「反面教師」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「反面教師」の意味や類語を紹介します。
さらに「反面教師」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「反面教師」の意味とは?
- 「反面教師」の類語や言い換え・似た言葉
- 「反面教師」の言葉の使い方
- 「反面教師」を使った例文
- 「反面教師」の由来
「反面教師」の意味とは?
「反面教師」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
あるいは初めて聞いたという人もいるかもしれません。
また「あの人が自分にとっての『反面教師』だ」と具体的にイメージできる人もいるかもしれません。
そんな身近にいそうな存在を言葉にした「反面教師」の読み方や意味を紹介します。
- 「反面教師」の読み方
- 「反面教師」の意味
「反面教師」の読み方
「反面教師」は「はんめんきょうし」と読みます。
「反面」は「はんめん」、「教師」は「きょうし」と読みます。
特に難しい漢字が使われているわけではありませんが、「反面」を「そりめん」「はんづら」などと読まないように注意しましょう。
これを機会に「反面教師」の読み方を覚えておきましょう。
「反面教師」の意味
「反面教師」とは、「悪い面の見本」という意味があります。
「あの人みたいに行動してはいけない」「あの人のような生き方をしたらいけない」と、他の人から指さされるような人、または事例の事です。
良い先生は、生徒の役に立つ事を教えてくれますし、生き方そのものを模範にする事ができます。
しかし正しい言動しかないので、「どのような事をすると人生に悪影響を及ぼすのか」までは、教えてくれないかもしれません。
一方で「反面教師」は、人間関係を悪くしたり成功への過程を閉ざすなど、「こんな事をしたら失敗する」という例を、具現化してくれます。
「反面教師」からは良い話を聞けたり、尊敬したりはできないかもしれませんが、「こうしたら失敗する」という事は、誰よりも分かりやすく教えてくれる存在です。
「反面教師」の類語や言い換え・似た言葉
次に「反面教師」の類語や、似た意味の言葉への言い換えをチェックしてみましょう。
悪い見本を参考にする、そんな意味の言葉が登場します。
- 「人のふり見て我がふり直せ」【ひとのふりみてわがふりなおせ】
- 「他山の石」【たざんのいし】
- 「人を以て鑑と為す」【ひとをもってかんとためす】
「人のふり見て我がふり直せ」【ひとのふりみてわがふりなおせ】
「人のふり見て我が振り直せ」という言葉があります。
とても有名な言葉ですので、聞いたことがある人がほとんどではないでしょうか。
自分の悪い部分は、意外と自分では気付けないものです。
しかし他人の悪い部分は、すぐに目につくものです。
その特性を生かして、「他人の悪い部分が自分にもあるかもしれない」と考える事で、自分の悪い部分に気付く事ができます。
そして自分を良い方向に導いて行く事ができます。
これが「人のふり見て我が振り直せ」の意味です。
「他山の石」【たざんのいし】
中国最古の詩集「詩経」にある故事が基になっています。
他の人の山から掘り出された、つまらない石があります。
つまらない石ではありますが、自分が持っている宝石を磨く事には使えます。
このように他人のつまらない言動を、ただ「つまらない」と切り捨てるのではなく、自分の身に役立てるようにしようとする姿勢を「他山の石」と言います。
「反面教師」と似た意味を持つ言葉です。
「人を以て鑑と為す」【ひとをもってかんとためす】
身近にいる人をお手本にして、自分の生き方に活かす、このような意味を持つのが「人を以て鑑と為す」です。
「反面教師」は悪い行動、悪い事柄限定ですが、「人を以て鑑と為す」の場合は、良い手本も悪い手本も、生き方の参考にする事ができます。
例えば、食事のマナーができていない人を見て、「ああならないようにしよう」と思う事もできますし、立ち居振る舞いが素敵な人を見て、「ああなりたい」と思う事もできます。
「反面教師」よりも応用範囲が広いので、使い勝手の良い言葉かもしれません。
「反面教師」の言葉の使い方
「反面教師」という言葉はどのような場面で使えばいいでしょうか。
「反面教師」になる人物は、失敗をしたり、真似してはいけないような行動を取る人です。
つまり迷惑な人だったり、使えない人だったり、嫌われ者だったりします。
そのため、「○○さんは、私の『反面教師』です!」などと面と向かって言うのは失礼になります。
できればこっそりと、「○○さんは『反面教師』として役に立つ」という感じで、胸の中に収めるか、友達同士の間で内緒話のようにして話しましょう。
また「反面教師」という言葉を使うのは、どちらかと言えば「本人」である事が多いです。
大きなミスをした上司が、「私のミスを『反面教師』にしてくれ」と、部下に行って職場を去っていく…そんなシーンが似合います。
もし自分がミスをして、そのミスを誰かに役立てて欲しい時は、「反面教師」という言葉を使ってメッセージを送りましょう。
「反面教師」を使った例文
続いて「反面教師」を使った例文を見て行きましょう。
いくつかの「反面教師」を使った文章を見る事で、「反面教師」という言葉の使い方のコツが見えてくるかもしれません。
- 「反面教師」の例文1
- 「反面教師」の例文2
「反面教師」の例文1
誰か周囲に、「反面教師」にするしかないよう、迷惑な人、困った人、または失敗ばかりしている人がいるかもしれません。
このような人を「反面教師」を使った文章にしてみましょう。
「Aさんは、挨拶をしても無視をする。とても感じが悪い。私はAさんを『反面教師』として、必ず挨拶をするようにしよう」、「Bさんは恋愛で失敗ばかりしている。『反面教師』にすれば、恋愛上手になれるかもしれない」、「Cさんは口が臭い。『反面教師』にして、口臭には気を付けよう」という感じです。
実際に嫌な人、迷惑な人が周囲にいる人は、毎日ストレスになると思います。
そのため、「反面教師」にでもしないと、やっていられない…という思いがあるかもしれません。
迷惑な人の言動をまともに取り合わずに、「反面教師」と心の中でつぶやくと、ストレスが溜まらず健康的かもしれません。
「反面教師」の例文2
自分のミスを誰かに伝えて「私と同じミスをしないでくれ」という時にも、「反面教師」という言葉を使います。
そのような場面を、「反面教師」を使った文章にしてみましょう。
「私は社長を殴って、左遷させられた。お前たちは俺を『反面教師』にして、出世してくれ」、「俺は人間関係が苦手で、結局出世できなかった。息子のお前は、俺を『反面教師』にして、人生で大きな成功を収めてくれ」、「私は子育てに失敗した。あなたは私を『反面教師』にして、素敵なお母さんになってね」という感じです。
自分のミスを誰かに伝えるのは勇気がいりますが、「反面教師」という言葉を使うと自然な感じになります。
「反面教師」の由来
「反面教師」という言葉は、実は日本で生み出されたものではありません。
由来となったのは、中国です。
しかも中国共産党の指導者・毛沢東が生み出した言葉と言われていますので、意外と最近できた言葉だという事が分かります。
毛沢東は「組織から悪い人や使えない人を追い出さないようにしよう。閑職でいいので働かせておくと、『あんな風にならないようにしよう』と周囲の人が学ぶ事ができる。結果的に良い組織になる」という演説をしたと言われています。
悪い人を指導せず、泳がせて見せしめにするという、ちょっと怖い考え方でもありますが、現在の「反面教師」に通じる部分が多いです。
「反面教師」の意味や使い方をチェックしてきました。
「こうしたら失敗する」「こうしたら嫌われる」という事は、素敵な先生からは教えてもらえないかもしれません。
そう思えば、自分の周囲にいる迷惑な人や困った人も、自分の役に立つ素敵な存在だと思えてくるかもしれません。
そして将来的に、「反面教師」と呼ばれるような存在にならないように気を付けましょう。