「養う」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
よく使う言葉に何かを「養う」という言葉があります。
この言葉には沢山の意味がありますが、日本人には「生活面での面倒をみる」という意味が馴染でいて一般的かもしれません。
またこの「養」という漢字も頻繁に見たり使ったり使ていると思います。
そこで今回は、他の意味が使われる状況として、一体どのような場合が存在するのかも詳しくみていきたいと思います。
目次
- 「養う」の意味とは?
- 「養う」の類語や言い換え
- 「養う」の使い方
- 「養う」を使った例文
- 「養う」の英語
- 「養う」を使ったその他の言葉
「養う」の意味とは?
- 「養う」の読み方や意味
「養う」の読み方や意味
「養う」は【やしなう】と読みます。
「養う」には沢山の意味があり、
- 自分の収入で、家族や大切な人の衣食住などの面倒をみること
- 家畜やペットなどの動物を飼い育てること
- 自分のためになる力や知識、習慣などを作り磨いていくこと
- 体調を整えたり、落ちた体力を戻すこと、もしくは病気の人を休ませること
などがあります。
「養う」の類語や言い換え
- 「培う【つちかう】」
- 2-2.@ 「養成する」【ようせいする】
- 「磨く」【みがく】
「培う【つちかう】」
培うとは本来植物などを長い時間、手塩にかけ育てるという意味になります。
培うと養うは非常に似ていて、よく比べられますが、培うは根元からゆっくりと基礎を作り、土台になるものを形成していくという意味になり、つまりそれを更にパワーアップさせる為に「養って」いくという事になります。
培うのはその物自体が元々持っている能力や才能、性質などを強くしていく事であり養うと同じように使ったとしても意味は異なってきます。
例えば「忍耐力を培う」と「忍耐力を養う」は似てはいますが、前者は何もない状態から忍耐力を身に付ける事を表し、後者はある程度ついている忍耐力を更に強化し、磨きをかける事を表しています。
ですから、「家族を培う」とは言いませんし、「植物を養う」とはいいません。
- 「今まで培ってきた事を活かして、早く一人前になりたいと思います」
- 「培ってきた事が無駄ではなかったから、応用を理解できている」
など。
2-2.@ 「養成する」【ようせいする】
「養成所」という言葉を耳にした事があると思いますが、養成するとは、それぞれが持つ能力や才能、埋もれている可能性を養い育てることをいいます。
また教えたり学ばせる事で、その道で通用するような技術や技能を身につけさせることをいいます。
養成するものは、目に見える・見えない関係ありません。
その個人が持っている原石を最大になるまで引き出すようにするのが養成する事だと言えるでしょう。
- 「歌手になるために養成するにはそれなりの準備が整い必要になる」
- 「他人を養成するようになってから、人間には本当に可能性が秘められている事がわかった」
など。
「磨く」【みがく】
専用の布や液剤、研磨剤などでツヤを出したり綺麗ピカピカにこするや、芸事に対しての実力や能力などを更に極めたり洗練させること、もっと素晴らしい価値あるものに仕上げることをいいます。
- もっと磨きをかけて後悔させてやろう
- 磨く事で自分の精神面も強くなり更に自信がつく気がする
など。
「養う」の使い方
「養う」という言葉を使うシーンといえばやはり、自分以外の誰かの衣食住やそれに纏わる生活に掛かる費用を出す時だと思います。
また「養う」の「養われる」は「養う」の未然形になり、受動態になります。
ですから意味も逆になり、誰かに生活の面倒をみてもらったり、衣食住やそれにまつわるものの世話をしてもらうことという意味になります。
ですから「養う」は能動態なので、自分も含めて誰かが誰かに施す時に使う表現になります。
「養う」を使った例文
- 「養う」の例文1
- 「養う」の例文2
- 「養う」の例文3
- 「養う」の例文4
- 「養う」の例文5
「養う」の例文1
「家族6人を養うには非常に経済力が必要だけど、やり甲斐がある」
「養う」の例文2
「簡単に養うなんていうもんじゃない。それがどれ程大切な事か分かっていない」
「養う」の例文3
「体調が悪いならしっかり栄養を摂って英気を養わないといけないですよ」
「養う」の例文4
「この会社では実力を養うために、緻密に計算されたカリキュラムが存在する」
「養う」の例文5
「実子もいるのに、アフリカから子供を引き取って養っている彼女はバイタリティに溢れている」
「養う」の英語
「養う」には英語の表現がいくつかあります。
直訳すると「養う」という言葉ではありませんが、前後の単語で意味が変わり「養う」といったニュアンスを持つ事になので、いくつかご紹介します。
- “He works from morning till night to support himself.”
- “The land which is very large to feed a domestic animal is necessary.”
- “It is necessary to watch a splendid thing a lot to develop a superior sense.”
“He works from morning till night to support himself.”
【彼は養うために朝から晩まで働いてる】という意味になります。
この場合は“support”という単語が養うという意味を持ちます。
“The land which is very large to feed a domestic animal is necessary.”
【家畜を養うにはとても広い土地が必要だ】という意味になります。
この場合は“to feed”が【餌をやる】になり“to feed a domestic animal”で【家畜に餌をやる】=【家畜を養う】になります。
“It is necessary to watch a splendid thing a lot to develop a superior sense.”
【優れた感覚を養うためには、素晴らしいものを見ることがたくさん必要です。】という意味になります。
“develop”とは【発展する・開発する】という事なので、“develop a superior sense”は【優れた感覚を発展させる】つまり、「養う」になります。
単語自体に「養う」という意味はなくても、前後の意味合いで解釈する必要があります。
「養う」を使ったその他の言葉
- 「目を養う」
- 「心を養う」
- 「病を養う」
「目を養う」
よく見る目がないや、あるといった表現をしますが、ではこの見る目とは一体何かと言うと、要は『第一印象や見た目ではなくではなく本質や中身を見る事』という意味になります。
つまり沢山のものを見て本当に良いものを誤魔化されず見抜く力を持つということです。
それは人に限らず景色や食べ物などといった多岐に渡り、決して高額・高級、有名、知名度などといった意味のものではありません。
低価であっても素晴らしいものや、無名でも輝いているものを見抜き価値を見出す事は見る目がないとできない事なので、「見る目を養うこと」は非常に大切なことなのです。
「心を養う」
「心を養う」も「見る目を養う」と同じような意味があり、素晴らしいものや美しいもの、本当に大切なものや無駄なものを感じ取れるハートを持たなければいけないという意味になります。
人は完璧ではないため失敗したり他人を傷付け、傷付いてしまう場合もあるでしょう。
ですがそのようなピンチの時にこそ普段から心を養い、何が大切で重要かを分かっていればスマートな対応が出来ますし、心も豊かになります。
他人の気持ちや感情、自然の移り変わりや摂理、あらゆるものに対する思いやりや意識に目を広げる事で繊細で上品な、優しく穏やかな心が養育されるという意味になります。
「病を養う」
「病を養う」と聞くと、なぜ病気を育てるのかと思ってしまうものですが、「養う」には、治療する・養生するという意味もあります。
この場合は健康を「養う」という意味になり、ポピュラーな意味の自分のお金で他人の生活をみるといった「養う」ではありません。
「養う」という言葉は、前に来る単語で意味が変化します。
どの言葉もそうですが、日本語での意味だけではなく、漢字そのものや、元々はどのような意味があるのかを知っておくと、非常に便利ですし、いざという時に大変役立つのではないでしょうか。
比較的よく使う言葉なので、意味を覚えておくと知識も増え表現力も高まるのではないでしょうか。