「三文芝居」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「三文芝居」とは、演技(ヤラセ)であることが見え透いた価値のない馬鹿げた芝居のことです。
三文芝居の類語・言い換え・対義語・例文には、どのようなものがあるのでしょうか?
「三文芝居(さんもんしばい)」という言葉について詳しく説明していきます。
目次
- 「三文芝居」の意味とは?
- 「三文芝居」の類語や言い換え
- 「三文芝居」の使い方
- 「三文芝居」を使った例文
- 「三文芝居」を使った言葉を解釈
- 「三文芝居」の対義語や反対の意味
「三文芝居」の意味とは?
「三文芝居(さんもんしばい)」の意味は、「三文程度しか払う価値がないレベルの低い下手な芝居」や「ほとんどお金を支払う価値がない見ていられないダメな芝居」のことです。
下手な芝居や価値のない芝居から意味が転じて、三文芝居には「底が見え透いた馬鹿げた行為」という意味もあります。
三文芝居の「三文」とは昔の通貨の単位のことで、「一文銭三枚(三文)」は非常に安いお金・金額を象徴しています。
江戸時代の三文を厳密に現代の貨幣価値に換算することは不可能ですが、「3文=約35円」と換算することができます。
三文芝居は、三文(約35円)さえ対価を支払いたくない下手くそな芝居のことを意味しているのです。
三文芝居には「底が見え透いた馬鹿げた行為」の意味がありますが、更に詳しく解説すると「何かの隠し事をしていることが見え透いている下手な会話・演技・議論」などを意味しています。
劇作家ブレヒトの有名な演劇で「三文芝居」という題名のものもあります。
「三文芝居」の類語や言い換え
「三文芝居」の類語や言い換えには、どのようなものがあるのでしょうか?「三文芝居」の類語・言い換え」について、分かりやすく説明していきます。
- 「茶番劇」【ちゃばんげき】
- 「臭い芝居」【くさいしばい】
- 「猿芝居」【さるしばい】
「茶番劇」【ちゃばんげき】
「三文芝居」の類語・言い換えとして、「茶番劇(ちゃばんげき)」があります。
茶番劇の意味は、「底の見え透いた馬鹿馬鹿しい行為・やり取り」や「演技していることや隠し事をしていることが丸分かりの下手な芝居」になります。
「茶番」とは、「お客さんのためにお茶の用意・給仕をする係の人」や「江戸歌舞伎の楽屋内で発生した滑稽な即興寸劇・素人の役者が演じた茶番狂言」のことを意味しています。
「茶番劇」という言葉を使った例文には、「家族の問題でとんだ茶番劇に付き合わされて、今日一日は最悪の気分で過ごすことになった」や「そんな嘘が見え透いた茶番劇はもうやめにして、本当のことを話してくれないだろうか」などがあります。
「臭い芝居」【くさいしばい】
「三文芝居」の類語・言い換えとして、「臭い芝居(臭い演技)」があります。
臭い芝居・臭い演技の意味は、「演劇・芝居でセリフ(台詞)の言い方や表情・動作が大げさすぎてわざとらしいこと」や「演技をしていることが丸分かりな程度の低い芝居+見ているほうが恥ずかしくなってくるようなわざとらしい演技」のことを指しています。
臭い芝居(臭い演技)は、一般に見ている観客のほうが恥ずかしくなってくるレベルの低い芝居・演技のことを意味しているのです。
「臭い芝居(臭い演技)」という言葉を使った例文には、「とんでもなく臭い芝居を見せられて、今日一日の時間を損してしまった」や「そんな臭い演技しかできないようじゃ、いつまで経っても表舞台で役者として活躍することなんてできないよ」などがあります。
「猿芝居」【さるしばい】
「三文芝居」の類語・言い換えとして、「猿芝居」があります。
猿芝居の直接的な意味は、江戸後期からあるとされる猿に衣装を着させてさせる芝居・見世物(猿歌舞伎)のことですが、それが転じて猿ができる程度の演技しかできない下手くそな芝居を嘲笑して言う言葉になりました。
「猿芝居」にも「三文芝居」と同様に、「隠し事をすぐに見透かされてしまうような浅はかな演技・態度・企み」などの意味合いもあります。
「猿芝居」という言葉を使った例文には、「そんな誰にでもできるような猿芝居を見せて、演技でお金を取ろうなんて100年早いんだよ」や「緊張のあまり、猿芝居にも劣るような情けない芝居をしてしまい、自分で自分が情けなくなって泣けてきた」などがあります。
「三文芝居」の使い方
「三文芝居」の使い方は、「わずかなお金さえ支払う価値がないような下手くそな芝居を見せられた時」や「隠し事をしたり嘘をついたりしていることが見え透いている会話・演技・やり取りをしている時」に使います。
見ている側が恥ずかしくなってくるような大げさで下手な演技だったり、何かの隠し事をしていることがすぐにバレている思わせぶりな会話(演技がかった態度・物言い)だったりを指示して、「三文芝居」という言葉を使うのです。
「三文芝居」を使った例文
「三文芝居」を使った例文には、以下のようなものがあります。
- 以前から期待していた演劇の舞台だったが、主役の俳優の演技力はともかく周りを固める俳優の演技の内容がひどくて、とんだ「三文芝居」を見せられた気分になった。
- あなたが会社のお金を横領したという客観的な証拠がこれだけ揃っているというのに、いつまでそんな馬鹿げた「三文芝居」を続けるつもりなんですか。
「三文芝居」を使った言葉を解釈
「三文芝居」を使った言葉を分かりやすく解釈していきます。
- 「三文芝居がバレてしまう」
- 「お涙頂戴の三文芝居」
- 「詐欺師の三文芝居に騙される」
「三文芝居がバレてしまう」
「三文芝居がバレてしまう」という言葉は、家族や恋人、友人知人などに対して、「自分のやましいこと(相手に知られたくないこと)」を隠そうとしてわざとらしい演技をしたものの、結局すぐに嘘が明らかになってしまった時に使います。
「嘘・隠し事」が見え透いた三文芝居でいくら相手を騙そうとしても、普通はすぐにその三文芝居の裏にある事実・本音を見抜かれてしまうものなのです。
そんな演技や嘘が見透かされて本当のことが明るみになった時に、「三文芝居がバレてしまった」という言い方をすることがあります。
「お涙頂戴の三文芝居」
「お涙頂戴の三文芝居」という言葉は、悪いことをした犯人や加害者などが、自分にもやむを得ない事情があって仕方なく悪事(犯罪)をしたのだと語って、泣き落としにかかるような時に使われる言葉です。
特に、本音ではない演技や嘘の涙であることが見え透いている「わざとらしい泣き落としの演技」に対して、「お涙頂戴の三文芝居で許されると思うな」という非難が加えられることもあります。
「詐欺師の三文芝居に騙される」
「詐欺師の三文芝居に騙される」という言葉は、特殊詐欺(振り込め詐欺・旧おれおれ詐欺)に関連するニュース報道で使われることが多くなっています。
判断能力が低下している高齢者などを騙そうとする特殊詐欺の犯人たちは、その高齢者の子供や孫になりすまして「三文芝居」を演じることが多いからです。
詐欺師の三文芝居の代表的なものとしては、「会社から預かっていた大切なお金を紛失してしまったから今すぐにお金が必要になった」とか「本当にやっていないのに電車で痴漢の疑いを掛けられてしまって、今すぐに示談金を支払わないと身柄を拘束されてしまう」とかいうものがあります。
普通の人が冷静に考えれば嘘が見え透いた三文芝居なのですが、認知力が落ちて焦っていたり子・孫が心配だったりする高齢者は騙されてしまう恐れがあります。
「三文芝居」の対義語や反対の意味
「三文芝居」の対義語や反対の意味を持つ言葉として、「一流の芝居」「役になりきる」「迫真の演技」があります。
三文芝居はわずかなお金さえ支払う価値のないつまらない芝居のことですが、大勢の人が安くないお金を支払ってでも見に行く映画・舞台などは「一流の芝居」ということになります。
「三文芝居」というのは演技をしていることが分かる大げさなセリフ回しや演技の仕方が特徴であり、三文芝居は見ている観客の方が恥ずかしくなってしまいます。
そのため、三文芝居と反対の意味を持つ言葉として「役になりきる」を上げることができます。
演技が上手い俳優は、まさに「現実(素の自分)」と「演技・役(演じている自分)」の境界線が消えて、役になりきっている状態になっているのです。
三文芝居の対義語として、演技を通して表現されたものが「現実の姿・やり取り・場面」にそっくり同じように見えるという「迫真の演技」を上げることもできます。
「三文芝居」という言葉について徹底的に解説しましたが、いかがだったでしょうか?
三文芝居の類語・言い換えには「茶番劇」「臭い芝居」などがあります。
三文芝居の対義語として「一流の芝居」「役になりきる」などを上げることができます。
「三文芝居」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にして下さい。