「馥郁」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「馥郁」とは、良い香りが漂っている様子のことです。
「馥郁」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・言葉・語源」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「馥郁」の意味とは?
- 「馥郁とした香り」の類語や言い換え・似た言葉
- 「馥郁」の言葉の使い方
- 「馥郁」を使った例文
- 「馥郁」を使ったその他の言葉
- 「馥郁」の語源
「馥郁」の意味とは?
「馥郁」とは、良い香りが漂っている様子、気持ちを満たすような良い匂いが満ちているさまのことです。
かぐわしい「良い香り・匂い」が周囲に漂っていて、その良い香り・匂いを嗅いでしみじみとした気持ちが満たされているような状態を意味しています。
「良い香り・匂い」というだけではどんな香り・匂いなのかが伝わりにくいですが、「馥郁たる香り」と表現すると「甘くうっとりする香り」と表現するよりも良い香りに対する想像力が広がりやすいのです。
馥郁というのは現代においてはかなり古典的な言葉・表現になりますが、しみじみとした風情を感じる良い香り・匂いを嗅いだ時に「馥郁たる桜の花の香り・馥郁たる日本酒の香り」というと、聞いている(読んでいる)相手にも良い香りが漂っている雰囲気が伝わりやすいのです。
- 「馥郁」の読み方
「馥郁」の読み方
「馥郁」の読み方は、「ふくいく」になります。
「馥郁」という言葉の「馥(ふく)」という漢字には、「豊かな香りがする・芳しい(かんばしい)」という意味があります。
「馥る(かおる)・馥り(かおり)・馥しい(かんばしい)」などと読むこともできます。
「郁(いく)」という漢字には、「香気の盛んな様子・芳しい」「文化水準が高くて豊かなこと」「あたたかいこと」という意味があります。
「馥郁とした香り」の類語や言い換え・似た言葉
「馥郁とした香り」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「馥郁とした香り」の類語・言い換え・似た言葉について分かりやすく解説していきます。
- 「良い匂い」【よいにおい】
- 「芳香」【ほうこう】
- 「豊潤な香り」【ほうじゅんなかおり】
- 「フレグランス」【ふれぐらんす】
「良い匂い」【よいにおい】
「馥郁とした香り」の類語・言い換えとして、「良い香り・良い匂い」があります。
「馥郁とした香り」のダイレクトな類語・言い換えは、「良い香り・良い匂い」ということになるでしょう。
「馥郁」は「良い香り・素敵な匂いが漂っている状態」を意味する言葉ですから、その類語・言い換えとして「良い香り・良い匂い」を考えることができるのです。
「芳香」【ほうこう】
「馥郁とした香り」の類語・言い換えとして、「芳香」があります。
「芳香」というのは「良い香り・芳しい(かぐわしい)香り」のことであり、芳香を嗅ぐことによって人は精神状態がリラックスしたり明るい華やかな気持ちになったりすることができます。
「馥郁」という言葉は「良い香り・良い匂いが漂っているさま」を示していますから、「馥郁とした香り」の類語・言い換えとして「芳香」を上げることができます。
「豊潤な香り」【ほうじゅんなかおり】
「馥郁とした香り」の類語・似た言葉として、「豊潤(豊穣)な香り・豊かな香り」があります。
「豊潤(豊穣)な香り・豊かな香り」というのは、嗅いでいる人の気持ちを豊かに華やかにしてくれるような良い香り(良い匂い)のことです。
「馥郁」という言葉は「心をうっとりさせる良い香り・良い匂いが漂っている状態」を意味していますから、「馥郁とした香り」の類語・似た言葉として「豊潤(豊穣)な香り・豊かな香り」を上げることができます。
「フレグランス」【ふれぐらんす】
「馥郁とした香り」の類語・似た言葉として、「フレグランス・アロマ・パフューム」があります。
馥郁とした香りを英語で表現すると、「良い香りを漂わせる香水・香気・香り」を意味する「フレグランス・アロマ・パフューム」になってきます。
本格的な香水であれば「パフューム」、軽く良い香りを漂わせる香水・香気であれば「フレグランス」で言い換えることができます。
料理や飲み物(コーヒー・紅茶)などの良い香りを伝えたい時には、「アロマ」で言い換えをすると良いでしょう。
「馥郁」の言葉の使い方
「馥郁」という言葉は、「良い香り・匂いが周囲に漂っている時」や「心を満たすような良い香りを嗅いでしみじみとその香気が染み渡ってくる時」に使用することができます。
「良い香り・匂いの詩情性や情緒性」をダイレクトに伝える言葉は少ないため、「馥郁たる香り・馥郁とした香り」という表現は、しみじみとした嗅覚を刺激する香りの詩情を豊かに伝えてくれるのです。
「馥郁」を使った例文
「馥郁」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「馥郁」を使った典型的な例文について紹介していきます。
- 「馥郁」の例文1
- 「馥郁」の例文2
- 「馥郁」の例文3
「馥郁」の例文1
老舗のカフェのマスターがエチオピアの豆でいつも淹れてくれるコーヒーは、心をうっとりとさせるような馥郁たる香りを発している。
「馥郁」の例文2
馥郁とした甘美な魅力を漂わせる彼女の優雅極まりない姿を見ていると、現実世界のつらさや悲しみをすべて忘れることができた。
「馥郁」の例文3
目の前に出された馥郁としていない味気ない料理の数々を見て、プロの料理を厳しく指導してきたつもりの料理長は、怒るというよりも情けない気持ちになって気分が落ち込んでしまった。
「馥郁」を使ったその他の言葉
「馥郁」を使ったその他の言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「馥郁」を使ったその他の言葉について紹介していきます。
- 「馥郁とした香り」
- 「馥郁とした響き」
- 「馥郁たれ・馥郁としていない」
「馥郁とした香り」
「馥郁」を使ったその他の言葉として、「馥郁とした香り」があります。
馥郁を使ったもっともポピュラーな表現が「馥郁とした香り・馥郁たる香り」であり、「花・草木・香水・コーヒー・料理などの香り」をはじめとしてあらゆる良い香り・匂いの修飾表現に使用することができます。
良質な豆から挽いたコーヒーの豊潤な香りを楽しんでいる時、丁寧に作られた美味しい料理の深い香りを楽しんでいるとき、「馥郁とした香り」という表現を使ってみて下さい。
「馥郁とした響き」
「馥郁」を使ったその他の言葉として、「馥郁とした響き」があります。
「馥郁」という言葉は、一般的には嗅覚を心地よく刺激してくれる「良い香り・匂い」に対して用いられることが多いのですが、聴覚をしみじみと刺激してくれる「深みのある良い音楽・声楽の声質」などに対して、「馥郁とした響き」という表現が用いられることもあります。
心をうっとりと酔わせて楽しませてくれるオーケストラの交響曲・合奏曲を聴いた時などに、「馥郁たる響き」という表現を使ってみて下さい。
「馥郁たれ・馥郁としていない」
「馥郁」を使ったその他の言葉として、「馥郁たれ・馥郁としていない」があります。
馥郁という言葉は「良い香り・匂い」や「豊かな香り・深みのあるしみじみとした匂い」を意味しますが、その良さや豊かさ、深さのイメージが「人格(人間性)」にも及ぶことがあります。
「馥郁たれ」というのは、「人間性に豊かな深みや広がりを持ちなさい」という意味になります。
「馥郁としていない」という表現も良く用いられますが、「香り・味わいに深みがなくていまいちであること」や「人格・人間性に深みがなくて底が透けて見えること」などの意味があります。
「馥郁」の語源
「馥郁」の「郁」の語源は、古代中国に昔存在していた地名の「郁」にあります。
「郁」は「彧(いく)」と同じ読み方をすることから、「郁」と「彧」は次第に同じような意味を持つようになりました。
「郁」は「彧」が元々持っていた「香気が盛んな様子・良い香りが漂っているさま」や「文化水準が高いこと・文物が盛んで社会が豊かなこと(文化の香りが高いこと)」を意味するようになりました。
馥郁の「馥」は元々、「香りが豊かであること・芳しいこと・良い香りが漂っている様」を意味する漢字であり、「馥」と「郁」が結合することによって更に「良い香り(匂い)が漂っている様子」が強調されることになりました。
「郁」には「郁郁青青(いくいくせいせい)」という草木が青々と生い茂って良い香りを漂わせていることを意味する四字熟語もありますが、良い意味が多いため、人名にも使われることが多い漢字です。
「馥郁」という言葉について徹底的に解説しましたが、馥郁には「良い香りが周囲に漂っているさま」や「気持ちを満たすような良い匂いが満ちている様子」などの意味があります。
馥郁の類語・言い換えとしては「良い香り・良い匂い」「芳香」「豊潤な香り」「パフューム・フレグランス」などがあります。
馥郁を使った言葉には「馥郁とした香り」「馥郁とした響き」「馥郁としていない」などがあります。
「馥郁」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。