「申し訳程度」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
お土産を人に渡したり、おすそ分けをするときに「『申し訳程度』ですがどうぞ」
と言って渡すことがよくありますよね。
日常でもビジネスシーンでもよく使う表現「申し訳程度」についてご紹介します。
目次
- 「申し訳程度」の意味とは?
- 「申し訳程度」の類語は何だろう?言い換えてみると...
- 「申し訳程度」の使い方は?
- 「申し訳程度」を使った例文
- 「申し訳程度」を分解して解釈してみよう!
「申し訳程度」の意味とは?
「申し訳程度」という表現を何気なくつかっていますが、しっかりとその言葉の意味を把握していますか?
「申し訳程度」とは、なんとか言い訳できる程度、ほんのわずかな分量だったり、形ばかりということをいいます。
「あそこのランチは『申し訳程度』のデザートしかついてこないの」のように使うこともありますが、「『申し訳程度』ですが、ほんの謝礼です」などのように、贈り物を差し出すときなどに使用することができる表現なのでしっかり覚えておくとよいですね。
- 「申し訳程度」の読み方
- 「申し訳ない」ではないの?
「申し訳程度」の読み方
「申し訳程度(もうしわけていど)」と読みます。
「申し訳ない」ではないの?
贈り物をする際に、うっかり「申し訳ない程度」と言ってしまい、相手に怪訝な顔をされてしまった経験はありませんか?「『申し訳ないくらいの程度しか持ってこなかった』という意味だからいいんじゃないの?」と思いがちですが、「申し訳ない程度」という表現はないので注意しましょう。
いくら謙虚な言葉を選んだと思ったとしても、誤った使い方をしてしまうとかかなくてもよい恥をかいてしまいますよ。
「申し訳程度」の類語は何だろう?言い換えてみると...
ほんのわずかな分量、程度という意味の「申し訳程度」にはどのような類語があるのでしょうか?「ほんの少し」「少々」など、量が少ない様子を例える言葉はたくさんありますよね。
- 「御印(おしるし)」
- 「雀の涙(すずめのなみだ)」
- 「心許り(こころばかり)」
「御印(おしるし)」
「御印」とは、形だけでほとんど価値のないさま、量が少ないさまをいいます。
印(しるし)とは、気持ちを形に表したものという意味です。
「感謝の印(かんしゃのしるし)」「お近づきの印(おちかづきのしるし)」など日常でもよく使用する表現ですよね。
この印を丁寧に表現したのが「御印」です。
「ほんの御印でございますが、どうかお受け取りください」など、「申し訳程度」によく似た表現ですね。
「雀の涙(すずめのなみだ)」
「雀の涙」とは、量や金額が極めて少なく、とても満足できるものではないという意味です。
「体が小さい雀が流す涙は体に見合ったほんのわずか量である」ということが由来です。
「『雀の涙』しかない給料だから、海外旅行なんて夢のまた夢だ」などのように、金銭が少ない様子を表すときによく使用する慣用句ですね。
「心許り(こころばかり)」
「心許り」も日常やビジネスシーンでよく耳にする表現でなないでしょうか。
漢字で書くと「心(こころ)」「許す(ゆるす)」と書く「心許り」の意味は、ほんの気持ちを示すだけ、ほんの御印という意味です。
「申し訳程度」と同じく、贈り物を差し出すときによく使う表現のひとつですね。
「申し訳程度」の使い方は?
「申し訳程度」は自分からの謝礼や贈り物などをへりくだって言う表現なので、日常では、親戚付き合いやご近所付き合いに、ビジネスシーンでは社内や取引先にと、人と人とのコミュニケーションの言葉として使用する頻度の高い言葉です。
「申し訳程度」には、贈り物をへりくだっていう「つまらないものですが、どうぞ」という表現もあります。
へりくだる表現をすることで「私はあなたを気づかっています」ということを知らせているのです。
- 「申し訳程度」のものをもらってもしょうがない?
「申し訳程度」のものをもらってもしょうがない?
欧米では、贈り物をするときには、“I hope you like it. ”(気に入ってくれたら嬉しいです)と表現します。
日本では、渡す際にあえて「申し訳程度」とへりくだり、贈った相手がどう感じるかを全て相手に委ねますが、欧米では相手が気に入ってくれることを期待して渡します。
欧米からのお客様に、“This is a worthless present for you. ”(「申し訳程度」ですが、どうぞ)と言って贈り物を渡すと、「そんな少ないものをもらってもしょうがないんじゃないの?」と怪訝な顔をされてしまいますよ。
「申し訳程度」を使った例文
「とても少ない量である」「ないも同然である」という意味を持つ「申し訳程度」を使った例文を集めました。
「ないも同然である」というような表現や、贈り物を差し出すときの常套句(じょうとうく)としてもよく使う表現なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 「申し訳程度」の例文1
- 「申し訳程度」の例文2
- 例題3
「申し訳程度」の例文1
「チラシでは書斎付きの2LDKとうたっていたが、実際に内見してみるとに押入れのような小部屋が『申し訳程度』にあるだけだった」
「申し訳程度」の例文2
「殺風景な受付には、造花の入った花瓶が『申し訳程度』に飾られていた」
例題3
「地元で人気のあるお菓子を買ってきましたので、ほんの『申し訳程度』ですが、みなさんでお召し上がりください」
「申し訳程度」を分解して解釈してみよう!
「申し訳程度」とは、よく日常でも耳にする表現ですよね。
あまりにもよく使用する言葉だから、何気なく使ってしまいその本当の意味は考えたことがないという人も多いのではないでしょうか?ほんのわずかな量、形ばかりであるという意味の「申し訳程度」を、もっとよく知ってみたくはありませんか?「申し訳程度」を「申し訳」と「程度」に分解して「申し訳程度」という言葉の意味を深読みしてみましょう。
- 「申し訳(もうしわけ)」
- 「程度(ていど)」
「申し訳(もうしわけ)」
「申し訳」という言葉を使ったことがない人はいないのではないか?と思うほどに、「申し訳」という表現はよく日常でも使いますよね。
「申す」とは、相手を敬った言い方で「言う」の謙譲語です。
「山田と申します」
のように使いますよね。
つまり、「いい訳」の「言う」を相手にへりくだった表現なのです。
古い表現では、「冗談を申すな」「そなたの名を申せ」のように尊大語でもありましが、今ではこのような使い方は時代劇でしか目にすることはありませんよね。
「程度(ていど)」
「申し訳程度」の「程度」とは、「それにちょうど見合った度合い、それくらいの度合い」という意味です。
「程(てい)」も「度(ど)」も物事をはかる「基準(きじゅん)」という意味を持った言葉です。
今回は「申し訳程度」について解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか?
社会人になると贈り物をする機会も増えていきます。
子供関係のお礼、社内での土産ものを配布する時、取引先への贈り物を差し出すときなど、「申し訳程度」という表現を使えば困ることはありません。
普段から何気なく使っている言葉にも注意をはらい、正しく使って社会人として恥ずかしくない言葉の使い方を覚えていきましょう。