「実感がわかない」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
心から嬉しかったことや、本当に悲しいできごとに出会ったときなど、人はその感覚が自分のものとして受けいれられないときがあります。
いいことも悪いことも、あまりに大きなできごとに対して、受け身が取れないのかもしれませんね。
ここでは、「実感がわかない」ということばについてご紹介します。
目次
- 「実感がわかない」の意味とは?
- 「実感がわかない」の類語や言い換え・似たことば
- 「実感がわかない」のことばの使い方
- 「実感がわかない」を使った例文
- 「実感」を使った例文
- 「実感がわかない」の漢字は湧かない?沸かない?
- すぐに「実感がわかない」理由
「実感がわかない」の意味とは?
「実感がわかない」とは、実際に起きているものごとに対する感覚や感情が、自分自身のことなのにわからない、理解できない、ということを表すことばです。
現実のことなのに夢のなかにいるようであったり、自分のことなのにどこか他人事に感じられたりするときには、「実感がわいていない」のかもしれません。
- 「実感がわかない」の読み方
「実感がわかない」の読み方
「じっかん(がわかない)」と読みます。
「実」はほかに、「み」「みの-る」「み-ちる」「まこと」「さね」「まめ」などの読みがあります。
「感」は基本的には「かん」の読みのみになります。
「感情」「感覚」など、ほかの漢字との組み合わせによる熟語としても使われますが、「感じる」などと、送り仮名を振ることでも使われます。
「実感がわかない」の類語や言い換え・似たことば
「実感がわかない」ということばが出てこないときや、うまく意味が理解できないときには、類語表現や、似たことば、言い換えのことばを参考にしましょう。
類語表現を知ることで、もともと知りたかったことばの意味が理解できる、ということもあります。
- 「ピンとこない」
- 「夢のような」
- 「現実味がない」
「ピンとこない」
「ピンとくる」ということばは、ものごとを判断する決定打があることや、直感的にひらめくことを意味します。
逆に「ピンとこない」は、なにかを判断するときの決定打にかけることを意味する、ということになります。
宝くじに当たりましたよ、といわれたり、勝てると思っていなかった相手に勝利したりしたとき、それが本当に起こったことなのか、理解できないことがあります。
そんなとき、「どうもピンとこない」と思うことがあります。
「夢のような」
思いを寄せていた異性と交際することや、食べたいと思っていたシェフの食事会のチケットが当たったり、会いたいと思っていた著名人にインタビューをすることになったりしたとき、それが現実のことでないように感じられることがありますが、これを「夢のような」ということばで形容することができます。
基本的にはいいできごとに対して使われます。
よくないできごとには、「悪夢のような」ということばを使うこともあるでしょう。
「彼との夢のような日々は、婚姻届を提出したときもまだ信じることができなかった」
「現実味がない」
現実のことだとわかっているのに、現実らしく感じられない、というときに使うことばです。
「実感がわかない」もそうですが、ネガティブにもポジティブにも取れることばですので、どちらの感情を表すにも使うことができます。
「目の前に応援しているアイドルがいるというのに現実味がない」
「実感がわかない」のことばの使い方
先述しましたが、「実感がわかない」は、プラスイメージにもマイナスイメージにもなることばです。
よいできごとに対しても、よくないできごとに対しても、そのできごとを現実に起こったこととしてとらえられない、という場合に使います。
日常会話で使っても不自然でないことばですので、知っておくと使うときがあるかもしれませんよ。
「実感がわかない」を使った例文
具体的にどのように使うとよいか、例文を挙げてみましょう。
ポジティブにもネガティブにも使われていることや、どういう場合に「実感がわかない」のか、探ってみてください。
自分自身も「実感がわかない」できごとがあった、というときには、それを思いだすと、「実感がわかない」ということばが理解できるのではないかと思います。
- 「実感がわかない」の例文1
- 「実感がわかない」の例文2
- 「実感がわかない」の例文3
「実感がわかない」の例文1
「娘が生まれて二週間になろうとしているが、未だに父になったのだという実感がわかない」
喜ばしいできごと、ポジティブなできごとに対しての「実感がわかない」になります。
これまで両親の子ども、としてしか生きてこなかった人が、いつしか親になっている。
毎日子どもと対峙し、子育てをしていても、自分のことをパパやママと呼ぶようになってもまだどこか、腑に落ちていないという人も多いのではないでしょうか。
そのようなとき、自分が親になったことに「実感がわかない」という人はすくなからずいるでしょう。
「実感がわかない」の例文2
「まだ四十にもならないのに、高校時代の友人の葬式に来ているということが、どうも実感がわかない」
今度はお悔やみ、悲しみのシーンでの「実感がわかない」になります。
これもよく聞くことばですね。
まだその人の死を受けいれられず、どこかにその人がいつもどおりの平気な顔をして生きている気がする。
そんなときにもやはり人は、「実感がわかない」ことがよくあります。
「実感がわかない」の例文3
「練習ではうまくいったことのない技が決まり、優勝したが、表彰台にあがってもまだ実感がわかないでいた」
喜びと驚きのなかで、まだ現実に自分が優勝したことが納得できないでいる、という「実感がわかない」です。
嬉しいという気持ちはたしかに胸のなかにあるけれど、どこか夢を見ているような、あとになって嘘でしたとからかわれるような、信じがたいような気持ちをいいます。
「実感」を使った例文
「実感」は、わく、わかない以外にどのように使えることばなのか、ここで見ておきましょう。
例文のなかで見ていくことにより、文脈がわかり、実際に使うときの参考になりますね。
「実感」がどういうものか掴めてくるはずです。
- 「実感する」
- 「実感を抱く」
「実感する」
「せっかくなのでここでみなさんに、このボールペンの使い心地を実感していただきたいと思います」
このように、実際に感覚として知ることを、「実感する」といいます。
「実感がわく」よりももうすこしラフに、体験する、体感する、というようなときに使われます。
「実感を抱く」
「これまで小動物を毛嫌いしてきたが、彼にすすめられてすこし触らせてもらうと、たしかにみんながいうように癒やされたという実感を抱いた」
体感した結果、なるほどと理解するときに使うといいでしょう。
「実感がわく」と似たことばということもできますね。
「実感がわかない」の漢字は湧かない?沸かない?
「実感が湧かない」とも「実感が沸かない」とも書くように思いますが、正しくは「実感が湧かない」もしくは「実感が涌かない」となります。
しかし、「湧」も「涌」も常用漢字外のため、基本的にはひらがな表記とするのがいいでしょう。
「沸く」は、沸騰などの熟語からもわかるように、水が熱されお湯になることや、熱狂することをいいます。
「湧く」は、湧水などの熟語からもわかるように、自然に出てくること、発生することをいいます。
すぐに「実感がわかない」理由
これは、その人が主観的世界のなかにいすぎるため、自分の身に起こったことを一歩引いて、客観的に判断をくだすことができなくなっているためです。
大きすぎる喜びや悲しみ、驚きなどが、客観的であろうとする力を弱めるのでしょう。
「実感がわかない」は、起こっているできごとに対して、現実のものと理解できないことを意味することばでした。
よいことも悪いことも起こるのが人生でしょうから、「実感がわかない」ようなできごとも起こりえますが、しっかりと受けとめ、自分の道を踏みしめていきましょう。