「はばかられる」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
日頃の会話の中で、色々な人と会話をしていると、「ははかられる」という言葉を耳にしたことが何度かあるかと思います。
普段の会話では、あまりこのような言葉を使うこともないという人もいるかもしれません。
もしかすると、20代の若い世代では、この「はばかられる」を知らないかもしれません。
この言葉には、どのような意味があるのでしょうか?
年配の方でも、その意味が何となく知っているようでも、正しい使い方を理解する人は意外と少ないかもしれません。
目次
- 「はばかられる」の意味とは?
- 「はばかられる」の類語や言い換え
- 「はばかられる」の使い方
- 「はばかられる」を使った例文
- 「はばかられる」を使った言葉
- 「はばかられる」の対義語
「はばかられる」の意味とは?
「はばかられる」は、何か行動をすることや発言の時にためらわれることを意味しています。
「はばかられる」を使う場合は、通常は目上の人、社内では、先輩や上司に対して使う事が多くなります。
例えば、職場などで先輩や上司と会話をする中で、謙遜したり、何かに遠慮しなければならない時に使うことが多いです。
一定の年齢以上の人になると、時々「はばかれる」を使う人がいますが、「はばかられる」が正しい表現となります。
この言葉は日本語の他動詞の形態となっていますが、「はばかられる」は、ラ行五段活用の自動詞「はばかる」の未然形の「はばから」に、助動詞の「れる」が付いた形のために「はばかられる」となるのです。
意味としては。
「はばかる」と同じ意味の語句です。
このようなことから、「遠慮する」、「ためらう」、「気兼ねする」と同じ意味で使うことが多いのですが、自分の存在を目立たせずに、相手を立てる意味でも使うようなニュアンスがあります。
- 「はばかられる」の漢字や読み方
「はばかられる」の漢字や読み方
「はばかられる」はひらがなでの表記なので、読み方に問題はありませんが、漢字表記では、「憚られる」と書きます。
「はばかられる」の類語や言い換え
「はばかられる」と似たような言葉で例えるなら、次のような言葉が挙げられます。
- 「躊躇する」(ちゅうちょする)
- 「気兼ねする」
- 「遠慮する」
「躊躇する」(ちゅうちょする)
「躊躇する」は、「ためらうこと」、「ぐずぐずすること」という意味になります。
「躊躇することなく行う」や「土壇場に来て躊躇する」といったような使われ方をします。
「彼は、いざ大舞台になると、躊躇して大きな力を発揮することができない」と言うような場合にも使われます。
ためらうことは、奥ゆかしく、相手を立てる「はばかれる」と同じ意味を持っていますが、どこか消極的でマイナス的な要素も含んでいるかもしれません。
「気兼ねする」
「気兼ねする」も、「はばかられる」と近い意味で使われることがあります。
意味としては、「他人の思わくなどに気をつかうこと」や「遠慮すること」となります。
「あの人は、隣り近所にすごく気兼ねするタチだ」
こんなふうに使うことがありますが、人に迷惑をかけてはいけないという気遣いから、配慮した行動をするような時に使うことが多いでしょう。
配慮をしてくれるという意味です。
とてもいい意味にも取れるのですが、あまり気を遣いすぎて、気持ちが空回りしている時でも使われることがありますね。
「遠慮する」
「遠慮する」は、「はばかられる」と同じ意味になりますが、日常会話の中では、この表現の方がよく使われる語句でしょう。
意味としては、「人に対して、言葉や行動を慎み控えること」、「辞退すること」、「ある場所から引き下がること」などを指しています。
「せっかくですが、出席を遠慮します」
「君は同席することを遠慮してくれないか」
「遠慮なくいただきます」
「このフロアでは喫煙をご遠慮願います」
このように身近な生活の中でも会話から、ビジネスのシーンでも使う頻度の高い言葉の1つです。
「はばかられる」の使い方
「はばかられる」は、相手に対して遠慮しながらの対応となるので、とても謙遜した行為に映ります。
相手を立てなければならない状況で使うことが多いです。
「はばかられる」を使った例文
「はばかられる」の例文を見ていくことにします。
- 「はばかられる」の例文1
- 「はばかられる」の例文2
- 「はばかられる」の例文3
「はばかられる」の例文1
「初心者の私が、経験豊富なベテランの方々に、こんなことを言うのは、はばかられます」
どうしても、何か発言をしなくてはならない時に、相手が自分よりキャリア的に上の人であったなら、このような前置きをして説明することがあります。
「はばかられる」の例文2
「こんな状況において、このような話をしても良いのか、はばかられますが」
この時も、やはり、自分の発言が聞いている人に失礼にならないように、前置きをしています。
「はばかられる」の例文3
「トラブルで大変な時期に、このような相談をするのは、はばかられますが」
非常時という環境下において、人が説明をしたり、コメントをすることは、とてにも失礼になったり、非常識と思われることがあります。
しかし、どうしても意見を述べなければならないということもあります。
そのような時に、「はばかかられる」という表現を使うことになるでしょう。
「はばかられる」を使った言葉
「はばかられる」を使った言葉をもう少し見ていくことにします。
- 「人目をはばからず」
- 「担当することは、はばかられます」
- 「申し上げるのは、はばかられる」
「人目をはばからず」
「人目をはばからず大きい声で話をする」
周りの人の状況や気持ちを察することもなく、マイペースで発言してしまう時に使う表現です。
自分優先の性格をしている人は、このようなことで、発言をすることが多いのですが、少しはTPOを考えてほしいですね。
「担当することは、はばかられます」
「この商談はとても大きく数年に1度あるかないかのものです。部長を差し置いて経験の浅い私が担当するのは、はばかられます」
この時に使う表現は、目上の人を立てる場合の用法です。
このように、謙遜した使い方は「はばかられる」の典型的な用法ではないてしょうか?
「申し上げるのは、はばかられる」
「私の立場からそのような意見を申し上げるのは、はばかるのですが」
このケースでも、自分の立場や力量を自覚した発言となっています。
これも相手を立てる意味で、言葉を選んでいる様が分かることでしょう。
「はばかられる」の対義語
「はばかられる」は、「遠慮する」ということ、この言葉の対義語としては、「気兼ねなく」という言葉が当てはまるでしょう。
「他人を気遣い遠慮するさま」のことであり、まさに遠慮することなく、「堂々と発言をしたり、行動すること」を言っています。
「お気兼ねなくお立ち寄り下さい」
などの言い回しで用いられることがあります。
しかし、このような表現は、形式的な言葉で使われることがありますので、言葉の意味をそのまま鵜呑みにして受けることは、失礼に当ることのありますので、注意することです。
「はばかられる」は、「満足頂いているお客様にさらにご提案をするのは、はばかられるのです」
「この時に、こんなお願いするのは、はばかられますが、」といったように、相手を立てるという意味では、非常に多くの場面で使うことができます。
特にビジネスで取引先との会話の中では、用法を正しく理解していれば、これほど重宝する言葉はないかもしれません。
最近のビジネスのシーンでは、自分の考えや思いをしっかりと主張する風潮があります。
しかし、そのことは自分の考えを優先させしまうことと誤解している恐れもあります。
日本の文化では、謙遜しながら、相手を立てるという文化があります。
そのことを忘れすに、このような言葉を遣いながら、円滑なコミュニケーションを図ることも、ビジネススキルの大きな武器となるはずです。
「はばかかられる」の他にも、似たような使い方の言葉が数多くありますので、ボキャブラリーを増やしていくことが望ましいです。