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「ニヒル」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「ニヒル」とは、虚無主義的、物事全般に対して冷たくて醒めているさまのことです。

「ニヒル」「意味・類語・言い換え・使い方・例文・言葉・語源」などについて、詳しく説明していきます。

ニヒル

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「ニヒル」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「ニヒル」の意味とは?
  • 「ニヒル」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「ニヒル」の言葉の使い方
  • 「ニヒル」を使った例文
  • 「ニヒル」の語源
  • ニヒルを使った言葉や意味を解釈


「ニヒル」の意味とは?

「ニヒル」の意味とは?

「ニヒル」の意味は、「虚無的・虚無主義的」「物事や他者に対して冷たくて醒めているさま・感情的にならずに斜めに構えている・暗い影を背負っている」などになります。

「ニヒル」“nihil”という言葉は、元々は近代の哲学用語である「虚無主義のニヒリズム」“nihilism”に由来する言葉であり、「すべての物事には究極的な意味や価値はないとする思想・考え方」に基づいています。

全ての物事や人間には価値・意味がなくて虚しいと感じているから、ニヒルな人は虚無主義的な醒めた冷たい態度を取るようになり、物事・他者に対する熱意や興味関心を示さなくなって暗い影を背負っているのです。

ニヒルというのは、「全ての物事に価値や意味がないと考える虚しい態度・思想・様子」のことを意味しているのです。



「ニヒル」の類語や言い換え・似た言葉

「ニヒル」の類語や言い換え・似た言葉

「ニヒル」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「ニヒル」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。

  • 「虚無的」【きょむてき】
  • 「シニカル」【しにかる】
  • 「クール」【くーる】

「虚無的」【きょむてき】

「ニヒル」の類語・言い換えとして、「虚無的・虚無主義的」があります。

「虚無的・虚無主義的」というのは、「過去・現在・未来におけるあらゆる物事には意味も価値もなくて虚しい」ということです。

ニヒルはそういった虚無的な雰囲気(全ての物事に価値がなくて虚しいと感じている様子)を意味していますから、「虚無的・虚無主義的」はニヒルの類語として考えることができます。

「シニカル」【しにかる】

「ニヒル」の類語・言い換えとして、「シニカル・冷笑的」があります。

「シニカル・冷笑的」というのは、相手の発言や態度、存在を真剣に受け取らずに、皮肉な態度(馬鹿にした態度)を取ることです。

冷笑は嘲笑と似た言葉で、相手のことを軽視して蔑み笑うことです。

ニヒルにも世界や他者を上から見て軽視するというニュアンスがあるので、類語として「シニカル・冷笑的」を上げることができます。

「クール」【くーる】

「ニヒル」の類語・似た言葉として、「クール・無感情」があります。

「クール」というのは、相手がどんな対応をしてきても感情的にならずに冷静に落ち着いて振る舞うことです。

「無感情」というのは、喜怒哀楽の分かりやすい感情を表に出さないこと、激しい感情を持たないことです。

「ニヒル」にもあらゆる物事に意味はないから激しい感情を出す必要などないというクールな側面があり、「ニヒル」「クール・無感情」は似た言葉として考えることができるのです。

「ニヒル」の言葉の使い方

「ニヒル」の言葉の使い方

「ニヒル」という言葉は、物事や他者に対して喜怒哀楽の感情を出さずに冷たく醒めた反応をする人に対して使います。

「ニヒル」には、「あらゆる物事や人物には意味がなくて本質的に虚しい」という虚無主義的な意味があるので、虚無主義的な生き方をしていたり態度を示していたりする人に対しても、ニヒルという言葉を使用します。

ニヒルな人やニヒルな思想は、「過去・現在・未来において全てのものに価値や意味はないのだから熱くなっても仕方ない」という醒めた価値観を背景に持っています。

そのため、人から嫌なことをされても声を荒らげて怒ったり興奮したりすることもなく、普通の人が飛び上がって喜ぶような出来事があっても、表情を変えることなくクールな反応を返すだけなのです。

そういった感情を表に出さず、何(誰)に対しても冷たくて醒めた態度を示す人や思想に対し、「ニヒル」という言葉を用います。



「ニヒル」を使った例文

「ニヒル」を使った例文

「ニヒル」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「ニヒル」を使った例文について紹介していきます。

  • 「ニヒル」の例文1
  • 「ニヒル」の例文2
  • 「ニヒル」の例文3

「ニヒル」の例文1

ニヒルな天才肌の彼は、東京大学の入学試験にトップの成績で合格したにも関わらず、笑顔一つも見せずに無表情のままだった。

新入生代表として入学式で立派な文面の答辞を読みあげた彼のニヒルな態度に、周囲の人は強い違和感を感じていた。

「ニヒル」の例文2

美貌に恵まれた彼女のニヒルな微笑を見た男は、彼女の妖しげな魅力に磁石のように吸い寄せられてしまうのだった。

「ニヒル」の例文3

「世の中の人や物事すべてに何の価値もないというようなニヒルな生き方・対応をしていたら、いつかあなたの周囲から友達はみんないなくなってしまうだろう」とかつて親友のAから警告されたものだった。

「ニヒル」の語源

「ニヒル」の語源

「ニヒル」“nihil”の語源は、フリードリヒ・ニーチェらの実存主義と関係が深い近代の哲学用語である「ニヒリズム」(“nihilism”,虚無主義)にあります。

虚無主義の意味は、「(ニーチェのいう神の死と関係して)あらゆる物事や人間には究極的な価値・意味などはなくてすべては虚しくて無価値であるという思想」のことです。

ニヒルの言語学的な語源はラテン語の“nihil”であり、“nihil”の意味は「無」です。

ニヒリズムというと哲学好きな人には反射的に「超人思想・永劫回帰」のフリードリヒ・ニーチェが思い浮かぶのですが、1733年にニヒリズムという言葉を著作の中で初めて使用したのは、ドイツの思想家フリードリヒ・ハインリヒ・ヤコービであると言われています。

ニヒルを使った言葉や意味を解釈

ニヒルを使った言葉や意味を解釈

ニヒルを使った言葉を紹介して、その意味を解釈していきます。

  • 「ニヒルな顔つき・ニヒルな表情」
  • 「ニヒルな対応・ニヒルな態度」
  • 「ニヒルな男(女)」
  • 「ニヒルな生き方」
  • 「ニヒルな思想・ニヒルな価値観」
  • 「ニヒルな雰囲気」
  • 「ニヒルな笑い」
  • 「ニヒルな現代」

「ニヒルな顔つき・ニヒルな表情」

「ニヒルな顔つき・ニヒルな表情」というのは、世の中の物事や変化に対してほとんど興味関心が無さそうな顔つきという意味になります。

「ニヒルな表情」という時には、人間関係やコミュニケーションの経験の中でも、ほとんど喜怒哀楽の感情を表情に表さないということが示唆されています。

「ニヒルな対応・ニヒルな態度」

「ニヒルな対応・ニヒルな態度」というのは、何事に対しても熱心な興味や意欲を示さない無気力な対応・態度ということです。

自分にとって重要な問題・物事であるにも関わらず、まるで他人事のように興味がない無気力な反応を示す時に、「ニヒルな対応・ニヒルな態度」という言葉を使います。

「ニヒルな男(女)」

「ニヒルな男(女)」というのは、世俗的な物事や欲望にほとんど興味関心が無さそうな男(女)ということですが、ニヒルな男(女)は独特の魅力を持っていると言われています。

何事に対しても熱くなることがなくいつも沈着冷静なので、どことなく浮世離れしたミステリアスな魅力が漂うのです。

「ニヒルな生き方」

「ニヒルな生き方」というのは、世間一般で価値があるとされている「お金・職業・地位・名誉・権威・異性などに対する欲望」を感じさせない生き方のことです。

ニヒルな生き方というのは、欲望・悪意が少ない代わりに、一生懸命に頑張ることのない生き方でもあるのです。

「ニヒルな思想・ニヒルな価値観」

「ニヒルな思想・ニヒルな価値観」というのは、端的に言えば「ニヒリズム(虚無主義)の思想・価値観」のことを意味しています。

世の中のあらゆる物事や人間には究極的な価値も意味もなくて虚しいもの、全ての物事に価値も意味もないのだから熱くなって努力(執着)しても仕方がないという思想・価値観のことを指示しています。

「ニヒルな雰囲気」

「ニヒルな雰囲気」というのは、力が入っていないどこか脱力したアンニュイな雰囲気のこと、あるいは暗い影を背負った生き生きとした感じのない雰囲気のことを意味しています。

ニヒルな思想や考え方を持つニヒルな人は、必然的にガツガツとしていない無気力な感じを受ける「ニヒルな雰囲気」を身にまとうことになるのです。

「ニヒルな笑い」

「ニヒルな笑い」というのは、強い喜び・楽しみを感じさせない乾いた笑いのことです。

あるいは、目が笑っていない心のこもっていない笑い、口元だけで「フッ」と軽く微笑するような笑いのことを意味しています。

「ニヒルな笑い」は、どことなく周囲に虚しさや寂しさを漂わせることになります。

「ニヒルな現代」

「ニヒルな現代」というのは、「究極的な価値の根拠や絶対的な意味の基盤を失った現代という時代風潮」のことを意味しています。

現代は哲学史の上では「ポストモダン」「相対主義の時代」と呼ばれますが、これらは「絶対的な価値・意味・真理の不在を前提とした思想」になっています。

現代という時代は、万人が無条件で信じられる神(宗教)・文化も関係も習慣もないという意味で、「ニヒルな現代(拝金主義・物質主義の虚しさを感じる現代)」としての特徴を持っているのです。

icon まとめ

「ニヒル」という言葉について徹底的に解説しましたが、ニヒルには「全ての物事に価値がないと考える虚無的な感じ」「冷たくて醒めているさま・感情を表に出さず暗い影がある感じ」などの意味があります。

ニヒルの類語・言い換え・似た言葉としては「虚無的・虚無主義的」「シニカル・冷笑的」「クール・無感情」などがあります。

「ニヒル」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。