「宿痾」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「宿痾」とは、長期間にわたって治らない病気・持病・根深い問題のことです。
「宿痾」という言葉の意味・読み方・言い換え・類語・使い方・例文について、詳しく解説していきます。
目次
- 「宿痾」の意味とは?
- 「宿痾」の類語や言い換え・似た言葉
- 「宿痾」の言葉の使い方
- 「宿痾」を使った例文
- 「宿痾」を使った言葉を解釈
- 「宿痾」の対義語
「宿痾」の意味とは?
「宿痾」の意味は、「長期間にわたって治らない病気」や「簡単には治ることのない持病や痼疾(こしつ)」のことです。
宿痾は、医学的な病気である身体疾患・精神疾患・遺伝疾患などのなかなか治らない持病のことを意味しています。
しかし、宿痾が意味するのは「医学的に診断可能な病気・疾患」だけではなくて、「なかなか解決しない根深い問題+構造的な社会病理」のことも意味する場合があります。
「医学的な疾患・病気」として宿痾の意味を考える場合には、人間が宿痾に苦しんだり悩んだりしているというニュアンスが強くなります。
「解決の難しい問題・構造的な社会病理」として宿痾の意味を考える場合には、社会・組織が宿痾によって機能不全に陥っていたり深刻な問題・欠陥を抱えていたりするというニュアンスが強くなります。
- 「宿痾」の読み方
「宿痾」の読み方
「宿痾」の読み方は、「しゅくあ」になります。
宿痾の「宿」には、「長期間にわたって宿っている・以前から存在し続けている・元々からそこにある」といった意味があります。
宿痾の「痾」には、「病気・疾患・やまい」の意味があります。
「宿痾」の類語や言い換え・似た言葉
「宿痾」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「宿痾」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「持病」【じびょう】
- 「痼疾」【こしつ】
- 「宿疾」【しゅくしつ】
- 「根深い問題」【ねぶかいもんだい】
- 「長患い」【ながわずらい】
「持病」【じびょう】
「宿痾」の類語・言い換えとして、「持病(じびょう)」があります。
「持病」の意味は、「以前からずっと持ち続けている病気」になります。
宿痾は「長期間にわたって治らない病気・元々から持っている疾患」のことですから、宿痾の類語・言い換えとしてそのまま「持病」を上げることができます。
「痼疾」【こしつ】
「宿痾」の類語・言い換えとして、「痼疾(こしつ)」があります。
「痼疾」の意味は、「簡単には治らないで、長い間にわたって悩まされている病気・持病」になります。
痼疾の「痼」と「疾」は、いずれも「病気・疾患・やまい」のことを意味していて、痼疾は持病のやや古い言い方にもなっています。
そのため、「痼疾」は持病と同様に「宿痾」の類語として考えることができます。
「宿疾」【しゅくしつ】
「宿痾」の類語・言い換えとして、「宿疾(しゅくしつ)・宿病(しゅくびょう)」があります。
「宿疾・宿病」というのも、「長年にわたって治らずに苦しんでいる病気・持病」を意味する言葉です。
「宿疾・宿病」は「持病・痼疾」と同じ意味の言葉ですから、「宿疾・宿病」も「宿痾」の類語・言い換えになっているのです。
「根深い問題」【ねぶかいもんだい】
「宿痾」の言い換え・似た言葉として、「根深い問題(構造的な問題)・社会病理」があります。
宿痾には「医学的な病気・持病」の意味だけではなくて、「解決することが難しい根深い問題」や「構造的な社会問題・社会病理」の意味もあります。
そのため、簡単には解決することができない社会構造にまつわる問題の意味で、「根深い問題(構造的な問題)・社会病理」という言葉で「宿痾」を言い換えることができます。
「長患い」【ながわずらい】
「宿痾」の類語・言い換えとして、「長患い(ながわずらい)・長病み(ながやみ)」があります。
「長患い」とは、長期間にわたって病気を患っていることです。
「長病み」とは、長期間にわたって病気に苦しんでいることです。
「宿痾」の類語・言い換えとして、「長患い・長病み」を上げることができます。
「宿痾」の言葉の使い方
「宿痾」という言葉は、「長年にわたって苦しんでいる医学的な疾患・病気(持病)」がある時に使用することができます。
長期間に及ぶ医学的な疾患や持病がある場合に、「幼少期から続くこの宿痾に悩まされてきた」というように宿痾を使うことができるのです。
医学的な病気以外にも「長期に及ぶ社会・組織の構造的な問題」という意味で、「宿痾」という言葉を使うことができます。
「スマホ依存は現代社会の宿痾になってきた」というような形で宿痾という言葉を使えるのです。
「宿痾」を使った例文
「宿痾」を使った例文にはどのようなものがあるのでしょうか?「宿痾」を使った例文について紹介していきます。
- 「宿痾」の例文1
- 「宿痾」の例文2
- 「宿痾」の例文3
「宿痾」の例文1
幼少期からアトピー性皮膚炎や気管支喘息といった簡単には治らないアレルギー性疾患の「宿痾」に悩まされ続けてきた。
「宿痾」の例文2
「共産党宣言」を執筆して、史的唯物論を前提とする共産主義の理想を世界に広げようとしたカール・マルクスは、宗教と資本主義を人類の「宿痾」として捉えていた。
「宿痾」の例文3
現代社会の「宿痾」とは自己愛・承認欲求の過剰によって他人に無関心になっていることであり、現代人の多くはその宿痾によって孤独な境遇に追い込まれやすくなっている。
「宿痾」を使った言葉を解釈
「宿痾」を使った言葉を分かりやすく解釈していきます。
- 「宿痾を絶つ」
- 「宿痾に悩む」
- 「社会の宿痾・大企業の宿痾」
「宿痾を絶つ」
「宿痾」を使った言葉として、「宿痾を絶つ」があります。
「宿痾を絶つ」というのは、「医学的な疾患を断ち切る」という意味合いよりも、「社会・組織(企業)の機能を停滞させている問題(病巣)の部分を断ち切る」という意味合いが強くなっています。
「宿痾を絶つ」という言葉は、「新規事業にチャレンジしづらい大企業病の宿痾を絶つ」といった文章で用いることができます。
「宿痾に悩む」
「宿痾」を使った言葉として、「宿痾に悩む」があります。
「宿痾に悩む」という言葉は、そのまま「なかなか治らない持病に悩む」や「長期間にわたって続いている問題・病気に悩む」という意味を持っています。
「精神的ストレスですぐに胃炎が悪化するという宿痾に悩む」や「クラスのいじめを撲滅することができない学校教育(生徒指導)の宿痾に悩む」などの文章で使用することができます。
「社会の宿痾・大企業の宿痾」
「宿痾」を使った言葉として、「社会の宿痾・大企業の宿痾」があります。
「宿痾」には、「長年にわたって続いている簡単には治らない医学的な疾患・病気」という意味だけではなくて、「簡単には解決することができない社会・組織(企業)の構造的な問題」という意味もあります。
「社会の宿痾・大企業の宿痾」という言葉は、そういった社会や大企業が抱えている構造的な問題のことを意味しているのです。
「未成年の子供を性の対象にする悪しき大人たちの存在は、現代社会の宿痾である」や「大企業の宿痾とは利益が出ている既存のビジネスモデルに固執して、新規事業・新規市場の開拓に本気で取り組めないフットワークの重さにある」といった文章で使用することができます。
「宿痾」の対義語
「宿痾」には、国語辞典に記載されているような明確に定義された対義語はありません。
しかし、長期にわたって治らない病気や持病、解決しない構造的な問題などの意味から、「流行り病・伝染病」や「治癒する・回復する・全快する・癒される」「構造的な問題が解決された・長年蓄積してきた経験」などを対義語として指摘することができるでしょう。
持病ではなく一時的に流行・感染する病気として「流行り病・伝染病」は、宿痾の対義語になっています。
長年悩んでいた持病・病気が治ってしまうということで、「治癒する・回復する・全快する・癒される」も宿痾の対義語と言えます。
宿痾には、簡単には解決できない長く続いている社会・組織の構造的な問題という意味もありますから、宿痾の対義語として「構造的な問題が解決された・長年蓄積してきた経験」を上げることができます。
「宿痾」という言葉について徹底的に解説してきましたが、宿痾には「長期にわたって続いている治らない病気・持病」や「なかなか解決できない社会・組織の構造的な問題」という意味があります。
「宿痾」の類語・言い換え・似た言葉には、「持病・痼疾・社会病理」などがあります。
「宿痾」の対義語には、「流行り病・治癒する・回復する」などがあります。
「宿痾」という言葉について詳しく調べたい時には、この記事を参考にして下さい。