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「胸先三寸」の意味とは?「胸三寸」が正解?類語、使い方や例文を紹介!

「胸先三寸・胸三寸」とは「胸の中にある考え・心の中にある思い」のことですが、主に表には出していない胸に秘めた考え・思いのことを意味します。

「胸先三寸」の類語・言い換え・正しい表現・例文などについて、詳しく解説していきます。

胸先三寸

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「胸先三寸」の意味とは?「胸三寸」が正解?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「胸先三寸」の意味とは?
  • 「胸先三寸」の類語や言い換え
  • 「胸先三寸」は間違い?「胸三寸」が本当?
  • 「胸三寸」の使い方
  • 「胸三寸」を使った例文
  • 「胸三寸」を分解して解釈


「胸先三寸」の意味とは?

「胸先三寸」の意味は、「胸の中・心の中」「胸の中にある考え・心の中にある思い」ということになります。

胸先三寸は胸から三寸の距離にあるということから、「胸の中(心の中)」を意味しますが、慣用的に胸先三寸という言葉が用いられる時には「胸の中(心の中)に秘めた考え・思い」を意味することが多くなっています。

胸先三寸には「私の胸の中(心の中)に秘めた考えや思いでどうにでもなる」といった意味合いで、相手に対して「私の胸先三寸で決まる」といった定形的な言い回しもあります。

また胸先三寸には「私の胸の中(心の中)だけに留めておいて他の誰にも広言することはない」というニュアンスを持つ言葉として「胸先三寸に納める」といった言い方も良く用いられています。

  • 「胸先三寸」の読み方

「胸先三寸」の読み方

「胸先三寸」の読み方は、「むなさきさんずん」になります。



「胸先三寸」の類語や言い換え

「胸先三寸」の類語や言い換えには、どのようなものがあるのでしょうか?「胸先三寸」の類語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。

  • 「胸中」【きょうちゅう】
  • 「舌先三寸」【したさきさんずん】

「胸中」【きょうちゅう】

「胸先三寸」の類語・言い換えとして、「胸中・心中(きょうちゅう・しんちゅう)」があります。

胸先三寸とは「胸から三寸の距離にある胸の中(その胸の中にある考え・思い)」のことですから、胸先三寸の類語として「胸中・心中」を上げることができるでしょう。

「胸中」の意味はそのまま「胸の中にある心・考え・思い」のことであり、「心中」の意味も「心の中にある考え・思い」になります。

胸先三寸は外部からは見ることのできない「心の中・胸の中」「心の中(胸の中)にある秘めた思い・考え・意図」のことを意味しています。

それと同様に、「胸中・心中」という類語にも、「外部からは見ることのできない胸の内や心の中」といった意味のニュアンスが込められているのです。

他者とコミュニケーションを取っている時でも、その相手からは見ることができない心の中や胸の内を「胸中・心中」と呼んでいるのです。

「舌先三寸」【したさきさんずん】

「胸先三寸」の語源的な位置づけにある類語として、「舌先三寸(したさきさんずん)」があります。

「舌先三寸」の意味は、「口先(言葉)だけで上手く相手を丸め込んだりあしらったりすること」になります。

「胸先三寸(むなさきさんずん)」の元々の言葉である語源は「胸三寸(むねさんずん)」ですが、「口先三寸」も同様に元々の言葉は「口三寸」であったと言われています。

「胸先三寸」「口先三寸」の意味は全く異なりますが、胸先三寸という言葉が「胸三寸+口先三寸」の融合によってできたとする推論的な学説もあります。

「舌先三寸」の言葉を用いた例文としては、「君は口達者かもしれないが、こんな重要な問題を舌先三寸の言葉だけで誤魔化そうとするのは感心できない」「舌先三寸の軽薄な能力だけで厳しくて長い人生を上手く乗り切れるなどとは思わないことだ」などがあります。

「胸先三寸」は間違い?「胸三寸」が本当?

「胸先三寸(むなさきさんずん)」という言葉は、現代においては慣用的に使われているので、必ずしも間違った言葉遣いではないのですが、元々は「胸三寸(むねさんずん)」という言い方が用いられていました。

そのため、語源的な正しい言葉を厳しく区別するのであれば、「胸先三寸」ではなく「胸三寸」のほうが正しい言葉であるということはできます。

胸先三寸という言葉は、時代が下るにつれて「胸三寸」「舌先三寸」が融合してできた言葉と言われています。

「胸先三寸」は間違いとする考え方もありますが、その場合は「胸先三寸」「胸のみぞおち部分・胸の内から三寸ほどの距離」だけを意味していて、「心の中(胸の内)にある考えや思い」までは意味しないという解釈になります。

胸先三寸を誤用とする解釈の場合、「胸先三寸に迫る」という言い方はあっても「胸先三寸に納める」という言い方は存在しないとされます。

  • 現代では「胸先三寸」の使用例が増えていて完全な間違いとは言い切れない

現代では「胸先三寸」の使用例が増えていて完全な間違いとは言い切れない

ただし、先ほども指摘したように現代では逆に「胸三寸」よりも「胸先三寸」のほうが、日常的な言語・言葉遣い(言い回し)として慣用的に多用されるようになっているので、日常会話で用いる時には「胸先三寸」を用いても間違いではありません。

「胸先三寸に納める(胸三寸に納める)」といった表現の場合、逆に「胸先三寸」のほうが自然な言い回し・語感として受け取られやすいかもしれません。



「胸三寸」の使い方

「胸三寸」の使い方は、「自分や相手の目に見えない心の中(胸の内)」を表現する場合に使います。

特に外部や他人からは見ることができない「自分の心の中に秘めている思い(感情)・考え(思慮)・意図(計画)」などを指示する時に、「胸三寸」という言葉を用いることが多いのです。

胸三寸の慣用的な言い回しとして、特に良く使われるのが「胸三寸に納める」「胸三寸にたたむ」といった表現ですが、これらはいずれも「誰にもそのことを言わないで、自分の心の中(胸の内)だけにしまっておく」という意味合いで使われています。

胸三寸の慣用的な表現として、「私(彼)の考え次第(気持ち次第)で結果はどうとでもなる=結果の成否に与えられる私の影響力を甘くみないほうがいい」というニュアンスを込めて「私(彼)の胸三寸にかかっている」といった言い方も多く使われます。

「胸三寸」を使った例文

「胸三寸」を使った例文には、以下のようなものがあります。

「胸三寸」を使った例文を紹介していきます。

  • 「胸三寸」の例文1
  • 「胸三寸」の例文2
  • 「胸三寸」の例文3

「胸三寸」の例文1

妻が私を陰でこそこそと裏切ってきた不倫について、妻は私が不倫にまったく気づいていないと思っているが、私は必死に「胸三寸」に収めて我慢し続けているのだ。

「胸三寸」の例文2

大規模な公共事業のプロジェクトの競争入札について、県の土木事業担当の課長補佐は「どの業者が公共事業を入札できるかは私の胸三寸にかかっていることを忘れるな。私が何を期待しているかを忖度することが大切だ」と暗に不正な賄賂を要求してきたが、その数ヵ月後に彼は収賄罪で逮捕されることになった。

「胸三寸」の例文3

君の人生がかかっている重大なこの決断について私は「胸三寸」にしっかり納めておくことにする。

絶対に誰にも広言しないと誓って約束するから、君は君の思うままに存分に自分の信念と決断に従って動けばいいのだ。

「胸三寸」を分解して解釈

「胸三寸」という言葉を分解して解釈すると以下のようになります。

  • 「胸」
  • 「三寸」

「胸」

胸三寸の「胸」は、古代ギリシア・ローマの昔の時代から「心・精神がある場所」「心臓が位置する生命活動の中心的な場所」と推測されてきたため、「胸」「心や気持ちのある場所+精神活動の中心拠点」として解釈することができます。

そこから転じて、「胸の中にある考え・思い・意図」を意味するようになりました。

「三寸」

胸三寸の「三寸」は、尺貫法における長さの単位のことであり、日本の尺貫法では「1寸=約303mm・約3cm」とされています。

一寸は一尺の「10分の1の長さの単位」として定義されていますが、胸の表面部分から三寸ほどの距離にある「心の中・胸の内」「心の中(胸の内)にある考え・思い」を意味しているのです。

icon まとめ

「胸三寸」「胸先三寸」の言葉について徹底的に解説しましたが、いかがだったでしょうか。

元々は「胸三寸」という言葉があり、そこから「口先三寸」という言葉と混同されるなどして「胸先三寸」という言葉が生まれたと考えられています。

胸三寸の意味は「心の中・胸の内にある考えや思い」になりますが、「胸三寸・胸先三寸」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。