「縦横無尽」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「縦横無尽」とは、物事を思う存分にすること、物事を自由自在にすることです。
「縦横無尽」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・言葉」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「縦横無尽」の意味とは?
- 「縦横無尽」の類語や言い換え・似た言葉
- 「縦横無尽」の言葉の使い方
- 「縦横無尽」を使った例文
- 「縦横無尽」を分解して解釈
- 「縦横無尽」の英語
- 「縦横無尽」を使った言葉
「縦横無尽」の意味とは?
「縦横無尽」という言葉の意味は、「何ものにも邪魔されずに物事・活動を思う存分にすること」や「自分の思うがままに物事・活動を自由自在にすること」になります。
縦横無尽という言葉は実際には自由自在とほぼ同じ意味合いで使われることが多く、「誰にも何者にも妨げられずに思うがままに物事ができること」を意味しています。
縦横無尽にはただ、「四方八方に広がっている・どの方向にも広がっている」という意味もあります。
「縦横」は縦と横の方向性を示唆する言葉であり、「どの方向にも通じている・色々な方向に広がっている」という意味になります。
「無尽」は「尽きることがないこと・果てがないこと」の意味になります。
これらの言葉の意味から転じて、縦横無尽は「自分の思い通りに振舞っているさま・どの方面においても通じていて限りがないこと」を意味するようになったのです。
- 「縦横無尽」の読み方
「縦横無尽」の読み方
「縦横無尽」の読み方は、「じゅうおうむじん」になります。
「縦横無尽」の類語や言い換え・似た言葉
「縦横無尽」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?
「縦横無尽」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「自由自在」【じゆうじざい】
- 「縦横無礙」【じゅうおうむげ】
- 「如意自在」【にょいじざい】
- 「八面六臂」【はちめんろっぴ】
「自由自在」【じゆうじざい】
「縦横無尽」の類語・言い換えとして、「自由自在(じゆうじざい)」があります。
自由自在の意味は、「自分の思いのままにすること・何でも自分のやりたいようにできること」になります。
自由自在の「自由」は「何ものにも束縛・制限を受けていないこと」を意味し、「自在」とは「何ものにも妨害されず自分の思いのままになること」を意味しています。
「自由」と「自在」は同じ意味を持つ言葉なのです。
「自由自在」と「縦横無尽」は「何ものにも邪魔されずに物事を思いのままにすること」というほぼ同じ意味を持っているので、「自由自在」は「縦横無尽」の類語になっています。
「縦横無礙」【じゅうおうむげ】
「縦横無尽」の類語・似た言葉として、「縦横無礙(じゅうおうむげ)・縦横自在」があります。
縦横無礙の意味は、「どの方面にも妨げるものがなく自由であること・物事が自由自在に思うがままにできること」になります。
「無礙(むげ)」という言葉の意味も「妨げるものがないこと・障害になるものがないこと」であり、「縦横無礙・縦横自在」は「縦横無尽」の類語になっています。
「如意自在」【にょいじざい】
「縦横無尽」の類語・言い換えとして、「如意自在(にょいじざい)」があります。
「如意自在」の意味は、「自分の意のままに振る舞うこと・誰にも邪魔されず自由自在に行動すること」になります。
「縦横無尽」と「如意自在」は、ほぼ同じ意味を持つ類語になっています。
豆知識として、鳥山石燕が書き著した江戸時代の妖怪画集「百器徒然袋」に収載されている日本の妖怪の一種に「如意自在」という名前の妖怪もいます。
「八面六臂」【はちめんろっぴ】
「縦横無尽」の類語・似た言葉として、「八面六臂(はちめんろっぴ)」があります。
「八面六臂」の意味は、「多方面で目立った活躍をすること・一人だけで何人分もの優れた働きをすること」になります。
八面六臂とは「八つの顔と六本の腕」のことで、多方面にわたって同時に活躍できる超人的能力を象徴しています。
八面六臂は元々は阿修羅像のような「三面六臂(さんめんろっぴ:3つの顔と六本の腕)」の仏像を大げさに修飾した言葉ですが、「八面六臂の仏像」というのは実在しません。
「縦横無尽」の言葉の使い方
「縦横無尽」の言葉の使い方は、ある人物が何ものにも邪魔されることなく、思うがままに行動している時に使います。
その人物が持っている能力・才能・適性などを思う存分に発揮しながら活動している時に、「縦横無尽」という言葉を使うことができるのです。
人が「縦横無尽」に振る舞っている時とは、人が何ものにも(誰にも)妨害されたり邪魔されたりすることなく、「自由自在」に振る舞っている時で、そういった自由自在な活動状況が認められる場合に「縦横無尽」という言葉を使うことができます。
「縦横無尽」という言葉を使用する時のニュアンスとして、「思うがままに自在に振る舞うだけの勢い・能力があり、誰にも止められない」という感じがあります。
「縦横無尽」を使った例文
「縦横無尽」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「縦横無尽」を使った例文について紹介していきます。
- 「縦横無尽」の例文1
- 「縦横無尽」の例文2
- 「縦横無尽」の例文3
「縦横無尽」の例文1
縦横無尽に大きな矛で敵を蹴散らす関羽によって、義弟の張飛はギリギリで死の窮地から救われることになった。
「縦横無尽」の例文2
バッティングセンスに優れた3番バッターの彼の縦横無尽の活躍によって、私たちのチームは追加点を上げ、大量リードすることができた。
「縦横無尽」の例文3
縦横無尽に広い草原を駆け回る名馬の姿が朝日に輝いていて、神々しいまでに美しかった。
「縦横無尽」を分解して解釈
「縦横無尽」という言葉を、「縦横」と「無尽」に分解してその意味を解釈していきます。
- 「縦横」
- 「無尽」
「縦横」
縦横無尽の「縦横(じゅうおう)」とは、「縦と横・南北と東西」「あらゆる方面・四方八方」のことですが、「縦横」だけでも縦横無尽と同じように「何ものにも妨げられず自由自在に振る舞うこと・思いのままに行動すること」の意味があります。
「縦横」の少し変わった意味としては、古代中国の春秋戦国時代において国家間の軍事同盟を意味していた「合縦(がっしょう)と連衡(れんこう)」があります。
古代中国における「合縦」とは縦の位置にある国家同士が同盟を結ぶこと、「連衡」とは横の位置にある国家同士が同盟を結ぶことを意味しています。
「無尽」
縦横無尽の「無尽(むじん)」は、「尽きることがないこと・限りがないこと」を意味しています。
縦横無尽の「無尽」は、「自分の行動に限りがないこと=自分の行動に制限がないこと」を意味しています。
「無尽」の少し変わった意味として日本特有の金融用語としての「無尽」もありますが、この無尽は「縦横無尽」の意味とは関係がありません。
金融用語の無尽とは、「加入者を集めて定期に一定額の掛け金を入金させ、一口ごとに抽選・入札によって金品を給付する制度」のことです。
「縦横無尽」の英語
「縦横無尽」を英語で表現すると、シンプルに“freely”(自由に・思いのままに)や“right and left”(あらゆる方向に)になります。
“play a very active role”(自分の役割を積極的に果たす)」という英語表現も用いることができます。
“He worked freely(right and left).”
彼は縦横無尽に活躍した。
「縦横無尽」を使った言葉
「縦横無尽」を使った言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「縦横無尽」を使った言葉について紹介していきます。
- 「縦横無尽の活躍」
- 「縦横無尽の知略」
- 「縦横無尽に使う」
「縦横無尽の活躍」
「縦横無尽」を使った言葉として、「縦横無尽の活躍」があります。
「縦横無尽の活躍」とは、自分の思うがままに自分の能力や資質を発揮して成果を上げることです。
誰も止めることができないほどの勢いや能力がある時に、縦横無尽の活躍をすることができるのです。
「縦横無尽の知略」
「縦横無尽」を使った言葉として、「縦横無尽の知略」があります。
「縦横無尽の知略」とは、自由自在に優れた知恵を働かせてはかりごと(謀略)をすることです。
「縦横無尽の知略」を働かせることで、思うがままに知恵・知性で相手(敵)を罠にはめることで勝利を収めることや利益を得ることができるのです。
「縦横無尽に使う」
「縦横無尽」を使った言葉として、「縦横無尽に使う」があります。
「縦横無尽」に使うとは、その人物やモノが持っている潜在的な能力・才覚を思う存分に活用して使うことを意味しています。
「有能な人材を縦横無尽に使う」「車の性能を縦横無尽に使いこなす」などの言葉として用いることができます。
「縦横無尽」という言葉について徹底的に解説しましたが、「縦横無尽」の意味は、「物事を自由自在に(思う存分に)すること」や「どの方面にも限界がないこと・どの方向にも広がっていること」です。
「縦横無尽」の類語・言い換えには、「自由自在」「縦横無礙」などがあります。
「縦横無尽を使った言葉」には、「縦横無尽の活躍」「縦横無尽の知略」「縦横無尽に使う」などがあります。
「縦横無尽」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。