「端境期」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人の人生は長くて80年。
中には100歳を越えても、なお、元気な方々がたくさんいらっしゃいます。
40歳、50歳になる人達も自分の人生を振り返って見た時に、これまでの年月があっという間に過ぎていったような感覚になるのではないでしょうか?
それだけに月日の経つのが早いのです。
しかし、今まで辿ってきた人生には数多くの分岐点があったはずです。
その分岐点を境に昨日までと今日からでは大きく人生の流れが大きく変わっていくのかもしれません。
その時に出てくる言葉が「端境期」ではないでしょうか?
目次
- 「端境期」の意味とは?
- 「端境期」の類語や言い換え・似た言葉
- 「端境期」の言葉の使い方
- 「端境期」を使った例文
- 端境期と過渡期の違い
- 「端境期」と似た意味の言葉
「端境期」の意味とは?
「冷房と暖房の端境期といったような感じで、ともかく昼と夜の気温差が大きすぎる時期になっています」
このような感じの表現を耳にしたり、目にすることがないでしょうか?
「端境期」とは、「端境の時期」のことで、もう少し詳しく、その意味を見ると、「物事の入れ替わりの時期」のことを指しています。
「この時期は、端境期で在庫が品薄となっております」というような張り紙をスーパーなどで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
「端境期」の由来ですが、元々「古い米に変わって新米が出回ろうとする時期」という意味があり、「9〜10月頃のこと」を言っていました。
この意味から転じて、「色々な作物が市場に出回らなくなる時期のこと」を指すようになってきて、広い意味では「移行期」のことを言っています。
- 「端境期」の読み方
「端境期」の読み方
「端境期」は、「はざかいき」と読みます。
何となく「ずいきょうき?」と言うように読みそうになるのですが、間違わないようにしておきましょう。
「はざかいき」という発音を聞けば、よく仕事の時でも使われる言葉として、比較的に身近な言葉に感じるのではないかと思います。
「端境期」の類語や言い換え・似た言葉
「端境期」の類語として浮かんで来る言葉としては、「過渡期」が出てくることでしょう。
「この数年の車業界は、ガソリン車から電気自動車へ移行する過渡期にあります」
この時の例文の意味としては、今まさに、新しい形へ移行している真っ先中であることを表していますね。
「モデルは、初期型から2世代目への過渡期であった」
この例文の末尾にある「であった」とは、「である」の過去形になっています。
現実では今が「過渡期」なのか、そうでないのか明確でない場合に多く使われています。
このように過去の様子を表す形で使われることもかなり多い表現です。
「端境期」の言葉の使い方
「端境期」という言葉には、「品不足になり物価が高騰すること」という意味がありました。
例えば、「端境期の農村を訪れてみると、どの家庭でも眠っているような静けさが広がっていた。そして、昔は端境期になると、どの野菜も驚く程に値段が高くなり声も出ないものなのだ」
このように作物についてのことで、用いられることが少なくありません。
「端境期」を使った例文
「端境期」を使う文をいくつか見ていくことにしましょう。
- 「端境期」の例文1
- 「端境期」の例文2
- 「端境期」の例文3
「端境期」の例文1
「米は今頃が端境期だが、他にも市場に出回りにくい作物があるのではないか」
古い米から新しい米になる時期に、他の作物も市場で、中々お目にかかることができない物もありそうです。
「端境期」の例文2
「蟹の旬のシーズンが終わり、やや端境期なのですが、春の遅い地域の山菜は今が旬なのです」
食材の出る時期を比べることによって、季節感を感じることができる例文です。
「端境期」の例文3
「ちょうど端境期のところで、学問にも高いテクノロジーが要求されているようになってきました」
インターネットが普及して久しいのですが、まさに今の時代のことを指しているのでしょうか?
端境期と過渡期の違い
「端境期」と似ている言葉としては、「過渡期」がありますが、この2つの言葉にも、ニュアンスの違いがあります。
「端境期」は、「季節が移り変わって行く過程において一時品物が手薄になるようなこと」を表す言葉です。
一方の「過渡期」は、「季節の移り変わり」という意味合いがありません。
組織体制や仕組みの変化などで使われることが多いですね。
「今はハウス栽培のイチゴと露地栽培のイチゴの端境期だから値段が高騰しているのです」「春物、冬物のちょうど端境期なので、寒いのにコートの品ぞろえが不足していますね」といったような使い方をします。
「端境期」と似た意味の言葉
「端境期」と似た言葉を見てましょう。
- 「転換期」
- 「曲がり角」
- 「ターニングポイント」
「転換期」
「転換期(てんかんき)」とは、「これまで進めていた出来事の進み方を大きく変えるべき時期」という意味を持っています。
そのために、「転換期」は、次の状態がまだ十分に見えていない時期に使われることが多い言葉です。
「これまで蓄積してきた技術も、来年からは転換期に差し掛かってくると思われています」
「現在のコンピューターは、これからの量子コンピューターへの転換期と呼べる存在かもしれない」
このような用い方になるでしょう。
「曲がり角」
「曲がり角」とは、「転換期」や「転換点」のことで、「その後の方向を決定づける一つの大きな変わり目」のことを言っています。
「人生観の曲がり角となった肉親の死」
「商売が曲がり角に差しかった」
「今、運命の曲がり角に来ている」
「苦境をどう乗り切るか、ちょうど社運の曲がり角にいるのだ」
「転職した昨年が僕の人生の曲がり角だったのかもしれない」
このような用例で、目にすることがあるかと思います。
「ターニングポイント」
「ターニングポイント」も、よくビジネスの世界で使われる言葉です。
「端境期」の同義語として使われることが多いでしょうが、意味としては、「転機」、「変わり目」、「分岐点」となります。
人にとっての「運命の分かれ道」という意味などで、よく使われます。
色々な出来事が経験して、後から思い返して見ると
「あれが、大きなターニングポイントだったんだなぁ」
と感じることがたくさんあるのではないのでしょうか?
社会人になると、就職のこと、転職をしたこと、独立を考えたことなど、人生の中で
考え直すターニングポイントは何回も訪れるはずです。
そのターニングポイントは、おそらく自分が生まれる前に自分が決めて生まれてきたということを考える人もいます。
「ターニングポイント」とは、そんなことさえも考えてしまうキーワードなのです。
「あの時の対抗試合が、僕の野球人生の大きなターニングポイントになっていると思うのです」
「今投げる一球一球のボールが、ゲームのターニングポイントになっていく可能性を秘めているのだ」
「次のモデルが、このナンバーシリーズのターニングポイントとなることが予想されます」
「今議論した中から生まれてきたアイデアで、行き詰まっていた商談に大きなターニングポイントが生まれるもしれないのです」
このような使い方になるでしょう。
「端境期」は、お米などの変わり目から来た言葉ではありますが、ビジネスの世界でも、ごく普通に使われている言葉です。
それだけに、何気なく使っているために、季節感さえ持っている言葉であることを知らない人も、結構いるのではないでしょうか?
「過渡期」や「転換期」などの同義語があるために、機械的に使われてしまいそうな感もあるのですが、しっかりと言葉の語源を理解して、正しいシチュエーションで使うことに気を遣うことも必要かもしれません。
日本語には、季節感も大切にしている言葉がたくさんあるのですがら、「端境期」も大切に使いたい言葉の1つです。