
「フラストレーション」も同義語の1つとして挙げられます。
「フラストレーション」は、「欲求がなんらかの障害によって阻止されている状態」や「その結果生じる不快な緊張や不安」を指しています。
前項の「ストレス」の差異を問われることが少なくないでのすが、
「ストレス」は、「外部からの圧力によって押さえつけられ、本来の状態や力が発揮できない状態のこと」を意味しています。
フラストレーションは、「本来なら満たされているはずの欲求が、何らかの要因によって満たされていない状態にあること」という違いを見ることができます。
「葛藤」の言葉の使い方
「葛藤」の使い方ですが、2つの選択肢の中かた、何れかいずれか一方を選ばなければならないことで、迷う状態を「葛藤」と言っています。
但し、自分が実行したいことが複数あり、どれも選ぶか迷いが生じる「葛藤」があれば、やりたくないことが複数あるために生じる「葛藤」もあります。
このように「葛藤」にも色々なパターンがありますが、いずれも「両立できないことから生じる迷い」という理解になるでしょう。
心理学的には、「心の中に、相反する欲求や感情が生まれたことにより、選択することを迷うこと」という意味になります。
尚、心理学という観点で「葛藤」を考察してみると、「互いに異なる条件の選択肢の中から1つを選ばざるをえない」という環境に置かれた場合に、どの道に進むべきかと自問自答する状態を指しています。
選択肢には、3種類のパターンに分けることができるでしょう。
- いくつの条件から、ベストと思われるものを1つ選ぶ
- 複数の避けたい条件ばかりであるが、どれかを選択しなければならない
- 自分の希望する条件があるものの、選択したなら、悪い結果が予想される
このような条件の中で、現在、自分が置かれている状況を考えて選択することをしなくてはなりません。
「葛藤」を使った例文
「葛藤」の例文を見てみることにします。
- 「葛藤」の例文1
- 「葛藤」の例文2
- 「葛藤」の例文3
「葛藤」の例文1
「長い葛藤の末、社長の職を辞することにしたのです」
社長とのなると、色々な思いや将来のことを考えてしまうものです。
自分の社会的地位のことはもちろんですが、会社の行く末、社員の雇用等、様々な悩みがあるはずです。
しかし、諸々のことに鑑み、辞職することを決めるまでには、多くの葛藤があるはずです。
「葛藤」の例文2
「行方不明になった息子を思うと、自分の育て方が正しかったのか、間違っていたのか葛藤してしまうのです」
自分の子供がいなくなったことで、今まで立派になって欲しいという願いから、厳しく教育していたことに大きな悩みを持つ親の心境が伝わってくるようです。
「葛藤」の例文3
「拾った財布に数万円ものお札が入っていたことから、警察に届けるべきかそうでないか葛藤した」
普通に考えれば、警察に届けることが当然のことですが、ここはやはり人間です。
黙って、自分のものにするか、それとも正直に届けるか?
悪魔が自分の心に囁いてしまうのです。
ここで、正しい判断ができれば、この人は大丈夫です。
どんな人でも、このような場合には、心に「葛藤」が生まれてきても避難することはできません。
しかし、大切なことは、その後に「悪魔の囁き」に打ち勝つことです。
「葛藤」の英語
「葛藤」を英語で表現すると、“conflict”、“tension”、“trouble”などがあります。
「葛藤」の語源
「葛藤」は植物の名前としても存在している言葉です。
但し、つる性の植物の「葛藤」は、「かっとう」という読み方ではなく、「つづらふじ」と読みます。
夏には薄緑色の花を咲かせる植物ですが、つるは籠などを編むことに使われています。
「葛藤(つつらふじ)」は、つる性落葉木本で、温暖な山中に自生しています。
この「葛藤(つつらふじ)」から、「葛や藤の枝がもつれ絡むこと」から心理的な意味の「葛藤(かっとう)」という意味に転じてきたとされています。
「葛藤」する心理
自分の中に否定的な気持ちが生まれた時、それを否定せずに自分自身が、その感情の正しい理解者になろうとすることから、心の中に正しい葛藤が生れてきます。
正しい葛藤の中では、様々な気持ちを大切にすることのできる解決を見つけようとすることで、最終的に自分本来の価値観であるべき形の決断につながっていくのです。
このように考えると、「葛藤」は、心地良いものではないはずですが、人としての素直な行動かもしれません。
「葛藤」を使った言葉
「葛藤」を使った言葉も見ていきます。
- 「〜の間で葛藤」
- 「心の中で葛藤」
- 「葛藤の末」
「〜の間で葛藤」
「義理と人情の間で葛藤している」
人には、実に多くの悩みを抱えています。
義理、人情の人の心の表れの1つでしょう。
この心理状態の環境において、悩み判断に迷うことが数多くあります。
「心の中で葛藤」
「心の中で葛藤が生じている」
前項と同様に人は、物事の善し悪しでも、「葛藤」とします。
普通に悪いことだと思っていても、自分の弱さから、「葛藤」することもあります。
「葛藤の末」
「長い間の葛藤の末、ようやく決心をした」
「葛藤」することは、決して悪いことではありません。
大切なことは、「葛藤の末」に何を見出したかということではないでしょうか?
「葛藤」は、心を持つ人間だからこそ生じる心の動きではないかと思います。
「悩むこと」「迷うこと」
できれば、すぐに決断できればいいのですが、色々なドラマがある人生の中では、「葛藤」することは避けることができないでしょう。
しかし、「葛藤」するからこそ、人には「進化」という未来があるのではないかと思うのです。