「懇意」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
親しい付き合いをしていたり、仲が良く気さくな付き合いができる人がいると、楽しいものです。
またそんな相手との仲を「懇意」と言ったりします。
ですがこの「懇意」とは一体どのような意味があるのでしょう。
むしろ仲がいい友達間ではなかなか使わない言葉かもしれません。
さっそく深く掘り下げていきたいと思います。
目次
- 「懇意」の意味とは?
- 「懇意」の類語や言い換え
- 「懇意」の使い方
- 「懇意」を使った例文
- 「懇意」を使った言葉を解釈
- 「懇意」の対義語
「懇意」の意味とは?
- 「懇意」の読み方や意味
- 「懇意」の語源
「懇意」の読み方や意味
「懇意」は【こんい】と読み、
- 遠慮せず付き合える仲であること
- 親しい仲であること
- お互いに仲が良く親密なこと
などという意味があります。
どちらかというと改まった関係性や堅いイメージの言葉なので、ビジネスシーンでは使われますが、友達や仲間内などのフランクな関係を表す場合には使われません。
例えば学生時代から続いているような友達に対し「君とは懇意な仲だ」という人は滅多にいません。
ですが仕事などで「◯会社の△さんとは懇意にさせて頂いています」という言い回しはするように、仲は良いけれど敬語を使う仲や、節度を保った関係において使われる言葉になります。
「懇意」の語源
「懇意」は接頭語「ご」を付けて「ご懇意」と表現したり、「懇意な」といった形容動詞として使われます。
そして「懇意」の「懇」とは形成文字になり「【こん】」と「心」という漢字から成り立っています。
「【こん】」とは、獣が獲物に襲いかかろうと、背中を丸め身を潜めている様子を表す漢字になります。
そしてそこに「心」がつくことで、虎視眈眈と気持ちを落ち着け長く待つ、そこに留まる事となり、「懇」という漢字は「ねんごろな心」つまり心がこもっているという意味を持つようになりました。
「懇意」の類語や言い換え
- 「親密」【しんみつ】
- 「友好的」【ゆうこうてき】
- 「親睦を深める」【しんぼくをふかめる】
「親密」【しんみつ】
「親密」とは、親しく非常に仲が良いことや、交際が深く結びつきが強いことをいいます。
ただ必ずしも恋人であるとは限りません。
基本的には男女間で使われる言葉ではありますが、関係性は関係ありません。
- 「彼とは親密な仲ではありますが、交際をしているわけではなく、あくまでも同じ目標を持った者同士という意識です」
- 「親密になりたければ、やはり普段からの努力は必要です」
など。
「友好的」【ゆうこうてき】
相手に対し取っつきやすい雰囲気を出したり、和やかで親しみやすい態度を醸し出す事をいいます。
また発言や行動も比較的協力的であったり、何かあった時に、味方になってくれたり、支えてくれるような関係の事を言います。
その間柄のお陰で仕事がしやすかったり、物事がうまく運ぶといったメリットがある場合にも使われる言葉になります。
- 「日米が友好的だと思っている人は本当のところどのくらいいるのだろう」
- 「友好的に接した方が何かとお互いにもメリットがあると思う」
など。
「親睦を深める」【しんぼくをふかめる】
仲がいい関係を更に深め強くすることや、益々距離感を縮められるように親交をしていくことをいいます。
「親睦」という漢字は、「親しい」と「睦まじく」という漢字から成り立っていて、両方共和やかで穏やかな関係性が築けているという事を表す漢字なので、そこに「深める」という言葉をつけることによって、今よりももっと深い絆で結ばれたいと考えているということが表現できます。
- 「会員の親睦を深めるための企画が来月に行われる」
- 「親睦を深める為には色々と相手の事を知る必要がある」
など。
「懇意」の使い方
「懇意」とは、単純に友達同士や仲間内の感覚の親密さを示すものではありません。
もう少し畏まり、お堅い表現なので、普段は敬語で話したり相手を敬まい立てる意味合いのある言葉になります。
ですからニュアンス的には「親しくさせてもらっているけれど、礼儀は弁えなければいけない仲である」となります。
例えば仕事や、相手が目上の人である場合などに使い、何らかの理由があって付き合いをしている相手に対しての言葉になります。
「懇意」を使った例文
- 「懇意」の例文1
- 「懇意」の例文2
- 「懇意」の例文3
- 「懇意」の例文4
- 「懇意」の例文5
「懇意」の例文1
「彼女ともっと懇意になりたいのであれば、積極的に誘った方がいいと思いますよ。」
「懇意」の例文2
「あなたは、彼とは大変懇意なご関係と伺っております。是非とも次の会合に参加していただけるよう、お取次ぎをお願いできないでしょうか。」
「懇意」の例文3
「今後とも懇意なお付き合いを続けていきたいと思っておりますので、宜しく御願い致します。」
「懇意」の例文4
「その件につきましては、弊社が懇意にさせて頂いております業者に一任致しましたので、ご理解の程宜しくお願い致します。」
「懇意」の例文5
「あの人とは入社以来、ずっと懇意な仲だったが、最近は顔を合わせることもなくなり、すっかり疎遠になってしまった。」
「懇意」を使った言葉を解釈
- 懇意な間柄
- 懇意にしている
懇意な間柄
友達や古くからの友人というような近い関係ではないものの、親しく付き合い、それなりに安定した関係性を保てている間柄のことをいいます。
例えば紹介してもらったお得意様であったり、昔から付き合いのある業者の人、可愛がってくれた師匠や恩師といった気安く「仲がいいです」とは言えないまでも「懇意な間柄」とは言える、もしくはそう言った方が遜色ない場合に使います。
懇意にしている
「懇意にしている」とは友達ではないけれど、仲良くしておきたい、親しい仲だと思っている、頼りにしたりある程度融通が利く相手だと感じている場合に使う言葉になります。
また「彼女は懇意にしている取引先の人だ」というようにきっと相手もそう思ってはいると思うけれど、少なくとも自分はそう思っているという場合にも使います。
「よく使用する」や「しょっちゅう会う」なんて言ってしまうと、語弊や誤解を生んでしまう事もあるため、ある程度の距離感を保て、親しみを感じつつ、しっかりとしたパイプがあるというような要素を含む「懇意にしている」は、便利なので良く使われます。
「懇意」の対義語
- 「よそよそしい」【よそよそしい】
- 「敬遠」【けいえん】
「よそよそしい」【よそよそしい】
よそよそしいは漢字で「余所余所しい」と書きますが、あまり親しみがないかもしれません。
そしてよそよそしいとは、全く知らない他人のような態度を取ることや、間柄に隔たりがあり冷たく感じるような対応をすること、またその様子をいいます。
殆どの場合はそもそも仲が良かったり親しい仲であった場合に使う言葉になります。
- 「突然よそよそしい態度になったけれど、自分は何かしたのかと悩んでいる」
- 「母によそよそしい言葉をしたら、笑われた」
など
「敬遠」【けいえん】
「敬遠」という言葉を聞いた事がある方は少なくないと思います。
特に野球が好きな方は知っているのではないでしょうか。
この言葉は表面では敬っているようにみせかけ、実際には関わりを持たないように距離を置くことという意味になります。
また関わりたくないので、なるべく近づかないようにする事をいいます。
そしてよく「倦厭」という言葉と間違われる事がありますが、「倦厭」とは《飽きて嫌になること》という意味なので、違う意味になります。
- 「あの先輩は悪口や文句が多く、部下から敬遠されている」
- 「ネガティブな思考をする人や、他力本願、責任転嫁する人物は敬遠して生きてきた」
など。
「懇意」という言葉は普段頻繁に使う言葉ではありません。
ですが使うべき時や、意味を理解しておく事は大切だと思います。
何気ない会話のなかで、自然と「懇意」という言葉を使うことで、相手とはどのような関係性を伝えたいのかが分かりますし、この一言を知っているだけで、しっかりとした人間関係を築けている人なのだと一目置かれるかもしれません。