「木鐸」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
世の中には、色々な人がいます。
多くの人を幸福の世界に導くことができるような信望の厚い人や、困っている人を見過ごすことができずに、必ず愛の手を差しのべることができる人。
なかには自分本意で、周りのことには一切関知しない人もいます。
しかし、これからの時代は、先行きが見えない時代です。
そのようなことから、多くの人と手を携えながら、助け合い、協力し合って生きていくことが大事だと思うのです。
その中でも、多くの人を正しい方向、あるべき世界に導いていく強い指導者が、ますます必要になってきます。
その時に出てくる言葉が、「木鐸」という言葉かもしれません。
目次
- 「木鐸」の意味とは?
- 「木鐸」の類語や言い換え・似た言葉
- 「木鐸」の言葉の使い方
- 「木鐸」を使った例文
- 「木鐸」を使ったその他の言葉
- 「木鐸」の由来
「木鐸」の意味とは?
「木鐸」という言葉を耳にしたり、実際に文章の中で使われていることを見たことのある人は、どれ程いるでしょうか?
おそらくこの言葉に触れたことのある人は、とても少ないのではないかと思います。
それだけに興味のある言葉です。
「木鐸」に使われている「鐸」と言う漢字は、「銅鐸(どうたく)」というもので見たことがある文字ではないでしょうか?
「鐸」とは、「銅、あるいは青銅製の大型の鈴」のことで、扁平な形をした鐘の中に舌があり、上の柄を持って振り鳴らすものです。
古代の中国では教令を伝える時に使われたとされており、「鐸鈴」とも呼称されていました。
いわゆる「大形の風鈴」と思ってもいいのかもしれません。
「木鐸」の意味は、この「鐸=鐘」の意味も含まれていそうです。
「木鐸」とは、「古代中国で、法令などを多くの人々に示す時に振り鳴らした木の舌のついている大きな鈴」のことから意味が転じて、「世の人を教え導く人」、「社会の指導者」ということを指し示すようになっていきました。
また、「世の人に警告を発して教えを導く人」という解釈もできます。
「木鐸」という言葉ですが、似ている言葉としては、「リーダー」や「指導者」などの言葉が、とても近い意味を持っていると思われます。
今の現代社会は、先行きが不透明な混迷した時代です。
それゆえに強力なリーダーシップを持った人が、力強く多くの人にあるべきアカルイ未来を示して、引っ張っていくことが求められています。
そのためにも、「木鐸」となるべき人の登場が望まれているのです。
- 「木鐸」の読み方
「木鐸」の読み方
「木鐸」は、「ぼくたく」と読みます。
「もくたく」と呼びそうになりますが、それは間違いなので、注意してください。
「木鐸」の類語や言い換え・似た言葉
「木鐸」の類義語としては、人を支配したり、指導したり、人に影響を与えたりする人の意味を持つ言葉として、次のような言葉が挙げられます。
- 「リーダー」
- 「指導者」
- 「盟主」
「リーダー」
多くの人を導く人を指す言葉の中では、「リーダー」が最も多く使われている言葉でしょう。
「リーダー」には、「先頭となるもの」や「グループ、集団の代表、指導、先導、統率する存在」という意味がありますが、政治の世界では、大統領や首相が当てはまります。
「指導者」
「指導者」も多くの人を導く立場の人で、
「色々なことを差し示して導く人」という意味になるでしょう。
身近な所では学校の先生も「指導者」の1人ですが、やはりあるべき方向に導く人ということには変わりはありません。
「盟主」
「盟主」という言葉も同義語・類義語として、浮かぶ言葉です。
「盟主」の意味は、「同盟の主宰者」や「仲間のうちで中心となる人物、国」を意味しています。
「木鐸」の言葉の使い方
「木鐸」は、今では日常生活や仕事をしている中で、頻繁に使われる言葉ではないので、使い方を検証することは難しいでしょうが、あえて言うなら、混迷した社会の中で強い存在が現れた時に使われる言葉かもしれません。
「木鐸」を使った例文
では、「木鐸」を使った例文を見ていきましょう。
- 「木鐸」の例文1
- 「木鐸」の例文2
- 「木鐸」の例文3
「木鐸」の例文1
「社会の木鐸は、そんな場所で鳴らすものてはない」
「木鐸」とは、「強い指導者」という意味がありますが、このような文章では、社会の人々に対して、色々な決まりごとを知らせる役目を持つ鐘のことや、手段を指しています。
広く周知させるためには、とても便利な道具なのですが、簡単に且つ頻繁に鳴らすものではないということを言っています。
必要な重要な場面で鳴らすべきものです。
「木鐸」の例文2
「マスメディアは一般的に社会の木鐸として、報道を行うことが建前だ」
現代社会のマスメディアは、インターネットの普及・拡大により、ありとあらゆる情報がいち早く世界中に駆け巡るようになっています。
このような環境においては、マスメディアは、社会に対して、正しいニュースをタイムリーに提供する必要があるということです。
「木鐸」の例文3
「新聞記者は、新聞紙は社会の木鐸であるという誇りを持っている」
これも前の例文と同じように、社会に対する監視者としての役割を持っているという理解ができるでしょう。
「木鐸」を使ったその他の言葉
では、この言葉を使った言葉の意味を見ていきましょう。
- 「社会の木鐸」
- 「世の木鐸」
- 「群集の木鐸」
「社会の木鐸」
「社会の木鐸」とは、例文でも見たようにマスメディアなどの報道期間のように世の中を人々に対して、ある種の道標としての存在かもしれません。
公的組織ではなくても、「社会の木鐸」となることができるです。
「世の木鐸」
この言葉には、人々だけでなく世界の行きとし生けるもの全てに対しての指導者としての意味があるでしょう。
それは必ずしも人でなくても構わないこと。
自然や思想、オブジェでもいいのです。
多くの人が、それを見たり触れることにより、救われるのですから。
人類の歴史の中で、そのような存在が数多くあることを知ると、「世の木鐸」ということも理解できるでしょう。
「群集の木鐸」
「群集の木鐸」とは、「多くの悩める人々の指針となるべき存在」と言うことができるでしょう。
これにより、混迷している世界で多くの人が救われるのです。
「木鐸」の由来
「木鐸」の「鐸」は、法令を宣布する時に振って鳴らした大型の鈴のようなものです。
平常時は、木の舌のものや、非常時には、金の舌のものを用いたとされています。
諸国の遊説を続けていた孔子一行に、国境の小さな村役人は、天下に乱れた世を導くことを願って、「天は師を木鐸として下された」という言葉を残したのでした。
「鐸」は、青銅製の大型の鈴で、大形の風鈴ですが、このようないきさつから、「指導者」的な意味になってきました。
「木鐸」という言葉は、今の時代ではほとんど使われることがないのですが、意味を知ると、この言葉こそ、現代社会に当てはまる言葉ではないかと思うのです。
ビジネス社会では、好景気に揺れている昨今ではあるものの、不透明な未来に不安を覚える人が数多くいます。
生活も少子高齢化の波で、社会的な普段の重圧が若い世代にのし掛かっています。
ましてや、政治も色々な課題や悩みを抱えている上に、不安定な国際情勢の中で揺れています。
このような中において、社会の「木鐸」たる人の登場を待ち望んでいるのかもしれません。
救世主的な精神的支柱となる人や、考え方、あるいは技術が出てきて、悩める人々を救ってくれることを望んでいます。
もちろん人それぞれ、個々の努力も必要です。
しかし、個人の利益ばかりを追及するのではなく、お互いの立場を尊重しつつも、努力し、励まし合い、助け合うことができるためには、力強いリーダーの存在が必要不可欠なのです。
そのことを「木鐸」という言葉が教えてくれているような気がしてなりません。