「辛酸を嘗める」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「辛酸を嘗める」の意味や読み方を紹介します。
さらに「辛酸を嘗める」の使い方や例文を紹介します。
目次
- 「辛酸を嘗める」の意味とは?
- 「辛酸を嘗める」の似た言葉や類語・言い換え
- 「辛酸を嘗める」の使い方
- 「辛酸を嘗める」を使った例文
- 「嘗める」を使ったその他の言葉
「辛酸を嘗める」の意味とは?
「辛酸を嘗める」という言葉があります。
日常的に使う言葉ではありませんが、ニュースや小説、ドキュメンタリー番組などで耳にする言葉です。
知っておくと安心な「辛酸を嘗める」という言葉の読み方や意味を紹介します。
- 「辛酸を嘗める」の読み方
- 「辛酸」の意味
- 「辛酸を嘗める」の意味
「辛酸を嘗める」の読み方
「辛酸を嘗める」は「しんさんをなめる」と読みます。
「辛酸」は「しんさん」、「嘗める」は「なめる」と読みます。
「辛酸」も「嘗める」も、初見で読むのが難しい言葉だと思います。
特に「嘗める」は、なかなか読む事ができる人は少ないでしょう。
これを機会に「辛酸を嘗める」の読み方を覚えておきましょう。
「辛酸」の意味
「辛酸を嘗める」は「辛酸」と「嘗める」の二つの言葉で作られています。
「辛酸」は、「辛い」「酸っぱい」という言葉が合体して作られています。
「酸いも甘いも噛み分ける」という言葉には、「甘い」という、比較的ポジティブな言葉が使われていますが、「辛酸」はどちらかといえばネガティブな言葉だけが並んでいます。
この事からも分かるように「辛酸」には、「つらく苦しい思い」や「様々な苦労」という意味があります。
「辛酸を嘗める」の意味
「辛酸を嘗める」の「嘗める」にも、単独の意味があります。
「嘗める」には「十分に体験する」という意味があり、その体験は苦しい体験に限られます。
そのため、「辛酸を嘗める」という言葉は、「つらく苦しい思いを体験する」「様々な苦労を長い間感じて生きる」という意味があります。
「辛い事」を「長く体験する」という点が、「辛酸を嘗める」という言葉のポイントとなります。
一時的な辛い出来事や、苦しい体験では「辛酸を嘗める」とまでは行きません。
十分に苦しい体験を続けたという実感がある場合に、「辛酸を嘗める」という言葉がしっくりきます。
「辛酸を嘗める」の似た言葉や類語・言い換え
次に「辛酸を嘗める」に似た言葉や類語を紹介します。
「辛酸を嘗める」は、どのような他の言葉に言い換える事ができるのか、確認しておきましょう。
- 「艱難辛苦」【かんなんしんく】
- 「粒粒辛苦」【りゅうりゅうしんく】
「艱難辛苦」【かんなんしんく】
「辛酸を嘗める」と同様に、こちらも難しい漢字が並んでいます。
「艱難辛苦」は困難に遭って苦しい体験をする事を意味します。
「「艱難辛苦」を乗り越えて、大きな成功を掴む」などという言い回しに使います。
様々な物事を成功させるには、山あり谷ありで、楽な時間だけを過ごすわけではありません。
「艱難辛苦」と呼べるような、厳しい時間もあるでしょう。
それらを乗り越えた時に、大きな成功を手に入れる事ができます。
過去を振り返った時に「「艱難辛苦」の末の成功だった」と思えれば、その成功の価値はさらにアップするでしょう。
「粒粒辛苦」【りゅうりゅうしんく】
「粒粒辛苦」という言葉も、苦労をする、苦しい思いをする事を意味する言葉です。
「艱難辛苦」や「辛酸を嘗める」に続いて、画数の多い難しい言葉ですが、「りゅうりゅうしんく」と読みます。
「粒粒辛苦」は、小さな苦しみが定期的に襲ってくる様子や、とても辛い事を意味します。
「艱難辛苦」と同じように、「「粒粒辛苦」の末に、幸せになる」という言い回しをします。
「艱難辛苦」あるいは「粒粒辛苦」、そして「辛酸を嘗める」ような出来事に負けないで、成功のための糧にしたいものです。
「辛酸を嘗める」の使い方
「辛酸を嘗める」という言葉は、「辛い経験をした」事を、言葉にする時に使います。
「とても辛い思いをしました」と言葉にする事もできますが、「辛酸を嘗める」という言葉を使った方が、その体験を乗り越えた大人の立場で語っている印象を与える事ができます。
このように「辛酸を嘗める」という言葉を使う時は、すでにつらく苦しい状況を乗り越えた時に、自分の体験を思い出して語る事が多いです。
子供時代の壮絶な苦労を大人になった自分が語ったり、新入社員当時の苦労、一人前の社会人としての立場で語る時などに、「辛酸を嘗める」という言葉を使うと良いでしょう。
「辛酸を嘗める」を使った例文
続いて「辛酸を嘗める」という言葉を使った文章を作ってみましょう。
いくつかの「辛酸を嘗める」を使った例文を見る事で、言葉の意味をより深く知る事ができるかもしれません。
- 「辛酸を嘗める」の例文1
- 「辛酸を嘗める」の例文2
「辛酸を嘗める」の例文1
貧乏時代の思い出を語る時に、「辛酸を嘗める」という言葉がしっくりきます。
子供時代や、働き始めてまもなくの頃など、貧乏の苦労を経験する人は多いと思います。
このような体験を語る時に、「子供の頃、家が貧乏で、友達からバカにされたりと「辛酸を嘗めた」暮らしだった」とか、「入社してすぐの時期は給料が安く、学生時代の借金もあったから「辛酸を嘗める」ような思いで暮らしていた」などという文章になります。
貧乏をすると、思った以上の苦労を背負う事になりますので、「辛酸を嘗める」という言葉がはまります。
「辛酸を嘗める」の例文2
新入社員時代の苦労を語る時も、「辛酸を嘗める」という言葉がはまります。
仕事を始めたばかりの頃は、右も左もわからずに苦労をする事が多いからです。
「新卒で入った職場では仕事がなく、『辛酸を嘗めながら』毎日を過ごした」とか、「若い頃に「辛酸を嘗めた」から、今はこれだけ仕事に打ち込めるのだと思う」という文章を作る事ができます。
「契約社員時代は『辛酸を嘗めた』が、正社員になる事ができたので良い思い出だ」とか、「A部長がいる時は、『辛酸を嘗める』事が多かったが、A部長が異動してからは、毎日が楽しい」などと、現在は「辛酸を嘗める」経験を乗り越えてハッピーになっている事を伝える文章も作る事ができます。
「嘗める」を使ったその他の言葉
最後に「辛酸を嘗める」の「嘗める」を使った他の言葉をチェックしてみましょう。
「嘗める」は長い間体験するという意味があります。
また「辛い思い」「苦しい経験」限定ですので、「辛酸を嘗める」と同じくらい厳しい言葉が続きます。
- 「苦汁を嘗める」【くじゅうをなめる】
- 「貧苦を嘗める」【ひんくをなめる】
「苦汁を嘗める」【くじゅうをなめる】
「苦汁を嘗める」も、「嘗める」を使った定型句のような言葉です。
「苦汁」は「くじゅう」と読み、「苦い汁」という意味があります。
そのため、「苦汁を嘗める」には「苦い体験をする」という意味があります。
「今日まで散々「苦汁を嘗めて」きた」とか、「もう何年も「苦汁を嘗めて」生きている」などと使います。
「辛酸を嘗める」と同じような意味の言葉です。
「貧苦を嘗める」【ひんくをなめる】
「貧苦を嘗める」という言葉もあります。
「貧苦」は、「貧しい」「苦しい」という言葉で作られていますから、「貧苦を嘗める」は、貧しくて苦しい体験を長くしているという意味になります。
「辛酸を嘗める」という言葉にも、貧しさによる苦しい思いが含まれていますが、より貧しさに特化した言葉が「貧苦を嘗める」になります。
「辛酸を嘗める」も「貧苦を嘗める」も苦しい経験ですが、乗り越える事ができたら、人生の糧になるはずです。
「辛酸を嘗める」の言葉の意味や、使い方をチェックしました。
「辛酸を嘗める」は、過去の辛い体験を乗り越えた時に、苦しい時代を思い出して使う事が多いです。
現在「辛酸を嘗める」思いをしている人は、その辛い経験を将来に活かせるよう、粘り強くがんばりましょう。
いつか「辛酸を嘗める」という言葉を使って、「昔はこんなに苦しかったよ」と笑って話す事ができるはずです。