「捻出」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語は外国人が勉強する言葉の中で、一番難しい言語の1つと言われることがあります。
それは、色々な文法の難しさに加え、古いことわざや比喩的な表現の言葉もあるからかもしれません。
日常会話で使う言葉やビシネスの中で使う言葉の中にも、色々と理解が難しい言葉が使われることがあるかと思うと、頻繁に使う言葉もあります。
「捻出」という言葉なども、「〜を捻出する」や「〜を捻出して〜する」といった表現を使うことが多いのですが、その詳しい意味を理解せずに使っている人も少なくありません。
目次
- 「捻出」の意味とは?
- 「捻出」の類語や言い換え
- 「捻出」の使い方
- 「捻出」を使った例文
- 「捻出」を使った言葉を解釈
- 「捻出」の対義語や似た対義語
「捻出」の意味とは?
「ごめん。急にお金が必要になったので、どうにかして捻出してくれないか?」
こんな会話を耳にしたことがあるかもしれません。
このような話は、身近な日常生活の中でも、仕事をして商談や打ち合わせの最中でも、出てくる会話かもしれません。
この「捻出」とは、どのような意味を持っているのでしょうか?
「捻出」とは、「知恵を絞って考えを捻り出すこと」や「厳しい中でも、やりくり算段して、何とか金銭や時間を作り出すこと」を意味しています。
つまり、「頭を使って(フル回転させて)考え出すこと」、「何らかの目的のために必要な金銭や、何かをするための時間をどうにかして、やりくりして生み出すこと」を表す言葉と言えます。
厳しい環境の中でも、無理矢理にでも、何か必要なことを作ることになるのですが、「捻出」の「捻」は「ひねる」ことです。
「ない頭をひねって、グッドアイデアを思いついた」
などの言葉もあるくらいなので、「捻出」とは、相当の努力と構想でないものを力づくで作り出す、生み出すようなイメージがあります。
- 「捻出」の読み方
「捻出」の読み方
「捻出」は「ねんしゅつ」という読み方になります。
「捻出」の類語や言い換え
この言葉の類義語としては、以下の言葉や表現で言い換えることができるでしょう。
- 「考案」
- 「編みだす」
- 「工面」
「考案」
「考案」という言葉を聞くと、「捻出」とは、一見異なる意味の言葉と思えるかもしれません。
「考案」の言葉は、「工夫をしながら考え出す」という意味を持っています。
普段の会話やビジネスのコミュニケーションの中でも、ごく普通に使われる言葉なので、文書やメールなどの中でもよく目にするのではないでしょうか?
「工夫して考え出す」という意味合いからすると、何かクリエイティブ的なジャンルの仕事を連想しますが、「工夫して作る」という点では、「捻出する」という使われ方に近いのです。
「新たなプランを考案することが、喫緊の課題だ」
「彼が考案した製品は、我が社の事業を大きく飛躍させてくれるだろう」
このように使われるケースがあります。
「編みだす」
「編み出す」という言葉にも、頭を悩ましながら、色々な考えをまとめ挙げる苦悩が読み取れるかもしれません。
「編み出す」と意味には、「試行錯誤の末に思いつく」という内容があります。
考えや、計画、説明理論、あるいは新たな思想、主義などです。
「試行錯誤の上、教授は歴史の残るであろう世紀の大発明をした」
また、「彼は、必死のトレーニングの末に、誰も真似できないような技を編み出したのです」
このように前人未踏とも言える大きく新しい発見や、発明、あるいは技などを生み出すというような時に使われる言葉でしょう。
「工面」
「工面」も「捻出」と同じケースで使われる言葉として挙げることができます。
時に「工面」は、金銭的なことで使うケースが多いように思われます。
言葉の意味としては、「工夫して必要な金銭や品物を集めること」や「算段すること」となります。
「捻出」もお金を算段する時に使われることがありますが、同じ用途で使うことになります。
但し、2つの言葉には、若干、ニュアンスが異なっており。
「工面」=「費用を工面して。海外旅行をする」という文例を見ると、「費用を工夫して集めて、海外旅行をする」ということになりますが、「捻出」=「給料日前でお金が乏しく、費用を捻出してイベントに参加した」という表現では、「給料日前で金欠だったが、何とか費用を出してイベントに参加した」となってきます。
「工面」とは、「必要な金銭をそろえるために工夫して集めること」で、「捻出」とは「何とかやりくりをして無理矢理に費用をそろえること」を表すという違った意味合いを持つことになります。
「捻出」の使い方
「捻出」からは、苦労して「ひねり出す」という意味合いが色濃くでているので、次項の例文を見ると、その使い方がよく理解できることと思います。
「捻出」を使った例文
- 「捻出」を使った例文1
- 「捻出」を使った例文2
- 「捻出」を使った例文3
- 「捻出」を使った例文4
「捻出」を使った例文1
「友人からどうしても相談したいことがあるとの連絡があったために、仕事の合間に時間を捻出して会うことにしたのです」
このような例では、忙しい仕事で、自由にできる時間が限られていたのですが、友人のために、何と菜時間をひねり出した様がうかがえます。
「捻出」を使った例文2
「海外の大学に留学するために、何とか費用を捻出した」
これも、学費を作り出すために、かなり苦労した状態が見て取れます。
「捻出」を使った例文3
「仕事の後に資格の勉強をするために必要な時間を捻出して、何とか合格することができた」
現代社会では、再雇用や転職する際には、資格を持っていることが、大きな武器となりますが、そのために必死になって勉強する時間を作り出しています。
「捻出」を使った例文4
「ライバル店との差別化を図るために、新メニュー開発のためのアイディアを捻出する」
これも競合他社との競争に打ち勝つために、衆知を集めてアイデアをひねり出した苦労が伝わってきます。
「捻出」を使った言葉を解釈
「捻出」を使った言葉には、次のような表現がありますが、どにょうな解釈ができるのでしょうか?
- 「時間を捻出する」
- 「資金を捻出する」
「時間を捻出する」
時間は誰にでも平等にある財産と言えるでしょう。
この時間をいかに有効に使うかで、結果が大きく異なってくることがありますが、忙しい現代社会の中で、物事を成功させるためには、集中して取り組める時間を作り出すことが重要です。
そのような時に、この表現を使うことになるでしょう。
「資金を捻出する」
お金も物事を行う時に必要なものとなります。
そのような資金を作る時も「捻出する」という言葉を使うことになります。
「捻出」の対義語や似た対義語
「捻出」は、厳しい困難な環境下で、頭をフル回転させて、時間やお金を作り出すことでした。
そこには、並々ならぬ人の絶ゆまぬ努力や熱意、あるいは独創的な考えなどが結集して、素晴らしいアウトプットが出てくるのです。
しかし、中には、そのような血のにじむような努力をしなくでも、「湧き出る」ようにお金が生み出されたり、豊富なアイデアが生まれてくることもあるかもしれません。
「湧き出る」とは、美しい湧水のように、こんこんを湧き出ることを意味していますが、「捻出」の反対語をして扱うことができる言葉でしょう。
「捻出する」という言葉の意味を知ることにより。
普段、何気なく使っている言葉でも、そこには普通の言動では、やりつくすことができないものが生まれてくるような気がしてなりません。
現代のビジネス社会では、業務効率化や無理無駄を排して、大きな成果を出すことが強く求められるちょうになりました。
無駄な残業をして、ダラダラと働くのではなく、限られた時間と資金、人的リソースの最大限に活用して、最大の利益を生み出すことが最優先課題でもあります。
そのような意味で、時間・資金を捻出することは、ビジネスマンの必要不可欠な姿勢とも言えるのだと思うのです。