「あきまへん」の意味とは?関西の方言?使い方や例文を紹介!
してはいけない」とか「だめ」とかいった、相手の行動を規制する方向で使う言葉には、一定の気配りが大切です。
「どかんかい、このぼけ」では、けんかをうっているのも同然です。
「そこあけてもろても、よろしゅおすか」と来られたら、すぐにでも動きそうです。
目次
- 「あきまへん」の意味とは?
- 「あきまへん」の言い換え
- 「あきまへん」の言葉の使い方
- 「あきまへん」の例文
- 「あきまへん」の語源
- 「あきまへん」は何処の方言?
「あきまへん」の意味とは?
だめです。
だめ。
それをしては、ならない(いけない)。
という、禁止や不可を意味する「京ことば」と言われる言葉の一つです。
また、物事がうまく運ばない、うまくいかない様子やそのこと自体も指します。
「あきまへん」の言い換え
- 「あかん」【あかん】
- 「あかしまへん」【あかしまへん】
「あかん」【あかん】
よく耳にする関西圏を代表する言葉です。
禁止、不可、不景気、行き詰まりなど、多様に使われますが、本来は、「あきまへん」の意味と同様で、「だめ」「してはならない」「物事がうまくいかない」「うまく事が運ばない」といったことを表す言葉です。
しかし、使用範囲は広く、いろんな場面で使うことが出来ます。
関西圏では有名な、日常的な挨拶代わりの「どないでっかあ」とか「もうかりまっかあ」といった、商売や仕事の状況を尋ねる常套句に対する悪い状況の場合が「あかんなあ」や「あきまへんなあ」が、決まり文句です。
良い場合は「ぼちぼちでんなあ」と答えます。
いずれも挨拶ですから、細かに追求はしません。
また、語尾に「あかん」を付けて、例えば「見たら(あかん)?」と、語尾を上げるように発音すると「見てもいいか」という「許可を求める」意味になります。
他にも「だめじゃないか」の意味で「あかんやん」とか、「だめらしいよ」の「あかんて」など、「あかん」は、ある意味、万能の言葉です。
「あかしまへん」【あかしまへん】
同じ意味を表し、同じように使えることばに「あかしまへん」という、これも同じ「京ことば」があります。
「あかん」から派生して、できた言葉です。
「あらへん」(ありません)が「あらしまへん」へ、「かまへん」(かまわない)が「かましまへん」へなどと、変化する京ことばの例に習って、同じように変化した言葉です。
意味は、「あかん」と同じように使われています。
「あきまへん」の言葉の使い方
同じ意味であったように「あきまへん」は、「あかん」の丁寧語です。
従って、使い方も同じです。
ただし、「です」を伴う場合に「だめ」という言葉は、「だめです」と、そのままつなげますが、「あきまへんです」とは、言いません。
「です」を伴う場合は、「あきまへんのです」と、助詞の「の」を送ることが必要です。
また、京ことばらしく「あきまへんぇ」と、小さく「ぇ」を付けることもあります。
「あきまへん」の例文
- 「あきまへん」の例文1
- 「あきまへん」の例文2
「あきまへん」の例文1
なんぼ近うても、狭い道を走るのは(あきまへん)。今に、大きな事故になりますよって、やめとくれやす。
「あきまへん」の例文2
「なんぼ(あきまへん)言われても、行きたいわ」
「なんぎやなあ、最前から(あきまへん)言うてるやないか」
「こんなんやったら、せなんだらよかった」
「あきまへん」の語源
決着がつかないという意味の「埒が明かない」が基になって生まれた「埒が明かん」から省略された言葉が「あかん」という言葉の語源です。
その言葉に、京ことばの特徴である「〜へん」がつくことで、さらに変化し「あきまへん」となりました。
「あきまへん」は何処の方言?
一口に同じ関西圏だと言っても、神戸あたりを中心としたエリア、名古屋あたりを中心としたエリア、大阪、京都あたりを中心にしたエリアでは、若干の違いがあります。
とは言え、ほぼ同じような方言を使っています。
ただ、京都だけは、独自の言い回しがあって、「京ことば」と呼ばれています。
これを、「京都弁」と言うと、京都の人は気をわるくするようで、宮中で使われていた女房言葉などが、ルーツになっている言葉も多いことから、他のエリアとは一線を画しています。
そんな言葉の一つが「あきまへん」という「京ことば」です。
「あきまへん」は、「あかん」に端を発する言葉ですが、同じような言葉は、各地にあります。
たとえば、九州の「でけん」、中国・四国の「いけん」などが、それです。
これらの言葉は、また、「です」を伴うと「でけんです」「いけんです」とは、言いません。
「でけんのです」「いけんのです」と、これも似ています。
方言は、その土地独自の文化ですが、近隣と共通する所もあって、人のつながりをみることもできます。