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「付和雷同」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!

「付和雷同」と聞いて、すんなりと意味がわかるでしょうか?聞いたことはあるけど、ちゃんとした意味ってわからない。

そんな方も多いのではないでしょうか。

付和とは?雷同とは?分解してもよくわからないですね。

では、これから「付和雷同」の意味や読み、類語や使い方について以下で紹介していきます。

付和雷同

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「付和雷同」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!>


目次

  • 「付和雷同」の意味とは?
  • 「付和雷同」の類語や言い換え
  • 「付和雷同」の使い方
  • 「付和雷同」を使った例文
  • 「付和雷同」と鳥について解釈
  • 「付和雷同」の対義語


「付和雷同」の意味とは?

「付和雷同」の意味とは?

「付和雷同」とは、自分にしっかりとした意見や一定の見識がなく、他人の言動や他の説にはっきりと言い表せるような理由もなく賛成することを意味します。

なんとなく多数派の意見や権力のある方へとおもねること、とくにこだわりのないシーンでは多くの方がしてしまうのではないでしょうか。

「付和」とは、他人の意見に従い相槌を打ち、わけもなく他の説に賛同することを言います。

「雷同」とは、自分に定まった意見がないため、わけもなく他の説に同意することを言います。

また雷同とは、雷の音が響くと、ものが同時にこの音の響きに応ずることを意味しています。

  • 「付和雷同」の漢字

「付和雷同」の漢字

この場合の「付」は、「附」と書くこともできます。

「附」にはくっつく、という意味があります。

また、「和」には調子を合わせる、という意味があり、ここから「付和(附和)」の意味が生まれていると考えられます。

「雷」にはうるさく響くもの、爆発力のあるものなどさまざまな意味がありますが、ここでは大きな声のたとえ、と取るとわかりやすいでしょう。

大きいというのは、単純にボリュームということもできますし、権威のあるものの声、とも取れます。

その大きな声、雷に同調する、右に同じくと思うことが「同」の字の表すところでしょう。

「付和」「雷同」も、自分の意見、意思を持たず、理由なくだれかの説に賛同してしまう、という意味でしたね。

「雷同付和」と言っても間違いにはなりませんので、「付和」「雷同」という二つの熟語があることを押さえておけばベターです。



「付和雷同」の類語や言い換え

「付和雷同」の類語や言い換え

「付和雷同」は、意味を知ってしまえばむずかしいことばではないのですが、日常に取り入れるとなると難易度が高くなってしまいますね。

ほかに同じような意味のことば、類語や言い換えのきくことばを紹介しますので、参考にしてください。

  • 「長いものには巻かれよ」【ながいものにはまかれよ】
  • 「尻馬に乗る」【しりうまにのる】
  • 「軽挙妄動」【けいきょもうどう】

「長いものには巻かれよ」【ながいものにはまかれよ】

これは、目上に当たる人や、権力、権威、勢力の強い人の意見に逆らわず、争わないでいて、その人に従っているほうが得策である、という意味です。

会社や組織など、社会の一員として生活や仕事をするなかで、こういう場面は多々あるでしょう。

「徳田部長の言うことはことごとく性に合わないが、長いものには巻かれよの精神でやり過ごしている」

「長いものには巻かれよと思っているのか知らないが、田中はいつも佐竹の言うことに逆らわないで、相槌を打っている」

このように、意識的、無意識的にかかわらず、処世術として迎合することを言います。

「尻馬に乗る」【しりうまにのる】

これは、大した考えもなく軽はずみに他人に同調することを言います。

二人乗りのバイクに乗って、運転もしていないくせに威勢だけはよく、リーダーに同乗して囃し立てる、そんなタイプの人をこのように言います。

「山本の彼女はいつも、尻馬に乗って騒いでいるだけだ」

「みんながあまりにこのリップクリームを褒めるものだから、尻馬に乗って買ってしまった」

このように、自分の意見を持たず、なんとなく他人の言動に乗ってしまっている状態を表すときに使います。

「軽挙妄動」【けいきょもうどう】

深く考えず、軽はずみで向こう見ずな行動を言います。

「あの男はいいかげんに軽挙妄動を慎むべきだ」

ここでは、深く考えない点は同じですが、他人の意見に流される、という意味は含まれていません。

しかし、考えなしの軽はずみが言動というのは、多くがだれかの「尻馬に乗っている」状態ではないか、とも考えられますので、類語として紹介しました。

「付和雷同」の使い方

「付和雷同」の使い方

「付和雷同」は、「付和雷同する」または「付和雷同である」というような使い方をします。

また、「付和雷同的」というようにも使うことができます。

「一長一短」「一期一会」のようにだれでもすぐに会話などに取り入れられることばではないかもしれませんが、例文を見たり、メールなどの一文に使ってみるうちに、どういうシーンでなら使いやすいか、すこしずつつかめてくるでしょう。

以下で例文を見ていきましょう。



「付和雷同」を使った例文

「付和雷同」を使った例文

「園部は部下にはえらぶっているが、課長の前ですら低姿勢で付和雷同している」

「決して他人に付和雷同せず、わが道を貫く父の姿には憧れがある」

「付和雷同的に雑誌を切り取ってきたようなファッションの女性ばかりだ」

以上で、「付和雷同する」の用法や、「付和雷同しない」という使い方、「付和雷同的」と三つの使い方を紹介しました。

「付和雷同」と鳥について解釈

「付和雷同」と鳥について解釈

「烏合の衆」ということばがあります。

規律や統制なく、ただ寄り集まっただけの群れのことを言います。

ここでいう「烏」というのは、「トリ」ではなく、「カラス」の字を書きますね。

カラスばかり寄り集まってもただうるさいだけだ、というたとえから来ています。

カラスがどうして集まるのかはわかりませんが、「烏合の衆」は、「付和雷同」的に寄り集まった、ということもできるでしょう。

また、鳥や魚が群れになり、群れのままで動くようすが「付和雷同」と似ているのではないか、という質問に対し、7割以上の人が似ていると思う、と答えた印象的なアンケートもあります。

「付和雷同」の意味自体と鳥とは関係性が認められませんが、鳥の群れるさまや、鳥を使ったたとえのなかには、「付和雷同」と関連性を感じるものがいくつかあるようです。

「付和雷同」の対義語

「付和雷同」の対義語

ここまで「付和雷同」について見てきましたが、ことばを覚えたりうまく使いこなしたいときには、反対の意味を持つことば、対義語を押さえておくとより理解が深まりますよ。

すこしですが紹介しておきますので、ぜひ覚えておいてください。

  • 「独立独歩」【どくりつどくほ】
  • 「和而不同」【わじふどう】

「独立独歩」【どくりつどくほ】

「独立独歩」とは、他人に頼ることなく、自分が正しいと信じることを、自分の力で行うことを意味します。

「起業したのは、独立独歩で自分の力を試したいという気持ちもあった」 だれかに流されることなく、自らの信じるところを突き進む、そんなことばですね。

「和而不同」【わじふどう】

「和而不同」は、他人と協力することはあっても、むやみやたらに態度や意見を同じくしないことを言います。

運動会はみんなで協力して盛りあげるものですが、気を回しすぎて、どこの組も頑張れ、なんていうのはつまらないですね。

やはり自分が所属している組や、自分がここぞ、と大事に思っている組の勝利を願って応援するものです。

「彼女は和而不同だ」というと、たとえば別の組に彼氏がいても、この日は自分の組を応援する、と決めていれば、そのことに注力するような人を言います。

運動会レベルの話ですと、どこを応援したっていいじゃないか、となりますが、ことが大きければ大きいほど、優柔不断な態度は人に不信感を与えますね。

「尻馬に乗らない」「付和雷同でない」人の方が、本当の信頼を得ることができるのではないでしょうか。

icon まとめ

「付和雷同」とは、意見や主張を持たず、理由もなく他人の考えなどに従ってしまうことでした。

そのほか、「付和雷同」の類語や対義語も見てきましたね。

さまざまなものごとを正確に知り、自らの頭で考え、だれかの意見におもねることなく意志を貫く。

そんな、「付和雷同しない」人でありたいものですね!