「胡乱」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「胡乱」とは、正体が怪しくて疑わしいことや不確実で乱雑なことです。
「胡乱」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・言葉・語源」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「胡乱」の意味とは?
- 「胡乱」の類語や言い換え・似た言葉
- 「胡乱」の言葉の使い方
- 「胡乱」を使った例文
- 「胡乱」を使ったその他の言葉
- 「胡乱」の語源
「胡乱」の意味とは?
「胡乱」の意味は、「正体が分からずに怪しいこと・疑わしいこと」や「真実かどうか分からずに不確実なこと・あやふやなこと」「勝手気ままで乱雑なこと」になります。
胡乱の「胡」には、元々、「不審であること・でたらめなこと」などの意味があります。
胡乱の「乱」には、「秩序が崩れて乱れること・規則正しくなくて乱れていること」などの意味があります。
「胡乱」には、人物・状況・事態の正体が分からずに怪しいことや疑わしいことといった意味合いがあります。
はっきりしないことや真偽が分からない物事に対しても、「胡乱な部分・胡乱な状況」といった言葉を用いることがあるのです。
胡乱は乱雑でいい加減な様子も意味するので、「胡乱な作業のやり方・胡乱な記憶をたどる」といった表現もすることができます。
- 「胡乱」の読み方
「胡乱」の読み方
「胡乱」の読み方は、「うろん」になります。
「胡乱」の類語や言い換え・似た言葉
「胡乱」という言葉の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「胡乱」の類語・言い換え・似た言葉について分かりやすく解説していきます。
- 「胡散臭い」【うさんくさい】
- 「不審」【ふしん】
- 「訝しい」【いぶかしい】
- 「あやふや」
「胡散臭い」【うさんくさい】
「胡乱」の類語・言い換えとして、「胡散臭い(うさんくさい)」があります。
胡散臭いの意味は、「何となく怪しくて疑わしいこと」や「信用することができず油断できないこと」になります。
胡散臭いは近世以降にできた言葉で、怪しく疑わしい様子を意味する「胡散」に接尾語の「臭い(らしさ)」をつけて形容詞化したものとされています。
「胡散」の語源は「胡乱」だと言われています。
それ以外にも、「胡散」の語源として黒の釉薬(うわぐすり・ゆうやく)をかけた天目茶碗の「烏さん(うさん)」が上げられることもあります。
「不審」【ふしん】
「胡乱」の類語・言い換えとして、「不審(ふしん)」があります。
不審の意味は、「疑わしく思うこと」や「疑いを掛けられること・嫌疑を受けること」になります。
不審は「不審人物・不審者・不審車両」などの事件事故の容疑者に関係する言葉として用いられることが多くなっています。
現代では「胡乱」よりも「不審」の方が一般的な言葉として用いられています。
「訝しい」【いぶかしい】
「胡乱」の類語・似た言葉として、「訝しい(いぶかしい)・怪しい(あやしい)」があります。
訝しいの意味は、「物事が不明であることを疑わしく思うさま」や「知りたいと思って心が引き付けられること」「気がかりで気持ちが覚束無いこと」になります。
怪しいの意味は「物事・状況・人物などが疑わしいこと(不審なこと)」になりますが、怪しいは多義的な言葉で「普通ではない事物・正体のはっきりしない事物に対する不可解な気持ち全般」を意味しています。
「あやふや」
「胡乱」の類語・似た言葉として、「あやふや」があります。
あやふやの意味は、「物事が不確実ではっきりしないさま・曖昧であること」や「どっちつかずで当てにならないさま」になります。
あやふやという言葉を使った典型的な例文としては、「あやふやな言葉だけでは信用することはできない」や「あやふやな決心をしたものの、今でもどうしようか迷い続けている」などがあります。
「胡乱」の言葉の使い方
「胡乱」という言葉は、正体・真実が分からずに疑わしい時や怪しい時に使用します。
今まで見たことがなくどんな人物なのか正体が分からない時には、「胡乱な人物・胡乱な相手」といった使い方をすることができます。
知識・情報・判断が不確実であり自信が持てないような時にも、「胡乱な知識・胡乱な状況」といった「胡乱」の使い方をすることができます。
それ以外にも、胡乱には「乱雑なこと・勝手気ままで乱れている」といった意味があるので、「胡乱なやり方・胡乱な読みにくい文字」といった形で使用されることがあります。
胡乱の言葉は「疑わしくて怪しいことがある時」や「不確実な物事・情報がある時」、「秩序が崩れて乱れている時」などに使うことができるのです。
「胡乱」を使った例文
「胡乱」を使った例文には、以下のようなものがあります。
「胡乱」を使った例文について紹介していきます。
- 「胡乱」の例文1
- 「胡乱」の例文2
- 「胡乱」の例文3
「胡乱」の例文1
彼女が私の話をまったく信用してくれずに、胡乱な表情でじっと見つめてきたが、私にはこれ以上の状況説明をすることは不可能だった。
「胡乱」の例文2
そんな胡乱な情報を元にして、数百億円にものぼる大規模な投資活動などできるはずがないと責任者は激怒した。
しかし、その胡乱な情報を提供した人物は、激怒する相手に対して動揺することなく、いかにも自信ありげなまなざしを真っ直ぐに向けてきた。
「胡乱」の例文3
あなたの煮えたか沸いたか分からない胡乱な態度が、私たちを不安にしているのです。
自分の下した意思決定に自信があるのであれば、いつまでも曖昧で胡乱な態度を見せないようにして下さい。
「胡乱」を使ったその他の言葉
「胡乱」を使ったその他の言葉には、以下のようなものがあります。
「胡乱」を使ったその他の言葉について紹介していきます。
- 「胡乱な人物」
- 「胡乱な言葉・胡乱な噂」
- 「胡乱な目つき」
- 「胡乱な作業」
「胡乱な人物」
「胡乱」を使ったその他の言葉として、「胡乱な人物」があります。
「胡乱な人物」というのは、「正体・身元がはっきりしていなくて疑わしい人物や怪しい人物」のことを意味しています。
信用できない不審人物や身元・素行が疑わしい人物を見かけた時などに、「胡乱な人物」という言葉を用いることができます。
「胡乱な言葉・胡乱な噂」
「胡乱」を使ったその他の言葉として、「胡乱な言葉・胡乱な噂」があります。
「胡乱な言葉」とは、「真実かどうかがはっきりしない疑わしい言葉」のことを意味しています。
「胡乱な噂」とは、「根拠のない怪しげな噂+真偽が定かではないいい加減な噂」のことを意味しています。
不確実で曖昧な言葉や噂のことを指して、「胡乱な言葉・胡乱な噂」という言葉を使うことができます。
「胡乱な目つき」
「胡乱」を使ったその他の言葉として、「胡乱な目つき」があります。
「胡乱な目つき」というのは、「相手のことを怪しんでいる目つき」や「相手の言動を疑っている気持ち」のことを意味しています。
胡乱な目つきという言葉は、「彼女が胡乱な目つきで、僕のことを見てくるのでどうにも落ち着かない」といった使い方をすることができますが、この場合には「彼女が僕のことを怪しんでいる(疑っている)」という意味になります。
「胡乱な作業」
「胡乱」を使ったその他の言葉として、「胡乱な作業」があります。
「胡乱な作業」というのは、「きちんとしていないあやふやな作業」や「いい加減で大雑把(乱雑)な作業」のことを意味しています。
胡乱な作業という時の「胡乱」には、「秩序が崩れていて乱雑であること」や「きちんとしておらずあやふやであること」の意味合いがあります。
「胡乱」の語源
「胡乱」の「胡(う)」と「乱(ろん)」は共に、日本では珍しい唐音と呼ばれる子音の読み方になっています。
胡乱の語源は、古代中国の漢の時代に異民族の「匈奴(きょうど)・胡(えびす)」が中国に侵入してきて、中国の人々が慌てふためいて散り散りに乱れて逃げたことに由来しています。
そのため、胡乱の原義は「乱雑であること・乱れていること」にあります。
胡乱の「胡(う)」とは、古代中国の漢の時代に北方から侵略を繰り返した「匈奴(きょうど)」などの異民族・騎馬民族のことを意味しています。
これらの匈奴をはじめとする北方異民族を総称して、「胡(えびす)」と呼んでいました。
胡乱の「胡」には「不審・怪しい」などの意味もあるので、その後、「怪しくて疑わしいこと・不確実であること・不誠実であること」などの胡乱の意味が加わったのです。
「胡乱」という言葉について徹底的に解説しましたが、胡乱には「怪しくて疑わしいこと」や「不確実であること」「乱雑であること」などの意味があります。
胡乱の類語・言い換えとしては「胡散臭い」「怪しい」「あやふや」などがあります。
胡乱を使った言葉には「胡乱な人物」「胡乱な目つき」「胡乱な作業」などがあります。
「胡乱」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。