「ひいては」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
ビジネスの中では、色々な言葉が交わされます。
時々、古いことわざ例えて比喩的な表現を使う人もいますか、その意味を知ることで言葉のボキャブラリーが広がってきます。
仕事している中でも、よく耳にする言葉に
「ひいては」という言葉かあります。
目次
- 「ひいては」の意味とは?
- 「ひいては」の類語や言い換え
- 「ひいては」の使い方
- 「ひいては」を使った例文
- 「ひいては」と「しいては」の違い
- 「ひいてはご法度」は正しい表現?
「ひいては」の意味とは?
「ひいては」という言葉は、普段の日常生活の中でのやり取りよりも、ビジネスシーンで頻繁に使われる表現ではないでしょうか?
「ひいては」とは、副詞の「ひいて」という言葉を更に強調している言葉です。
「ひいては」という言葉は、「それが原因となって、そのことを推し進めること」や、「それから引き続いて」と言った色々な意味を持っています。
使われる時々において、いくつもの意味を持っています。
「個人の幸せのために他人に尽くす。
ひいては、このことで自分も幸せにつながってくる。」
このような時に、「ひいては」を使うことになってきます。
- 「ひいては」の漢字
「ひいては」の漢字
「ひいては」の元の言葉は、「ひいて」であることは、前述の通り。
この「ひいて」を漢字で書くと、「延いて」となり、「ひいては」は「延いては」という漢字の使い方になります。
「ひいては」の類語や言い換え
「ひいては」という言葉を似たような言葉(類義語・同義語)では、次のような言葉に置き換えることができるでしょう。
- 「その結果」
- 「それゆえに」
- 「すわわち」
「その結果」
「その結果」という表現が、「ひいては」の置き換えとして使える言葉でしょう。
「御社の目覚ましい活躍は、この地域を活性化することになりますね。その結果として(ひいては)、日本全国の社会的な発展につながると言っても過言ではありません。」
このように1つの物事の成功が、大きな発展に貢献するような時に使われます。
「この製品の人気が高くなると、それだけ会社の景気が大きく好転していき、全体に右肩上がりの売上が期待できます。その結果、業界全体も、ますます活性されていくにもなってきます。」
このような場面でも、「その結果」という表現を挟むことになります。
「それゆえに」
「それゆえに」も、「ひいては」の代わりに使える表現です。
「人事評価の基準にメスを入れて見直すことで、下がり気味の社員のモチベーションを高めることができるはずです。それゆえに生産性が上がり、会社全体の業績も上向いて来ることになるでしょう。」
この時の「それゆえに」は、「その結果」や「ひいては」と置き換えると、使い方が同じであることが分かるでしょう。
「このシステムが導入されると仕事の効率化が実現できます。それゆえに無駄なコストを削減できて、収益化にも貢献します。」
最近は「働き方改革」として、業務のあらゆる無理・無駄をなくす動きが求められています。
このような時にも、この言葉を使うことで、後の文章を強調することになります。
「すわわち」
「すなわち」も、ビジネス上で、プレゼンなどで多用する言葉です。
「今回の製品を採用・導入頂くことで、様々な課題が解決されます。すなわち、これで内在している業績課題を過言解決するだけではなく、長期的な課題であった課題も抜本的に解決させることに貢献できるということです。」
「すなわち」も、後に続く言葉を強調させる役割を果たしていますが、仕事をする中で、頻繁に使われる言葉です。
「ひいては」の使い方
「ひいては」の使い方を見ると、「これがこうだから、ひいてはあれになる」は、「このの結果があれにつながる。」
になる、「この計画を進めると大きな利益を生むことになる」といったような状況を説明する際に使います。
また「この結果は大きな損害になり、さらにその被害が、全国に広まる」
「この結果はあれになり、さらに進んだ状態になる」というように、因果関係の影響がより一層進行して、波及・拡大する意味でも使われます。
「ひいては」は、「ひいては」の前後にある言葉で、その対象が拡張したり、原因と結果の因果関係を表す言葉とも言えるでしょう。
「ひいては」を使った例文
では、「ひいては」は、どのようなケースで使われるのか、例文を見ていきます。
「ひいては自分のためになる」
「今の行いは、世のため、人のためになって、ひいては自分のためになるのです」
この例文を見ると、対象の範囲が広がっていることを表しています。
何かの言動が「世のためや人のためとなり、」結果的には、「自分のため」にもなって来るということを言っています。
「Aという原因により、Bという結果を生み出す」というものです。
もう1つ例文を見てみます。
「ひいては会社全体のイメージが悪い印象にとられかねない」
「たった1人の不正行為が、ひいては課・部だけに留まらず、会社全体の信用失墜につながりかねない」
これは「たった1人のわるい行動が」という個人レベルの悪い行為が、「会社全体の信用を失うこと」にまで拡大しかねない状況を説明しています。
Aという物事や事象が、Bという結果を出し、それが次のCという新たな別の結果へと発展もしくは拡大・波及していく」という意味になります。
言い換えると、1つ目の「Aという原因がBという結果を生み出すこと」から、「さらに次の問題に発展していく」という考え方になります。
「ひいては、国家全体の問題になる」
「この問題を放置しておくと、この町だけの問題では済まされず、ひいては国家全体を脅かす問題になるだろう。」
この時の「ひいては」の前の「この町」だけではなく、さらに対象範囲が大きく広がって「国家」レベルの問題に発展しかねないという危機的な状態を説明しています。
このように「ひいては」という言葉は、後に続く文章を強めることになりますが、良いこと、悪いことでも使うことがある言葉です。
「ひいては」と「しいては」の違い
「ひいては」の代わりに「しいては」という表現を使う人が少なくありません。
「しいて」は「強いて」と書き、意味は「無理に、あえて、むりやりに、強引に、むやみに」などがあります。
挙げられます。
しかし、「強いては(しいては)」という言葉は、「ひいては」の代わりに使うことは正しい表現ではありません。
「延いては」と発音が似ているために
誤った使い方となってしまいました。
「ひいては」とよく混同して「しいては」と言うので、注意しましょう。
「強いては」の「強」は音読みで「キョウ」や「ゴウ」。
訓読みでは、「つよい」、「つよまる」の他に「しいる」と読みます。
「強」の意味が「力や勢いがある」や「無理に押しつける」、「強くする」を意味しているので、「強いて」と漢字で書くことで、間違った使い方であることが理解できると思います。
また、「しいて」と読む言葉には、「敷いて」や「誣いて」、「布いて」などもあります。
「敷いて」、「布いて」は「平坦な一面に平らに広げること」や「物を載せるために平らにして下に置くこと」の意味となります。
また、「誣いて」は「事実をねじ曲げて言うこと」や「作りごとを言うこと」を意味しています。
このように同じ発音でも、全く意味が異なるので、注意が必要です。
「強いて」を使う表現であれば、「しいて言うなら」、「しいて言えば」などの使い方になります。
この場合には、「言う必要は決してないのですが、あえて無理に言うとなると、」という感じになるでしょう。
例えば、「彼も君もとてもギターが上手だけど、強いて言うなら彼の方が聞きやすいんだ。」
などと言います。
「ひいてはご法度」は正しい表現?
「ひいてはご法度」という言葉を聞いたことがある人もいることでしょう。
「ひいてはご法度」は、あるお笑い芸能タレントのネタのコメントですが、「ご法度」とは、「やってはならない」、「禁じられている行為」などの意味があります。
「ひいてはご法度」となると、「絶対に禁じられていること」という意味になるのですが、あまり使われる表現ではないために、表現としては、正しい言葉とは言えないでしょう。
「ひいては」という表現は、普段のビジネスコミュニケーションの中で、意識することなく使っているケースがかなりあるはずです。
しかし、「しいては」と誤用することも多く、しっかりと意味を理解する上で使うことで、伝えたいことをしっかりと相手に使うことが大切です。