「蹉跌」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人生には、色々なことが起こります。
今では人の一生は、80年にも及びます。
その一生の中で、成功することもあれば、失敗することもあります。
長い人生の中で、成功の連続で一生を終える人なんて、決してありません。
そんな人生の山あり谷ありでは、「蹉跌」という言葉があることをご存知でしょうか?
目次
- 「蹉跌」の意味とは?
- 「蹉跌」の類語や言い換え・似た言葉
- 「蹉跌」の言葉の使い方
- 「蹉跌」を使った例文
- 「蹉跌」を使った言葉を解釈
- 「蹉跌」と「挫折」の違い
「蹉跌」の意味とは?
「蹉跌」という言葉は、どのように読むのでしょうか?
「蹉跌」は、「さてつ」という読み方になります。
「さてつ」と言うと、発音的には、「砂鉄」がありますが、全く関係がありません。
- 「蹉跌」の意味
「蹉跌」の意味
「蹉跌」という言葉自体を知っている人は、もうほとんどいないのではないでしょうか?
この単語は、70年代の安保闘争をテーマにした「青春の蹉跌」という映画で、「蹉跌」が知られるようになったのではないでしょうか?
俳優の萩原健一さん、女優の桃井かおりさんが出演していたされていた映画で、同名の原作もあります。
「蹉跌」という言葉の意味は「事が見込みと食い違って、うまく進まないこと」や「失敗した状態になること」という意味があります。
要は「物事がうまく進まず、しくじること」です。
「計画に蹉跌をきたす」や「事業が蹉跌する」という使い方になります。
「蹉跌」の類語や言い換え・似た言葉
しかし、この「蹉跌」という言葉を初めて聞く人もかなり多いのではないでしょうか?
「物事がうまく進まず、しくじること」という意味では、身近に感じる言葉としては、「蹉跌」よりも「頓挫」という言葉に触れることが多いのではないかと思います。
「計画を頓挫してしまった」
「事業が途中で頓挫する」
このようなことを聞いたことがあるかもしれません。
「頓挫」も日常会話の中ではあまり使わない言葉ですが、ビジネスシーンやニュースなどでは、「蹉跌」よりは、ポピュラーな表現かもしれません。
「頓挫」の意味は、「中途で行き詰まって、くじけること」や「計画や事業などが中途で進展しなくなること」となります。
「マンパワーが慢性気味に不足しており、企画が頓挫した」という使われ方がされますが、この時は、「人材不足で企画が途中で止まってしまった」というような意味になるでしょう。
「蹉跌」の意味はほぼ同じと言っても差し支えありませんが、合えて違いを言うのであれば、「頓挫」は「くじけること」で、「蹉跌」は「つまずくこと」ということになります。
「蹉跌」の言葉の使い方
「蹉跌」の言葉の使い方としては、次のような表現で使えるでしょう。
「小さな失敗でも、蹉跌することは、何時も身近にたくさん存在していることだ」
「そんなことでいちいち蹉跌していたら、何にもができないよ」
「蹉跌」を使った例文
では、「蹉跌」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「蹉跌」の例文1
- 「蹉跌」の例文2
- 「蹉跌」の例文3
「蹉跌」の例文1
「2人の愛は、ちょっとした蹉跌があったからといって、決してダメになるようなものでは本当の夫婦とは言えない」
こんな使い方ができるでしょう。
夫婦の間には、色々な葛藤やあつれきが生じることがあります。
長い共同生活の中で、何事もない方が不思議なくらいです。
どんな「蹉跌」があろうとも、びくともしないのが、本当の夫婦なのでしょう。
「蹉跌」の例文2
「つまらないことで蹉跌してはいけない。不愉快なことがあったとしても、怒らず、ニコニコと笑うくらいの心のゆとりで、太っ腹でいたいものだ」
つまらないことで、つまづいたり失敗することは、珍しいことではありません。
しかし、その度にイライラしていると、さらに悪習がやって来ます。
ここは、腹を据えてニコニコと笑顔を絶やさないくらいの心の大きな人になるべきなのです。
中々難しいことですが。
「蹉跌」の例文3
「彼らが成功したことで、ライバル達は、大いに蹉跌したことでしょう」
勝負の世界には、勝つ側がいれば、負ける側もいます。
ごく当たり前のことですが、勝負に勝ったことで、負けた方が挫折してしまったのです。
「蹉跌」を使った言葉を解釈
「蹉跌」という言葉を使うには、次のような表現があります。
- 「事業が蹉跌」
- 「計画に蹉跌をきたす」
- 「活動が蹉跌」
「事業が蹉跌」
「事業が蹉跌」するとは。
何らかの事情や理由で事業が立ち行かなくなることです。
大きなビッグプロジェクトであれば、失敗ができないために、長い年月をかけて、色々な角度からシミュレーションを行い、検討を重ねていくはずです。
それでも、想定外のことが起こらないということはありません。
資金難、大災害、事故など、ありとあらゆることから、「事業が蹉跌」=「頓挫」してしまうのです。
やはり計画を練る段階で、もっと用意周到にしなくてはならないのですね。
「計画に蹉跌をきたす」
このようなこともよくあること。
どんなに緻密な計画に思えても、ちょっとしたほころびから、傷口が大きくなって、計画実行を断念せざるをえないことがあります。
「住民の猛反発により、計画に蹉跌をきたしてしまった」
こんなことは身近なところでもあるのではないでしょうか?
大型ショッピングセンターの建設案があっても、地元住民も反発で実行することができないことは珍しくはありません。
「活動が蹉跌」
「活動が蹉跌する」というケースもあります。
人気の高いロックバンドが、法的なトラブルによって、芸能界から永久追放されたり、プロ野球選手が、社会的信用を失うほどのことをやってしまい、活動ができなくなることがあります。
このような時に、使うことができる表現ではないかと思います。
「蹉跌」と「挫折」の違い
「途中で支障が出てきて、うまく進まなくなる」という意味では、「蹉跌」と、「挫折」は、意味は両方とも同じ理解ができます。
「仕事や計画などが失敗する」
「プランがだめになる」ということであり、両方の言葉には、それぞれ、個人や事業、計画をキーワードに色々な用法が挙げられます。
ただし、「蹉跌」は、個人に限って使うような言葉でもなさそうです。
一方で、「挫折」は、団体や組織だけでなく、個人を対象に使用する例も身近なところで目にすることが少なくありません。
それでも同じ意味合いを持っている言葉なので、色々なシチュエーションて使っても問題はないでしょう。
しかし、「蹉跌」は、難しい漢字を使っていることから、聞く人によっては読めなかったり、意味が全く理解できないというケースも出てくるかもしれません。
2つの言葉のニュアンスの違いは、あえて言えば、「蹉跌」は「つまずくこと」や、「つまづいてダメになること」を意味しており、「挫折」は、「くじける」や「くじけてだめになる」を指しています。
「蹉跌」を「さてつ」と読むことができる人は、かなり少ないことでしょう。
ましてや、この言葉の意味を理解して実際の会話の中で使える人もさらに少なくなるかもしれません。
でも、言葉の意味を知ると、意外に様々な場面で使える言葉なのです。
普段の会話で「頓挫する」、「挫折する」という言葉を使うことがある中で、「蹉跌」を使ってみると、周りの人達が目を丸くして驚くことでしょう。
「それってどんな意味?」と聞かれた時は、ちょっと得意顔ができることでしょう。
難しい使いこなすことは、それだけ日本語への関心を高めることになりますし、インテリ風の落ち着いた雰囲気の文章を書くこともできるようになります。
めったに使うことがない「蹉跌」の他にも、たくさんの言葉やことわざをマスターして、深みのある文章を書けるように心がけてみることもいいことです。