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「払暁」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!

日本語には、色々な言葉があります。

日常的に使う言葉もありますし、小説などでしか目にすることがない単語もあります。

比喩的な表現で物事を例えることわざもありますし、そえぞれの言葉の意味を知ると、ますます日本語の奥深さを理解することができると思います。

払暁

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「払暁」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!>


目次

  • 「払暁」の意味とは?
  • 「払暁」の類語や言い換え
  • 「払暁」の使い方
  • 「払暁」を使った例文
  • 「払暁」の対義語
  • 「払暁」を使った言葉


「払暁」の意味とは?

「払暁」の意味とは?

言葉には色々な種類があるとともに、社会人になってから初めて使うような専門用語や難しい表現の言葉もあります。

学生時代では中々使う機会がない言葉です。

しかし、ビジネスの世界でも、日常の商談や会議、メールで使うことのない言葉も少なくありません。

「払暁」などの言葉は、まさにそうではないかと思います。

「払暁そんな言葉って、あったっけ?」と首を傾げる人も結構いるのではないでしょうか? 「払暁」という言葉は、「空が白みはじめた頃のこと」まだは「少し暗い明け方」「もう少しで夜が明けきろうとする時間帯」「夜明け」のことを指しています。

「払暁」で使わている漢字は、「払」「暁?」

そのうち、「払」という文字には、「払いのける」「払う」「払拭(ふっしょく)する」という意味があります。

「部屋の埃(ほこり)やゴミを払いのけて、きれいさっぱりする。」といったように掃除する時に使ったり、邪魔な存在を取り除く時に使うことがあります。

また、「暁」「あかつき」とも読みますが、この漢字の意味は、「夜明け」「明け方」「夜半から夜の明ける時間帯」を指しています。

この2つの言葉から、「払暁」という言葉では、「夜明けを払いのける」から「空が白みはじめた頃のこと」というような解釈ができるようになったと考えられます。

「払暁」の他に、「日の出のすぐ前」「空が薄明るい(薄暗い)時のこと」である「薄明(はくめい)」という言葉もあります。

「払暁」にないしは、「薄明」は、大気中の塵による光の散乱により、発生する現象であり、英語のトワイライト“twilight”という単語も、この薄明のことを意味しています。

特に日の出前における言葉は、「払暁」の他にも、実に多くの表現があり、「黎明(れいめい)」や、「彼者誰(かわたれ)」「明け(あけ)」「夜明け(よあけ)」「暁(あかつき)」「東雲(しののめ)」「曙(あけぼの)」などが挙げられます。

これだけ多くの同義的な言葉があることは、「明け方」という時間帯の頃における人の感覚や精神的な事象など、一種独特な考え方や受け止め方があるからかもしれません。



「払暁」の類語や言い換え

「払暁」の類語や言い換え

「払暁」の類義語としては、次のような言葉があります。

  • 「夜明け」
  • 「有明」
  • 「白白明け」

「夜明け」

「夜明け」とは、まさに「夜が明けて、日が昇ろうとしている時間帯のこと」を言っていますね。

「夜明けから、一生懸命に新聞配達のアルバイトをしている息子。」

「夜明けの頃にジョギングすることは、空気もきれいで健康的。」

このような表現ができるでしょう。

「有明」

「有明」「払暁」と同じ意味を持つ言葉として挙げることができます。

「陰暦の十六日以後で、空にまだ月があるのに夜が明けること」「そのころの夜明け」の意味がありますが、単純に、「夜明け」そのものを指していることもあります。

しかし、「有明」という言葉は、地名や駅名で使われることも多いです。

「有明町」「有明海」「有明駅」という名称がありますが、この名称にも「夜明け」という意味を込めて命名されているのでしょうか。

「白白明け」

「白白明け」(しらじらあけ)も、似たような意味合いを持つ言葉です。

「夜が明けようとして、空が次第に白くなり始めること」

または、「そのころ」を指しています。

日常会話で使うことは、まずありませんが、〈谷崎・春琴抄〉でも 「夜の白白明けに風に吹き曝されながら」という一節があるように、小説で使われる表現ではないでしょうか?

「払暁」の使い方

「払暁」の使い方

「払暁」の使い方を考えると、この言葉も、日常会話の中で使うことは、あまり多くはないように思えます。

色々と「払暁」の使い方を文例的に見ると、

「払暁の乳白色が流れこんできた」「払暁の空気のなかで艶のない顔色を忙しそうに靴や下駄で歩いている」「払暁の薄い朱鷺色を背にうけて」「払暁に息をひきとったという」「払暁に表門の前に来た」「払暁から出かけた」 というような文例が目につきます。

このような例文を見ると、文学的な用法なのかもしれません。



「払暁」を使った例文

「払暁」を使った例文

「払暁」を使った例文をさらに見ていくと、やはり小説などで多用されていることが理解できます。

  • 「払暁」の例文1
  • 「払暁」の例文2
  • 「払暁」の例文3

「払暁」の例文1

「急いで時計を見ると払暁の四時だった。これじゃあ、とても競争が出来ない」



「払暁の四時」とは、空が白くなり始める夜明けのことが理解できます。

「払暁」の例文2

「匹産落し、とうとう払暁まで掛って九匹を取上げたと、猫のお産の話・・・」



9匹を取り上げるまでに、夜明けまで必要としたのでしょうか。

この時も「払暁」という言葉を使うことによって、「明け方まで」という時間的な観念が伝わってくるようです。

「払暁」の例文3

「払暁の屋敷町は人の歩きもない。」

「夜明け」の街は、人の気配もなく静まりかえっている様が分かります。

「払暁」の対義語

「払暁」の対義語

夜明の反対の言葉となると、「日の入り」を指すことになるでしょう。

「黄昏(たそがれ)」「夕暮れ(ゆうぐれ)」「日暮れ(ひぐれ)」「薄暮(はくぼ)」などが、「払暁」の対義語として挙げらます。

これらの言葉を聞くと、日が沈む黄金色の空を連想することができないでしょうか?

「払暁」を使った言葉

「払暁」を使った言葉

「払暁」は、日常会話やビジネス上でのコミュケーション用語して活用するシーンはほとんどないように思えます。

しかし、この単語に他の言葉を組み合わせる表現を小説でも見ることがあります。

  • 「払暁戦」
  • 「払暁奇襲」

「払暁戦」

「だから、夜討といっても、実質的には朝駆けと同じで、つまりは払暁戦なのである」

「自分たちのような戦いくさの素人でさえも夜襲戦や払暁戦に備えようと心構えているというのに、肝腎の彰義隊はいったいなにを考えているのか。」

この2つの文例では、戦の時の表現ですが、夜明けの時間帯での戦いを意味しています。

「払暁奇襲」

「戦」と言う意味では、「払暁奇襲」も同様でしょう。

敵が寝静まっている「夜明」の頃に奇襲をかけるということです。

icon まとめ

「払暁戦」「払暁奇襲」というような「払暁」の使い方を見ると、 「払暁」の用法が「戦(いくさ)」に限定されてしまうような言葉ではないかと勘違いされそうな気もします。

しかし、決してそうではありません。

「夜明け」は、1日の時間帯の中では、特別な意味があると思うからです。

「戦(いくさ)」に関する使われ方では、まだ、眠気はすっきりしない時間帯に奇襲をかけるといった内容になっていますが、他には、これからの始まりを表している素晴らしい意味合いも持っているのではないでしょうか?

「払暁」と同じ言葉で「黎明(れいめい)」があります。

よく「黎明期」という用語で使われる言葉ですが、これには、「夜明けにあたる時期」という意味の他に、「新しい文化・時代などが始まろうとする時期」ということも意味しています。

言い換えると、これから「希望が膨らむ新時代」となるのではないかと思うのです。

そのように考えると、「払暁」という言葉にも、特別な思いを持つようになってくる感じがしてなりません。