「キチゲ」の意味とは?元ネタ、類語や使い方、例文を紹介!
今や、なにをするにもインターネットが欠かせない時代となりました。
お買い物もネット通販、ゲームもオンラインでその場にいない全世界の人と同時プレイ、知らない事はすぐ情報検索できます。
そんな、インターネットで生まれた、インターネットを頻繁に利用する人たちの間だけで使われる「暗号」のような言葉。
それがネットスラングです。
今回はその中でも、普通の生活を送っている人ならまず聞いたことが無いような「キチゲ」について解説します。
目次
- 「キチゲ」の意味とは?
- 「キチゲ」の類語
- 「キチゲ」の使い方
- 「キチゲ」を使った例文
- 「キチゲ」を使った言葉
- 「キチゲ」の対義語
「キチゲ」の意味とは?
「キチゲ」とは、「キチガイゲージ」の略です。
そもそも、元ネタの「キチガイゲージ」という言葉もネットスラングです。
ちなみに、この言葉はネットの掲示板で見かけたからといって安易に普段の会話に使ってはいけません。
ご存知の方も多いでしょうが、「キチガイ」つまり、「気違い」とは「心の状態が常軌を逸し普通でないことやその人、狂人」という意味のある言葉で、精神障害者に対しての差別用語だと一般的に認識されているからです。
「ゲージ」というのは一般的に使われている言葉で、いくつかある意味のうちこの「キチゲ」にて指すのは「長さや重量などの量を測定する器具の総称」という意味です。
つまり、「キチガイゲージ」というのは、気がおかしくなってしまう原因となるストレスや不満などを測定する器具やメーターを意味します。
それが限界まで溜まりきってしまうと、「気がおかしくなってしまう」、つまりあまり良い言い方ではありませんが「狂人のようになってしまう」ということを示します。
ストレス社会と言われる現代。
様々なストレスや不満、怒りなどの負の感情をどれくらい溜め込んでいるかを現実で吐き出せない人々が、インターネットの匿名掲示板などを利用した際にネットスラングで表しているのです。
「キチゲ」の類語
ネットスラングというものは得意になって話すようなものではありませんが、ネット掲示板を見たり情報サイトを見たりするのであれば、意味がわかっていないと話している内容がちっとも頭に入りません。
「キチゲ」と似たようなネットスラングをご紹介します。
- 「ガイジ」【がいじ】
「ガイジ」【がいじ】
最初に言っておきますが、普段の生活で誰かと会話する際には口にしないことをおすすめします。
あくまでもこれはネットスラングです。
ただの知識として知っておくか、使うとしてもネット掲示板などに限定した方が良いでしょう。
「ガイジ」というのはいくつかの意味があり、「なんらかの障害を持った人」を指すこともあれば、「見るに堪えない行いや、一般的には考えられないような非常識な人」を指すこともあります。
いずれにしても罵りや揶揄がこもった言葉です。
使われて良い気持ちがするものではありません。
「キチゲ」の使い方
ネット上のやりとりというのは、スラングの使い方には少し厳しいところがあります。
誤用すると揚げ足をとられたりすることもありますので、使う場面を間違えないようにしましょう。
「キチゲ」というのはあくまでも、「気がおかしくなる要因のストレス等のマイナス感情のメーター」のようなものです。
例えるなら、車のガソリンメーターのようなものです。
減ったり増えたりするものです。
使うときにも「キチゲがたまった」とか「キチゲが最大」など、量を表す言葉と併用しましょう。
「キチゲ」を使った例文
では実際に「キチゲ」という言葉を、ネットスラングとして使う際にはどういう風に使うのでしょうか。
例文を参考に、具体的な使い方を見てみましょう。
- 「キチゲ」の例文1
- 「キチゲ」の例文2
「キチゲ」の例文1
「オンゲで一緒になった奴が下手なせいでキチゲ溜まるわ」
これはよく使われる表現です。
ストレスが溜まる、という言葉の代わりに「キチゲが溜まる」という言い方をするのです。
オンゲというのは、オンラインゲームの略です。
ネット上での匿名でのやり取りは、やはり匿名という隠れ蓑があるせいか、使われる言葉が暴力的になる傾向にあります。
人の誹謗中傷も少なくありません。
顔も名前も知らないどこかに住んでいる他人とゲームできる夢のような時代になりましたが、それはさらにストレス社会を悪化させている要因のひとつとされています。
簡単に他人とつながり、自分が気にくわないと思えば簡単に切れるような薄い人間関係が横行しています。
この例文もその傾向を表しており、ネットでたまたま一緒にプレイした一期一会を楽しむというよりは、自分の思い通りにならずにストレスを感じたということをネットスラングで仲間内にさらけ出しているのです。
「キチゲ」の例文2
「キチゲ溜まったら一人の部屋で裸になって踊ったりするよな」
「キチゲ」というのは、メーターのようなもので、マイナス感情がたまり続けることで狂人への道へと一歩ずつ近づくことを表しています。
ストレスが限界まで達すると、人は思わぬ行動に出るものです。
普段は絶対にしないどころか、考えもしないような突拍子もない行動です。
例えばこの例文のように、通常ならたとえ部屋で一人きりだからといって、裸で踊りだす人はいません。
そんなことをしても無意味です。
しかしキチゲが溜まりきってどうしようもない状態になると、それを少しでも解消しようと思って気がおかしくなったかのような奇行に走ってしまうのです。
そうすることで、少し自分が解放されたような、抑圧されたものが放出されるような気分になれて、また現実的に冷静に戻れると感じるものなのです。
「キチゲ」を使った言葉
あまり使う機会がないかもしれませんが、「キチゲ」を用いたよく使われる言い回しを3つご紹介します。
- 「キチゲ解放」
- 「キチゲ発散」
- 「キチゲ溜まる」
「キチゲ解放」
「キチゲ解放」とは、言葉の通りに、たまっていたものを一気に放出するということです。
つまり、「気がおかしくなる要因のストレス等のマイナス感情を一気に放出する」ということですね。
具体的には、「気がおかしくなる(もしくは、なったふりをする)」ということです。
普段は抑圧された不満やストレスを、まるで本当に頭や気がおかしくなってしまった人のように振る舞って発散させるときに使う言葉です。
例えば奇声をあげる、人として非常識な行為をする、奇抜な行動をとる、といったようなことです。
もっと具体的に知りたい人はネット検索するといいかもしれません。
奇声をあげたり、変な言葉を発するくらいならまだかわいいものですが、なかには人に迷惑をかけるようなものもあるようですから少し不快になるかもしれません。
「キチゲ発散」
人間だれしも、うまくいかない事や落ち込むことがあるとストレスがたまります。
通常ならばそういったストレスは、趣味に没頭したり別の事をして気を紛らわせうまく消化するものです。
しかし中には、ストレスとうまく向き合えず、溜まる一方で上手に発散できない人もいます。
「いっそ気が狂えた方が楽になれるかもしれない」と思い詰める人もいます。
そんな人が思い切って、溜まりきってしまった「キチゲ」の目盛りを少しでも減らすためにあえて自分から奇行に走る人がいます。
それがいわゆる「キチゲ発散」です。
その方法は様々で、「キチゲ解放」でも挙げたように、奇声を発したり変な行動をとったりするなど多岐にわたります。
人に迷惑をかけないよう気を付けている人もたくさんいて、例えば自分しかいない部屋の中で白目をむいて踊ってみるとか、叫んでみるなどのくだらなくも微笑ましいものが多いようです。
「キチゲ溜まる」
抑圧された感情やストレスがたまると、人は苦しさや怒り、悲しみなどの負の感情が蓄積されていき、限界がくると精神的な病を患ったりすることもあります。
それをネットスラング風に言うと「キチゲ溜まる」という表現となります。
特に、うまく発散できないストレスや不満を指しています。
人はストレスがどんどん溜まってしまうと、普段の自分からは想像できないくらいネガティブに考えてしまったり、うまく感情をコントロールできずにまわりへぶつけたくなってしまうものです。
そしてその結果、「キチゲ」が最大溜まるとどうなるか…それは先ほど解説した「キチゲ解放」や「キチゲ発散」に繋がり、奇行に走ってしまうのです。
「キチゲ」の対義語
今のところは「キチゲ」の真逆となるようなネットスラングはありません。
ストレスがない人よりも、ストレスを感じていてしかも発散できていない人が多いのも影響しているのかもしれません。
「キチゲ」がネットスラングとして密かに使われている理由はおわかりいただけたでしょうか。
「キチゲ」に限らず、ネットスラング自体が、ネット上で使われる暗号のような言葉なので知らない人も多いのが普通です。
普段の生活で、相手に伝わらないようなネットスラングを使って話すのはあまり良い印象を与えませんので注意しましょう。
ネットスラングはネット上にて、しかもその言葉を使ってもきちんとネットスラングだと理解される限定された仲間内で使うのがよさそうですね。