「曲がりなりにも」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
「曲がりなりにも」という言葉はどのような場合に使うのか、意味と用例について解説します。
目次
- 「曲がりなりにも」の意味とは?
- 「曲がりなりにも」の類語や言い換え
- 「曲がりなりにも」の使い方
- 「曲がりなりにも」を使った例文
- 「曲がりなりにも」の語源や漢字から解説
- 「曲がりなりにも」の対義語・似た反対語
「曲がりなりにも」の意味とは?
「曲がりなりにも」という言葉は、「どんなに悪かろうと、いかに不十分であろうと」を意味します。
「完全ではないが」、「どうにかこうにか」という意味で使われます。
十分なことはできていないが、あれこれと苦労して何とかなった、という意味合いが強い言葉です。
「曲がりなりにも」の類語や言い換え
- どうにかこうにか
- さしあたり
- ひとまず
- それなりに
どうにかこうにか
「どうにかこうにか」とは、「どうにか」を強調した言い方です。
「どうにか」とは、「十分ではないが最低限の条件を満たしている様」、「余裕はほとんどないが、何とか実現する様」を表しています。
例文を挙げると、「仕事をどうにかこうにか締切りに間に合わせた」といった具合に使います。
さしあたり
「さしあたり」とは、将来のことを考慮せず、今現在に限り問題に対応する事を意味します。
例として、「さしあたり支障はないが、後のことは分からない」というように使います。
ひとまず
「ひとまず」とは、「とりあえず一区切りをつける様」、「十分ではないが、概ね良いと評価する様」を表します。
例としては、「ひとまずここで休憩しよう」、「ひとまずこれで安心できる」というように使います。
それなりに
「それなりに」という言葉には、「その状態のままで変わらないこと」や、「一応それは其れとして認められること」、「それ相応」という意味があります。
完璧あるいは満足な状態ではないけれども、だからといって駄目ではない、という意味です。
「曲がりなりにも」の使い方
「曲がりなりにも」の意味は、「不完全ではあるけれども」という意味があることは先に説明しました。
言葉からも分かるように、「能力としては不足している、あるいは不十分ではあるけれども何とかやれている」状態を表します。
また、「曲がりなりにも」という言葉を使うことで、謙遜を兼ねた言い方ができます。
「曲りなりにも」は「どうにかこうにか」という意味ですが、「あちこち苦労を重ねて」といったニュアンスもあります。
「いろいろと苦労をしてどうにかこうにかできるようになった。
自分の未熟さでまだこの程度である(ので、今後ともよろしくご指導お願いします)」という意味も含めて使います。
「曲がりなりにも」を使った例文
- 例文1「学校では落ちこぼれも同然だったが、曲がりなりにも卒業できた」
- 例文2「仕事を独立して、曲がりなりにも食べていけるようになった」
- 例文3「仕事は楽しいことばかりではなかったが、曲がりなりにも30年会社を勤めてきた」
- 例文4「自分も曲がりなりにも一介の作家である」
例文1「学校では落ちこぼれも同然だったが、曲がりなりにも卒業できた」
学校では成績が悪く、卒業するにもギリギリの状態であったことを「曲がりなりにも」を使うことで表現しています。
例文2「仕事を独立して、曲がりなりにも食べていけるようになった」
この例文は、「能力的にはまだまだ不十分」ではあるけれども、何とか一人前になれたことへの謙遜の意味が込められています。
例文3「仕事は楽しいことばかりではなかったが、曲がりなりにも30年会社を勤めてきた」
文脈によっても様々に意味は取れますが、例文では、会社員として華々しい業績を納めたわけではないが、それでも一社員として30年勤めて来たというニュアンスが含まれています。
例文4「自分も曲がりなりにも一介の作家である」
この場合の例文は、作家としてまだまだ実力不足ではあるが、ある程度の実績はあるという意味で「曲がりなりにも」という言葉を使っています。
「曲がりなりにも」の語源や漢字から解説
「曲がり形(なり)にも」と書かれることもあります。
つまり、「曲がった形でも」という意味から生じた言い回しであり、「たとえ曲がった形でも」、「たとえ不完全な形だったとしても」、というのがそもそもの意味です。
「曲がりなりにも」の対義語・似た反対語
正式な対義語や反対語は辞書に載っていませんが、「曲がりなりにも」という言葉に含まれる意味から、似たような対義語や反対語を考えることはできます。
「曲がりなりにも」という言葉には、能力や状態が不完全、不十分ではあるが、それなりにできている状態を意味することを踏まえ、反対に物事や状態が完全、完璧であることを意味する言葉を考えていきます。
結果、「曲がりなりにも」の考えられうる対義語・反対語は以下のとおりです。
- 「申し分なく」
- 「非の打ちどころのない」
- 「抜けのない」
- 「抜け目がない」
- 「一点の陰りもない」
- 「文句のつけようのない」
- 「万全の」
- 「パーフェクトな」
- 「完全無欠の」
「申し分なく」
「申し分」とは、不満に思う点や非難すべき点、欠点を意味します。
「申し分」が「ない」、つまり非難すべき点がない、ということになります。
「曲がりなりにも」とは、「不十分・不完全ではあるけれども」という意味でした。
つまり不十分である状態の反対は、十分である状態だといえます。
よって、「曲がりなりにも」に似た反対語は、「申し分のない、申し分なく」となります。
例文としては、「彼の仕事に対する評価は申し分ない」というように使います。
「非の打ちどころのない」
「非の打ちどころのない」とは、少しの欠点も無く、完璧で、非難するところがないことを言います。
例文としては、「彼の人柄は非の打ちどころがない」といった具合で使います。
「抜けのない」
ここで言う「抜け」とは、あるべきものがないことをあらわします。
「抜けのない」であるべきものがある状態であり、十分であることを表しているので、「曲りなりにも」の反対の意味になると言えます。
「抜け目がない」とも言います。
「抜け目がない」
「抜け目がない」とは、注意深く、やることに抜けたところがない様を言います。
転じて、自分の利益が見込めそうであれば、その機会を見逃さないこと、利口であることを意味します。
例文としては、「万事に抜け目がない」といった具合にこの言葉を使います。
「一点の陰りもない」
陰りとは、よくない兆候を意味します。
良くない兆候が一点もないということから、物事は完璧な状態であることを表します。
用例として、「空は一点の陰りもないほど快晴だった」のように使います。
「文句のつけようのない」
非難すべき点や欠点がないことを意味します。
不十分なことがない状況であることから、「曲がりなりにも」の反対の意味として使えます。
用例として、「私たちは文句のつけようのないサービスに感心した」というように使います。
「万全の」
「曲がりなりにも」という言葉が、不十分な状態ながら何とか物事を進めた状態であることから、その反対の意味は、不足もなく十分に準備が整えられた状態であることが考えられます。
「万全」とは、少しの手落ちもないことで、極めて完全である様を意味することから、「曲がりなりにも」の反対の言葉として使えます。
用例としては、「万全に期する」、「万全の注意を払う」というように使います。
「パーフェクトな」
パーフェクトとは英語で完全であること、完璧であることを意味します。
非難すべき点がない様を表し、「曲りなりにも」の反対の意味を持つ言葉として使えます。
例文として、「パーフェクトな出来」、「常にパーフェクトを心がける」のように使われます。
「完全無欠の」
「完全無欠」とは、欠点や不足がないこと、非の打ちどころがないことを意味します。
用例として、「完全無欠の人格者」というように使います。
以上、「曲がりなりにも」の言葉の意味、類語、例文や反対語について解説しました。
「曲がりなりにも」という言葉一つ取ってみても、様々な類語や反対語として使える言葉があることが分かりました。
様々な表現が可能なので、これを機に語彙力をつけてみましょう。