「爵位」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
世の中には序列というものがあります。
人は、組織や団体、あるいは地域の中で、社会的地位を持つ人がたくさんいます。
企業で言えば、社長や専務・常務のような役員から、部長・課長という管理職の地位です。
昔の日本の武家時代では、さらに身分が明確に分かれており、武士・農民・商人・職人という階級になっていました。
公家(貴族)もあります。
このような階級的な話題やテーマに触れる時に、出てくるキーワードが、「爵位」かもしれません。
目次
- 「爵位」の意味とは?
- 「爵位」の種類
- 「爵位」の類語や言い換え
- 「爵位」の使い方
- 「爵位」を使った例文
- 「爵位」の対義語
- 「爵位」を使った言葉
「爵位」の意味とは?
「爵位」は、普段の生活での会話やビジネスの商談、打ち合わせ、会議の中ではほとんど出てくるような用語ではないでしょう。
歴史の勉強をする時にこそ、出てくるのではないでしょうか?
「爵位」は、英語で表現すると、“Royal and noble ranks”や、“Title”と訳すことができますが、意味としては、古くは古代から中世にかけての国などの君主制に基づく国家の中での栄誉的な称号のことを指しています。
この称号が与えられる人は、「貴族の血統を持つ世襲的な人や、国家への功労者に対する恩賞」に基づいて、授与されることになります。
他の言い方だど、「勲爵」や「爵号」と称することもありますが、「官職」と「爵位」をひとまとめにして、「官爵」と例えることもあります。
「爵位」の種類
「爵位」の種類を見てみると、日本では、「公爵」、「侯爵」、「伯爵」、「子爵」、「男爵」があります。
しかし、海外では、君主(元主)としてクラスで、「皇帝」、「国王」、「大公」という呼称があり、それから、上級貴族に、「公爵」、「侯爵」、「伯爵」という階級がありました。
続いて、下級貴族級になると、「伯爵」、「子爵」、「男爵」があり、さらに準貴族級に下ると、騎士階級があったのです。
騎士階級では、昔の神聖ローマ帝国の「帝国騎士」は、下級貴族のクラスに位置することになりますが、「伯爵」の場合は、国王から叙勲された「伯爵」が上級貴族として位置付けられ、上級貴族より叙勲された「伯爵」が下級貴族という扱いになっていたようです。
また、「大公」という名称もありますが、これは王として認められていない君主などが、準国王としての立場にあることを指しています。
- 「公爵」
- 「侯爵」
- 「伯爵」
- 「子爵」
- 「男爵」
「公爵」
「公爵」は、国王の系統の一族が叙任された人です。
「侯爵」
「侯爵」は、国王に従った臣下の人を指しており、ある意味同盟的な立場にあった人とも言えるでしょう。
日本の江戸時代であれば、「公爵」が徳川将軍家の親戚筋に当たる親藩大名であり、「侯爵」は、外様大名に例えることができるでしょう。
「伯爵」
「伯爵」になると、大きく2つのクラスに分かれ、上級的な立場の人は譜代大名、下級の「伯爵」は、旗本的な立場に置き換えて理解することができるかもしれません。
「子爵」
「子爵」は、国王から役職を任命されて、派遣された官僚が貴族となった人達です。
江戸時代であれば、代官や奉行といった役職クラスになるでしょう。
「男爵」
「男爵」は、地方の豪族的な立場にある人のことを指しています。
「爵位」の類語や言い換え
「爵位」を他の言葉に置き換えることは、かなり難しいと思われますが、現代風に変えると、次のような言葉で例えることができるかもしれません。
- 「肩書き」
- 「称号」
- 「敬称」
「肩書き」
「肩書き」とは、「地位や役職」という意味の言葉になります。
名刺などで、氏名の右上に書かれている職名や地位などが、「肩書き」となり、その人の社会的地位や身分を示す職業、役職名となります。
「肩書きが物をいう業界や時代」というような使い方があります。
「何の肩書きもない男性社員」、「彼は社長の肩書きを持っている。」というような使い方もよく見受けられます。
「肩書きで商売している。」と呼ばれる人も世の中には結構いるものですが、これらの人達は、社会的な立場を上手に使いわけながら、ビジネスをしているのかもしれませんね。
「称号」
「称号」も、人や団体の公的な身分や資格、地位など示している言葉となります。
「称号」は、「号を称する」という意味から、元々は、名や字以外の方法で、その人を特定する呼び名として使われたのが、始まりとされています。
その呼び名を号と言って、特定の人を他の人と区別できるための呼び名だったのです。
それが時代が下るに連れて、国家や民族、部族、地域、組織など、様々な社会的な集団が作られ身分制度の成立と共に、特権的な階級による集団内の支配や序列を形成するために、特別な呼称や肩書きが「称号」として使われるようになったと考えられているのです。
「敬称」
「敬称」もある意味、「爵位」に近い言葉として、理解することができないでしょうか?
ビジネスでは、「敬称略」という用語を使うことがあります。
これは言葉の通り、「敬称」を「省略」することです。
「敬称」には、特定の人に対する敬称として使われる「様」、組織や団体に対して敬称の意味で使われる「御中」などが身近な呼び方ですね。
相手に合わせたさまざまな表現がありますが、「敬称」を付けずに相手を文章やリストを記載する時に「敬称略」とします。
「爵位」の使い方
「爵位」は、普段の生活や仕事上のコミュニケーションでは、頻繁に使う言葉ではなしょう。
歴史の勉強をしたり、海外の王族の動きをニュースで見た時に、「爵位」に関する言葉が使われる程度ではないでしょうか?
あるいは、次項で見るような小説などで目にする程度かもしれません。
「爵位」を使った例文
「爵位」を普段の生活の中で見ることが少ないのは、前述の通りです。
では、どのようなケースで使われるのか、例文を見ていくことにします。
- 「爵位」の例文1
- 「爵位」の例文2
- 「爵位」の例文3
「爵位」の例文1
「勲功によって貴族に列せられようという内意があったが辞退したので、爵位はその夫人に授けられ、夫人からその一人息子の John James Struttに伝えられた。これが最初の Lord Rayleigh となった訳である。」
やはり「爵位」は、小説の中で使われていますね。
ここでは、ある人の爵位の生い立ちを説明しようとしているのでしょう。
「爵位」の例文2
「いわゆる名門の子弟を教育する学習院は、そのころから伝統的な貴族や学者の子弟ばかりでなく金力であがなった爵位で貴族生活の模倣をたのしむものの子供や多額納税という条件で入学の可能な家庭の子供もふくんでいたのであったから、漱石の権力・金力と人間性・・・」
何時の時代でも、社会的に爵位を買うことがあるのですね。
「爵位」の例文3
「ヨーロッパのその他の国はロシアを含めてほとんどがバロン系統の称号を男爵の爵位に用いているが、ドイツのみ男爵に相当する爵位はフライヘル(Freiherr)という。」
このようにヨーロッパでは、階級制度が根付いていることが理解できます。
「爵位」の対義語
「爵位」の対義語を考えた場合、どのような言葉が妥当なのか、考えあぐねてしまうのではないかと思います。
「爵位」とは、社会的な地位を呼称した言葉でもあります。
そのことを考えると、「無冠」という言葉が対義語として出てくると思います。
「無冠」とは、「位(くらい)や栄誉を得ていないこと」を意味しています。
よく使われる言葉に「無冠の帝王」というものがありますが、「地位や称号は持っていないものの、強い力のある人」を指すことがあります。
「爵位」を使った言葉
「大名のご三家は、爵位を下され子爵となった。」
この言葉は、徳川将軍家の親藩だった御三家が爵位を得た時のことでしょう。
このように爵位ニュース関することは、やはり歴史や小説の中で、使われることが多いようです。
現代社会になり、「爵位」を意識することや、こだわる機会は、めったにはないでしょう。
しかし、幕末をテーマとした大河ドラマや時代劇を通して、過去の歴史の紐を解く時に参考になるのではないかと思います。