「他山の石」の意味とは?「対岸の火事」の違い、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「他山の石」という言葉を聞いてもピンと来ない人もいるのではないでしょうか。
一体どの様な意味なのか、正しい使い方についても知っておきましょう。
目次
- 「他山の石」の意味とは?
- 「他山の石」の読み方
- 「他山の石」の英語(解釈)
- 「他山の石」と「対岸の火事」の違い
- 「他山の石」の言葉の使い方
- 「他山の石」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「他山の石」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「他山の石」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「他山の石」の意味とは?
「他山の石」の意味と語源、呉解釈について紹介します。
- 「他山の石」の意味
- 「他山の石」の語源
- 「他山の石」の誤解釈
「他山の石」の意味
「他山の石」の意味は「つまらないことに見えても自分次第で大きく役に立つ様になること」です。
他人の行いを見て「つまらないことをやっているな」と思ったり「それは間違っているだろう」と思うことがあるものです。
それを見て見ぬふりをして気にも留めない人と、「後々何かの役に立つかも知れない」と思って心に留めておく人とでは将来の成長に差が出てきます。
例ええ価値がないと思ったり、謝っている場合でも、自分の知識やきっかけとして受け止めるべきであるという教訓です。
「他山の石」の語源
「他山の石」の語源は、中国の歴史的書物である「詩経(しきょう)」の文章から引用されたものです。
この中に「他山の石を以て玉を攻むべし」という一節があります。
「他山」とは「よその山=他人」で、「玉=宝石など価値あるもの」、「石=つまらないもの」、「攻むべし=磨くべきである」をそれぞれ意味しています。
つまり、上記の文章は「他人のつまらない部分や行動により自分を磨くべきである」という意味を表しているのです。
「他山の石」の誤解釈
「他山の石」の意味を「他人の良い行いを見習うこと」と解釈している人がいますが、それは間違いです。
上記の語源で紹介した様に、「他山の石」は「他人のつまらない面」という意味ですので「良い行動」ではなくむしろ「失敗など悪いこと」に当たります。
「他人の失敗や悪い行いを見て自分の糧とするべきである」という意味で使いましょう。
「他山の石」の読み方
「他山の石」は「たざんのいし」と読みます。
「他山」を「たさん」ではありません。
「他山の石」の英語(解釈)
「他山の石」は中国から来たことわざなので、直訳に当たる英語はありません。
最も良く使われるのが以下の表現です。
“He is a good example of what not to do.”で、「彼はしてはいけないことのいい例である=彼は他山の石だ」となります。
「他山の石」と「対岸の火事」の違い
「他山の石」と響きが似ている言葉に「対岸の火事」がありますが、この2つは意味が全く違います。
「他山の石」は「つまらないことでも自分の為に役立てようと思うこと」です。
「対岸の火事」は「大変なことだが自分には関係がないと思うこと」です。
「対岸の火事」は他人の不幸に対して知らんぷりをするという人情味に欠けた意味がありますので、よい意味としては使われません。
うっかり言い間違わない様に注意しましょう。
「他山の石」の言葉の使い方
「他山の石」の使い方には以下のポイントがあります。
- 人に対して直接使わないこと
- 人によっては分って貰えないことも
人に対して直接使わないこと
「他山の石」はことわざとして会話にそのまま使えますが、人に対して使う時には注意が必要です。
「他人の間違いや失敗、つまらない行為などを教訓とする」という意味ですので、人の前で「正に他山の石ですね」などと言ってしまうと相手を不快にさせてしまいます。
人によっては分って貰えないことも
「他山の石」は中国からきたことわざで、日本人でも特に若い人は知らない傾向があります。
ビジネスのスピーチなどで使うと知性があると思われますが、カジュアルな会話の場合は類語の「反面教師」の方が伝わり易いでしょう。
「他山の石」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「他山の石」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「他山の石とする」【たざんのいしとする】
- 「他山の石とせず」【たざんのいしとせず】
「他山の石とする」【たざんのいしとする】
誰かの失敗やミス、手間取っている様子などを見て自分のことの様に受け止め、次に自分に同じ様なことが起きた時の参考にすることを言います。
自ら学ぼうとする姿勢があり、向上心が強い様子を表しています。
「他山の石とせず」【たざんのいしとせず】
折角の他人がこうすると失敗するという事例を作ってくれたのに「自分は大丈夫」と思って全く学ぼうとしないことです。
人のしていることに無関心だったり、プライドが高すぎて自分の考えを変えられない人にこの様な傾向があります。
また、この表現を使う場合結果的に何かしらトラブルがあり、「あの時ちゃんと学んでいれば良かったのに」と思うことも含んでいます。
「他山の石」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「他山の石」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「他山の石」を使った例文1
- 「他山の石」を使った例文2
「他山の石」を使った例文1
「A社の失敗を他山の石としてサービス向上に努めよう」
ライバル社が商品やサービスに欠陥があり、業界で話題になってしまいました。
ライバル会社の評判が落ちればこちらの売上が伸びるなどと思うのは間違いで、業界を盛り上げる為にはライバル同士が切磋琢磨することが大切なのです。
同業者として同じ間違いを繰り返さない様に心して取り組もうという意味です。
「他山の石」を使った例文2
「彼のミスを他山の石として精進するべきだ」
誰か一人がミスをした時に、他人事だと思わず自分になぞらえておく様にするべきだという意味です。
将来同じ様なミスが起こることが考えられ、その時の為に知識として残しておくと役立つと言っています。
「他山の石」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「他山の石」の類語は以下の通りです。
- 「反面教師」【はんめんきょうし】
- 「人の振り見て我が振り直せ」【ひとのふりみてわがふりなおせ】
- 「人を以て鑑(かがみ)と為す」【ひとをもってかがみとためす】
「反面教師」【はんめんきょうし】
失敗やミスをした人に対して、悪い見本として学ぶことです。
結果だけではなく、その人の性格や言動なども見て「ああすればこうなる」と自分の参考にすることを言います。
「人の振り見て我が振り直せ」【ひとのふりみてわがふりなおせ】
他人が良くない行動をして他人に迷惑をかけている姿をみて、自分の行動を改める様にすることです。
その人と同じ様な行動をしていた時には反省するべきであるという意味も含まれています。
「人を以て鑑(かがみ)と為す」【ひとをもってかがみとためす】
他人の悪い行いや欠点を、自分が鏡に映った姿と見て悪い行いや欠点を改めることです。
「他山の石」は「人のつまらない行為や失敗などを自分の糧とすること」です。
良い行いに対してではなく、悪い行いや価値のない行いに対して使われる言葉です。
人に対して使うのは失敗を指摘することになるので控えましょう。