「嘯いて」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
字体が難しくてつい嫌煙してしまう言葉があります。
嘯いてもそんな漢字のひとつでしょう。
頻繁に目にする言葉でもないので、その意味も読み方も知らない人も多いはずです。
また、知っているつもりで間違った使い方をしてしまう事もあるのが、嘯いての特徴です。
間違った使い方をせず、適切な場面できちんと使えるように意味や用法を頭に入れておきましょう。
目次
- 「嘯いて」の意味とは?
- 「嘯いて」の類語や言い換え・似た言葉
- 「嘯いて」の言葉の使い方
- 「嘯いて」を使った例文
- 「嘯いて」の語源や由来
- 「嘯いた」の反対の意味の言葉
「嘯いて」の意味とは?
嘯いてには、複数の意味があります。
最も一般的なものは、とぼけて知らないふりをするという意味です。
ついで偉そうに大きなことを言う、豪語するといった意味で用いられることも少なくありません。
一方で嘯いての意味としてあまり用いられないものが、獣がほえることや鳥が鳴くといったものになります。
口をすぼめて息や声を出したり、口笛を吹くことも嘯いての意味のひとつです。
その他、詩歌を小声で吟じるという風流な意味も持ち合わせています。
複数ある嘯いての意味ですが、とぼけて知らないふりをする、偉そうに大きなことをいうという意味の2つを覚えておくと困る事はないでしょう。
- 「嘯いて」の読み方
「嘯いて」の読み方
嘯いては、うそぶいてとよみます。
うそぶいてが万人に通じる一般的な読み方になりますが、他にもうそむいてと読むことも可能です。
嘯という漢字は見た目からも難解な印象を受けますが、実際に漢字1級にあたる字であり、画数は16画にもなります。
嘯だけをみた場合の読み方は、音読みではショウ、シツで訓読みではうそぶ(く)しか(る)となるので、覚えておくと良いでしょう。
「嘯いて」の類語や言い換え・似た言葉
嘯いてという言葉は、時にその読み方から嘘をつくの類語と間違えられることがあります。
ただ、実際の意味としては嘘をつくとは違った意味になります。
では、嘯いてとの類語や言い換えに用いることの出来る似た言葉には、どんなものがあるのでしょうか。
- 大言
- 豪語する
- 大口を叩く
- 平然と言う
- しらばくれる
- とぼける
- 咆哮する
大言
文字通り大きなことを言うという意味が大言です。
例えば実力がないにもかかわらず、大それた発言をすることこそが大言になります。
嘯いてには、偉そうなことを言うといった意味で使用されることもあります。
ですから、上記のような意味合いで使用される場合、大言は嘯いての類語や似た意味を持つ言葉だと言えるでしょう。
豪語する
実際よりも大袈裟なものの言い方をしたり、できもしないことを言うことを豪語するといいます。
また豪語するは、偉そうに言う強く言うといった意味合いにもとれるでしょう。
これも嘯いての偉そうなことを言う、と同じような意味をもつ言葉だと言えます。
大口を叩く
嘯いての偉そうに言う、大きなことを言うといった意味の類語として、大口を叩くという言葉もあげることが出来ます。
大口を叩くは割りと頻繁に使われる言葉のひとつですが、その意味は嘯いてと同じく偉そうに言う、身の丈に合わないほど大きなことを言うとなります。
平然と言う
とぼけて知らないふりをするといった意味の嘯いてと似た意味の言葉としては、平然と言うをあげることが出来るでしょう。
平然と言うは、いわば平気で言うということになります。
何事もないように動じずに話すという意味です。
そこが嘯いての言い換えとして用いることが出来るポイントになります。
しらばくれる
しらばくれるとは、知らないふりをして普通に振る舞うといったような意味を指します。
白々しいとも近い意味を持っています。
嘯いての意味のひとつである、知らないふりをするとしらばくれるは似た意味の言葉だと言えるでしょう。
とぼける
とぼけるも嘯いての知らないふりをするという意味の類語にあてはまるでしょう。
とぼけるの意味は、わざと知らないふりをすると言ったものになります。
本当は知っていることでも、その事を認めようとせず、知らんぷりをすることを指します。
とぼけるは、様々な場面で使用することが可能で、同じような意味であっても嘯いてよりも使いやすいでしょう。
咆哮する
獣が鳴くという意味で嘯いてを使用する場合、咆哮するが似たような意味の言葉となります。
どちらも動物が吼える、鳴くといった意味になり、動物の鳴き声自体を指しめしている場合もあります。
ただ、現代では動物の咆哮を嘯いてといった言い方をする事はほとんどないでしょう。
「嘯いて」の言葉の使い方
嘯いては、嘯くという動詞の連用形になります。
接続助詞の「て」が付いた形で嘯いての後に用言が続くカタチで使用されるのが一般的です。
嘯いてには複数の意味があるものの、使い方としては知らないふりをしてとぼける、偉そうに大きな事をいうの2つが基本となります。
うそという言葉から、嘯いてとは嘘をついてという事だと勘違いされる事が多いのですが、これは間違った使い方になります。
嘘をつくの場合は、本当じゃない事を言う、人を騙そうとすることです。
ですが嘯いては、積極的に嘘をついたり、人を騙す際に使用する言葉としては相応しくないのです。
知っている事でもとぼけて知らないふりをするのも、出来ないことを言ってしまうのも結果的には嘘をついてると変わらないかもしれません。
そのため意味合い的には、同じだと捉えられても仕方ありません。
しかし、その本質は違うという事に注目をして使い分けてください。
「嘯いて」を使った例文
とぼける、大口を叩くといった言葉のほうが使いやすいため、嘯いてを用いることは少ないでしょう。
ただ、嘯いても上手く使用するとその場の状況を上手く伝える為に役立ちます。
いくつか例文を見ていく事によって、適切な使い方を覚えていきましょう。
- 「嘯いて」の例文1
- 「嘯いて」の例文2
- 「嘯いて」の例文3
「嘯いて」の例文1
「そんな仕事は自分にとっては容易いことだと嘯いて後悔をした」
上記は偉そうなことを言う、大きなことを言うといった意味で嘯いて使用した場合の例文になります。
出来もしないこと、身の丈に以上のことを言う時には、嘯いてを例文のように使います。
「嘯いて」の例文2
「約束を忘れて待ち合わせに来なかった彼を問い詰めたら、そうだったっけ?と嘯いてみせられた」
これはとぼけて知らないふりをするという意味で、嘯いてを使用した時の例文になります。
本当は約束したことを覚えているのに、それを認めない態度をとっている事を表しています。
嘘をつく、人を騙すというニュアンスではなく、あくまでも知らんぷりをするしらを切る時にこのように嘯いてを用いる事が出来るのです。
「嘯いて」の例文3
「猛獣が嘯いて空気が震えた」
この例文はあまり使用されることがないケースですが、獣が吠える、咆哮するという意味で使用した場合の例になります。
主語が獣や動物の場合、知らんぷりをしたり偉そうなことを言うといった意味にはならないので注意をしましょう。
「嘯いて」の語源や由来
鳥を呼ぶ時など、口笛を吹いて呼び寄せる事があります。
嘯いての嘯くとは、こうした口笛を吹くというのが本来の意味であり語源です。
ウソという名前の鳥類がいますが、口笛はこのウソの鳴き声を真似したと言われていることから今の意味になったと言われています。
また、今の意味になったのには、もうひとつの説があります。
マンガなどでとぼけて知らんぷりをする際に唇をすぼめて口笛を吹く描写をする事があるでしょう。
とぼける時のその仕草から、今の意味になったという説もあり、どれが真実なのかは定かではありません。
「嘯いた」の反対の意味の言葉
大きな事を言う、知らんぷりをする、とぼけるといった意味をもつ嘯いたの反対の意味をもつ言葉はあるのでしょうか。
せっかくですから嘯いたとセットで覚えておくと良いでしょう。
嘯いたの意味別に、それぞれの反対の意味になるような言葉を紹介します。
- 謙遜
- 真摯
- 正直
謙遜
豪語する、大きなことを言うの反対の意味としては謙遜するを用いることが出来ます。
謙遜するとは、自分の能力などを低く評価することなので、完全な対義語とは言えません。
ただ使い方や条件によっては、反対の意味を表す言葉として使用することが可能でしょう。
真摯
知っていることを知らないふりをする態度は、決して真摯な姿とは言えないでしょう。
つまり、真摯に向き合うということは、嘯いたとは反対の意味を持っていると言えます。
ですからとぼけるや知らんぷりをするという意味で使う嘯いたは、真摯に向き合う、真摯な態度をとる事とは真逆の意味で使用することが出来るでしょう。
正直
正直は嘯いたの対義語というワケではありません。
ただし使い方によって、嘯いたと反対の意味を表す言葉として文章中に用いることが出来ます。
嘯くの反対の意味を表す為に用いるなら、正直に答える、正直に話す、正直に謝るなどと言った使い方が最適でしょう。
嘯いては大きなこと言う、とぼけて知らないふりをするという2つがよく使用される意味だと言えるでしょう。
その他に吠える、鳴く、詩歌を小声で吟じるといった意味もありますが、頻繁に使われる事はありません。
嘯いてを正しく使用するには、その意味をきちんと理解することが大切です。
嘯と嘘は、同じ意味で使われる言葉ではないので注意をしましょう。