「いらんことしい」の意味とは?方言?使い方や例文を紹介!
催し事を企画すると、とかく運営の段階や準備の段階になって、全体と同じ歩調がとれずに、全体の動きを乱す人が、必ず出てくるものです。
そんな人物に限って、どうでもいいようなことに、妙にこだわったり、手を出したがるものです。
目次
- 「いらんことしい」の意味とは?
- 「いらんことしい」の言い換え
- 「いらんことしい」の言葉の使い方
- 「いらんことしい」の例文
- 「いらんことしい」の「いらん」とは?
- 「いらんことしい」の略語
- 「いらんことしい」は何処の方言?
「いらんことしい」の意味とは?
余計なことばかりをする人。
しなくてもよいことをする人。
ちょっかいをかける人。
するとかえって迷惑のかかることを、あえてする人。
といった意味です。
これらのことから、する必要の無いことを、わざわざやって、周りに迷惑をかける人の姿が、浮き上がってきます。
「いらんことしい」の言い換え
- 「いたらんことせんときやい」【いたらんことせんときやい】
- 「いらぬ世話」【いらぬせわ】
- 「いらぬお節介」【いらぬおせっかい】
「いたらんことせんときやい」【いたらんことせんときやい】
博多弁に、ほぼ同じことを意味する言葉があります。
「いたらんこと」というのは、「いらないこと」「迷惑なこと」「つまならないこと」という意味です。
「せんときやい」は、「しないでいなさい(おきなさい)」という意味です。
「いらんことしい」が、人物像を表す言葉なのに対して、博多弁の方は、直接相手に説諭する話し言葉のようになっていますが、意味するところは同じです。
「いらぬ世話」【いらぬせわ】
別に言い換えるなら「余計な世話」まさしく必要のない「いらない世話」が「いらんことしい」なのです。
する必要もなければ、しない方がまだましという、邪魔以外の何者でもない世話のことを表しています。
しかし、とかくいらぬ世話やきは、世の中に多いものです。
「いらぬお節介」【いらぬおせっかい】
お節介が好きな人も多いのですが、これが度を超すと、全体進行の邪魔になります。
だから「いらぬ」つまり、必要のないお節介のことを意味している言葉です。
しかし、このタイプの人に、地域の顔的な人が、多いことがよくあります。
そのため、夏祭りなど、若者が中心となって、改革しようとしても、いらぬ横やりならぬ「お節介」が入って、なかなかうまくいかない地域も、少なくありません。
「いらんことしい」の言葉の使い方
「いらんこと」つまりは、余計なこと、しなくてもよいことをする人という意味合いで使いますから、ある特定の個人の様子や行動に対して、価値づけをするようなニュアンスで使います。
「いらんことしい」の例文
- 「いらんことしい」の例文1
- 「いらんことしい」の例文2
- 「いらんことしい」の例文3
「いらんことしい」の例文1
「Aくんは、よく気が効いて、新人とは思えない仕事ぶりだけど、少々(いらんことしい)の面があって、課内でも浮いてるところがあるようだ」
「いらんことしい」の例文2
「言わんこっちゃないがな、こうなってしもうて。だから、(いらんことしい)言うたやろ」
「すんまへん。どないしましょ」
「いらんことしい」の例文3
でかい荷物をもってエレベーターを待っていたら、B男が「少し持ちましょ」と言って、手を出してきた。
あわてて「(いらんことしい)な」と断ったのに、「大丈夫でんがな」と、荷物に触れた瞬間、バランスが崩れて、エレベーターホール一面に、荷物がころがってしまった。
「いらんことしい」の「いらん」とは?
「余計なこと」「しなくてもいよいこと」「すると迷惑がかかること」と、いったことを指しています。
「いらんことしい」の略語
- 「いらこ」
- 「いらち」とは
「いらこ」
「いらんことしい」の略語で、元の言葉から「いらんこ」「いらこ」と変化した上に、「いら子」とも連想されて、余計なことをする人を指す表現として、関西方面、特に大阪方面で若い人達を中心に、広がっている大阪弁です。
同様に、略語で使用されている言葉に「ふてこい」や「しらこい」があります。
「ふてこい」とは「ふてぶてしい」の略語で、大胆で無遠慮なふてぶてしい態度から転じて「愛想がない」とか「可愛げがない」といった意味を表す言葉です。
「あの子、ずいぶんと、ふてこいじゃない」といった使い方をします。
「しらこい」は、見え透いていることや知っていても知らないふりをする「しらじらしい」からきた略語です。
「そんな顔して、よくも(しらこい)こと言えるねえ」などと。
使います。
「いらち」とは
「いらこ」とは、一字違うだけですが、表す意味は、全く違います。
「苛つ(いらつ)」という古語の活用形からできた言葉で、気持ちが落ち着かなくイライラする様子や、物事を早くするようにせき立てる気持ちなど、遅いといらだつ、せっかちな人のことを指す言葉です。
とかく、大阪人はせっかちで、すぐにいらついたり、「はよ、せんかい」とついつい急がせてしまって、もめ事になるのも日常茶飯事、そんな人達を「いらち」と呼びます。
「いらこ」とは、全然関係もない言葉ですが、よく似た言葉同士です。
「いらんことしい」は何処の方言?
関西圏を中心とした、特に、大阪を軸とする方言です。
ただし、博多弁の「いたらんことせんときやい」のように、言葉は、その土地の方言ですが、同じ言い回しの例は、各地にあります。
その意味では、関西だけの方言とは、言えないのかもしれません。
ようやく組み上がったドミノタワーを、「いらんことしい」と言うのに、手を出して倒してしまう人、描き上がったイベントの看板を「いらんことしい」なというのに、一人で動かそうとして、地面に倒し、まだ、乾いてなかったイラスト部分を砂だらけにする人。
あげれば、切りがない「いらんことしい」の人達、反省してもくり返す、もって生まれた性格なのでしょう。