「訥々」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、実に多くの言葉がありますが、普段の生活の中では、全くと言っていいほど使うことのない言葉がたくさんあります。
ビジネスの上では、コミュニケーションを取るのに、特有の言葉や表現を使うことがありますが、それでも知らない言葉はあります。
例えば、「訥々」という単語。
小説では、ごく稀れに見る単語です。
「訥々と」という表記を見て、意味は元より、どのように読むのかさえ、分からない言葉です。
思わず「のうのうと」と読むのかと、思いきや全く違っていました。
「言」に「内」と書く漢字は、インターネットのブログやホームページでも、使われていることを見たことがないので、ますます気になる言葉です。
目次
- 「訥々」の意味とは?
- 「訥々」の類語や言い換え・似た言葉
- 「訥々」の言葉の使い方
- 「訥々」を使った例文
- 「訥々」を使った言葉を解釈
- 「訥々」の反対語
「訥々」の意味とは?
「訥々」とは、「話しぶりが流暢でなく、途切れ途切れの調子で喋る様子のこと」を意味する言葉です。
「訥々と語る」というような表現で用いられることになります。
「訥々」は言い換えると、「口ごもって、話が途切れることで、歯切れの悪いしゃべり方」というような意味になるのでしょう。
逆に言うと、「饒舌でない、話べたな感じの話し方」ということです。
確かに世の中には、話し方がぎこちない人がたくさんいると思います。
途切れるような話口調なので、聞いている側からすると、少しばかり苛立ってしまいそうな感じです。
- 「訥々」の読み方
「訥々」の読み方
では、「訥々」は、どのように読むのでしょうか?
読み方は、「とつとつ」と読むことになります。
また、他の漢字で「吶々と(吶吶と)」記述することもあるようですが、「とつとつ」と読むことができる人は、何人いるでしょうか?
ただ、「とつとつ」という発音になると、確かに「ぎこちない話ぶり」が、何処となく、理解できる感じがします。
「訥々」の類語や言い換え・似た言葉
では、「訥々」と似たような意味を持つ言葉には、他にどのような表現があるでしょうか?
普段、使う機会がない「訥々」だけに日常会話の中で、どんな言葉の表現があるのか、気になってきます。
- 「口ごもる」
- 「途切れ途切れ」
「口ごもる」
同義語としては、「口ごもる」という表現があります。
意味としては、「言葉が口の中でこもってしまい、はっきり聞こえない」、「つかえた話ぶりのために、うまく言えない」、「どもる」、「言いかけてやめてしまう」、「ためらってはっきり言わない」ということになります。
「彼は多くの人の前でプレゼンしようとすると、口ごもってしまう」
普段は普通にしゃべることができる人でも、いざ多くの前に立って、説明をしようとすると、極度の緊張から話し方が、ぎこちなくなってしまうことがありますね。
この時に「口ごもる」が使えそうです。
「途切れ途切れ」
「途切れ途切れ」も「訥々」に近い意味がある言葉として挙げることができるでしょう。
「途切れ途切れ」には、「途中で幾度も切れ目があること」や「断続的」、「絶え絶間ない」という意味があります。
「途切れ」というフレーズがあるだけで、口調がとても良くない印象が伝わってきます。
「彼は、自分に自信がないためか、途切れの口調になってしまい、何を言いたいのか理解することが難しい」
人によっては、途切れるような話し方で、言っている内容も断片的にしか聞こえず、理解するのに時間が
かかってしまうということがあります。
「訥々」の言葉の使い方
「訥々」という言葉を使うのは、話し方餓上手ではない人のことを指して使うことが多いと思います。
ただ、普段の会話の中で使うなら、「途切れ途切れ」や、「口ごもる」と言った言葉が日常的で、「訥々」は、文章の中で使うことが多いのではないかと思われます。
「訥々」を使った例文
では、「訥々」を使う例文を見ることにします。
- 「訥々」の例文1
- 「訥々」の例文2
- 「訥々」の例文3
「訥々」の例文1
「Aさんとは反対に、Bさんの語り口は訥々としていても、その内容は、とても才知に溢れる見事な内容だったです」
流れるような口調で話をすることができる人を見ると、話し方が下手な人は、とても羨ましく思えるのではないでしょうか?
だからと言って決して内容がいいとは限りません。
むしろたどたどしい話し方でも、話す内容が充実しており、感動を呼び起こすこともあるかもしれません。
「訥々」の例文2
「私の訥々とした説明を聞き終えると、彼は、非常に難しい情顔になったのです。添う、私の言っていることを全く理解できていなかったからです」
ぎこちない話し方になると、どうしても内容的に充実したものであっても、相手を理解させることが難しいことが少なくありません。
それだけにスピーチは、とても難しいのです。
「訥々」の例文3
「訥々とした口調で語る彼の話の中味は、とてもいいのだが、聞く人を飽きさせてしまうのかもしれません」
せっかくいい話をしても、スムーズなスピーチやプレゼンではないために、理解を求めることが難しくなってくるのかもしれません。
「訥々」を使った言葉を解釈
では、「訥々」を使った言葉の意味を、もう少し見ていくことにしましょう。
- 「訥々とした語り口」
- 「訥々とした説明」
- 「訥々とした語調」
「訥々とした語り口」
この時の表現は、「とてもぎこちない語り口」と理解することができるしょう。
「語り口」となると、「語る時の口調」であり、落語や浄瑠璃などを語るの調子や態度のことを指していることもあります。
「訥々とした説明」
この場会、説明している時の話し方が、とてもぎこちなく、聞きづらいスピードになっている感じです。
「彼は訥々とした説明なので、本当に分かりづらい」
このような使い方でしょう。
しかし、話し方が下手であっても、決して内容がダメとは言えません。
「訥々とした語調」
「語調」とは、「話す時の調子」を指しています。
この事から、「訥々とした語調」と言うと、「聞きづらい途絶えそうなペースの話し方」ということになるでしょう。
「訥々」の反対語
「訥々」の反対語としては、次のような言葉があります。
- 「流暢」
- 「饒舌」
「流暢」
「流暢」は、「りゅうちょう」と読みます。
言葉の意味としては、「すらすらと話して、言葉遣いとしては全く淀みがないこと」となります。
いわゆる「滑らかな話し方」ということになります。
「彼女は、流暢に日本語を使っているね」
このような時の使い方をよく耳にすることが多いと思います。
最近はグローバル化の波で、身近なところでも、外国人をよく見るようになりました。
自分のオフィスにも外国人がいたりするのではないでしょうか?
しかし、彼らは、とてもスムーズに日本語を話すことができます。
これこそ流暢に喋っています。
「饒舌」
「饒舌」は、「じょうぜつ」という読み方になりますが、この言葉の意味には、「話す回数や言葉の数が多いこと」という内容になっています。
「彼は緊張しているのか、今日は普段よりも饒舌だ」
「彼は趣味の話題になると、何時もより饒舌になるようだね」
「彼女は饒舌家には、彼氏も疎ましく感じているようなのです」
このような使い方になってくるでしょう。
ただ、「流暢」は、流れるような話ぶりですが、「饒舌」となると、「流れる」というよりは、「多弁」という感じがあります。
「訥々」の意味を知ると、確かに自分の周りには、話し方が決して上手ではない人がたくさんいます。
流暢なスピーチができる人を羨ましく思えるかもしれません。
しかし、意外とスムーズな話し方の、割には、内容が薄っぺらで、聞こえは良くても共感できないことがあります。
その一方で、「訥々」とした話し方しかできない人でも、厚みのある内容で、また、誠実さも伝わってくる感じがするかもしれません。