「堪える」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
日本語には、色々な言葉があります。
その中でも、1つの漢字でも異なる読み方をしたり、違うニュアンスの意味を持つ言葉や同じように発音をする言葉もあります。
その1つに「耐える」があります。
目次
- 「堪える」の意味とは?
- 「堪える」の類語や言い換え
- 「堪える」の使い方
- 「堪える」を使った例文
- 「堪える」を使った言葉を解釈
- 「堪える」の反対語や似た対義語
- 同音の(こたえる)
「堪える」の意味とは?
- 「堪える」の読み方
- 「堪える」の意味
- 「堪える」の言い回しの違い
「堪える」の読み方
「堪える」の読み方は、「こたえる」の他にも、「たえる」、「こらえる」という読み方もあります。
これらの読み方には、大まかな意味は同じなのですが、読み方や前後の文章の並び方によって、若干、ニュアンスが異なってくることや、使い方にも違いが出てくることがあります。
「堪える」の意味
「堪える」という言葉の意味は、「辛いことに耐え忍んで、その状態を保ち続ける」という意味があります。
言い換えると、「困難な状態に耐えて、そのままの状態をキープすること」、「こらえる」という表現でも説明することができます。
それぞれの読み方でも、基本的な意味は、「我慢する」という意味合いを持っています。
我慢できない程の夏の猛暑のことを「堪える(こたえられない)暑さ」と言うことがあります。
また、ひどい痛みを我慢する時、「痛みを堪える(こらえる)」と言います。
「堪える」の言い回しの違い
この2つの言い回しの時には、漢字で「堪える」という漢字を用いることになります。
「堪える」を「こたえる」と読む時は、は補語的な言葉を持つ文章で使われることになります。
「身体に堪える」の場合は、「体にこたえる」と読みますが、目的語を持つ文章では、「堪える」は「こらえる」と読むことが多い傾向があります。
「怒りを堪える」や「笑いを堪える」も「こらえる」という読み方になりますが、意味は同じでも、「こたえる」とは読みません。
また、「堪える」を「たえる」と読む場合は、補語的な言葉を持つ文章において使われることが多いと考えられます。
「堪える」の類語や言い換え
「堪える」と似たような類語は、次のような言い換えがあります。
- 「乗り越える」【のりこえる】
- 「耐え忍ぶ」【たえしのぶ】
- 「持ち堪える」【もちこたえる】
「乗り越える」【のりこえる】
「人生の荒波を乗り越える」
「大きな局面を何とか乗り越えることができた」
このような表現や言い回しを聞いたことがあることでしょう。
この時の言葉の意味としては、「苦しい環境にうちひしがれずに前進する」ということになります。
「耐え忍ぶ」【たえしのぶ】
「彼のひどい仕打ちに耐え忍ぶ」
「姑のきつい言葉に耐え忍ぶ嫁」
「耐え忍ぶ」には、「辛いこと、苦しいことを、じっと我慢する」という意味があります。
私達が生活をしていく中や仕事を続けていく上でも、嫌なことや辛いこと、我慢できないような出来事など、さまざまなことが数多く起こってくるものです。
それでも、ひたすらに我慢して耐えなければならないこともたくさんあります。
「持ち堪える」【もちこたえる】
「持ち堪える」の意味は、「厳しい難局をどうにか保つこと」や「何とか支えて踏み留まること」を指しています。
「援軍が到着するまで、何とか持ち堪える」
「厳しい罵声を浴び続けたが、何とか持ち堪えることができた」
こんな使い方があります。
「堪える」の使い方
「今年の夏は、異常な暑さだったか、何とか堪えることができた」
「堪える」は、「我慢する」という意味合いで使われますが、温暖化の昨今、この台詞を聞くことが、これからもかなり多くなっていくのではないでしょうか?
また、同じように
「今年の夏は、異常な暑さだったので、か、身体にかなり堪(こたえ)たね」
となると、身体がきつい状態だったことが理解できます。
「堪える」を使った例文
「この夏は堪えられない猛暑日が続きまました」
この時の「堪える」は、「我慢できない」という意味合いで使われています。
「援軍が到着するまで持ち堪えろ」
この文章では、「耐え続けろ」という意味合いで使われていることになります。
「堪える」を使った言葉を解釈
「堪える」という言葉は、文章の流れや読み方で、少し異なるニュアンスで伝わることがあります。
「堪える」を使う言葉の意味を見て行くことにしましょう。
- 「心に堪える」【こころにこたえる】
- 「寒さが堪える」【さむさがこたえる】
- 「身に堪える」【みにこたえる】
「心に堪える」【こころにこたえる】
ここでの「堪える」の使われ方では、「心に強く感じること」、「痛切な思いが残るさま」、「胸の中に響いていくさま」などの意味があります。
「何気ない彼の一言が心に堪えたのだった」
人の何気無い言葉が胸の奥底に、グサリと突き刺さった感じになったさまが伝わってくるようです。
「寒さが堪える」【さむさがこたえる】
この時の「堪える」は、「外からの刺激がひしひしと身に強く感じる」という意味になるでしょう。
「寒さが骨身に堪える」、「父の死が堪えた」
という表現でも使われることがあります。
肉体的も精神的にも、辛いことが押し寄せてくることではないでしょうか?
これが「寒さに堪える」となると、(こたえる)ではなく、(たえる)=「寒さを我慢する」という意味に変化していきます。
「身に堪える」【みにこたえる】
「身に堪える」とは、「全身、あるいは心に強く感じる」や「骨身に沁みる」という意味合いが強くなってきます。
「寒さが堪える」、「あの一言が堪えた」
というケースと同じ意味になります。
「堪える」の反対語や似た対義語
「堪える(たえる)」としての対義語としては、「屈する」という言葉が挙げられるでしょう。
「屈する」の意味としては、「何かをしようとする意欲や気力がなくなること」や「くじけること」、「強い相手に負けて服従すること」、「屈服する」ことになるでしょう。
「強大か権力に屈する」
「いかなる批判にも屈しない姿勢を持ち続ける」
「失敗に屈せずに最後までやり遂げる粘り強さ」
というように使うことができます。
これが、「身体に堪える(こたえる)」となると、対義語としては、「びくともしない」という言葉になってくるでしょう。
「頑丈で、全く動かないさま」を意味する言葉となります。
「堪える」も、読み方の違い・ニュアンスの違いで、対義語も異なってきます。
同音の(こたえる)
「堪える」(こたえる)と同じ読み方で「応える」があります。
「堪える」と似た意味のある「応える」には、どのような違いがあるのでしょうか?
まず、「応える」には、次のようか意味があります。
「刺激や苦痛がひどく負担になるさま」です。
- 「応える」の例文
- 「堪える」の例文
「応える」の例文
「彼女は、この頃かなり意気消沈していることが多くなったのだが、どうやら志望校の受験に失敗したことが、かなり応えているようなのです」
「堪える」の例文
「ドクターは、今夜が峠だと言ったのですが、彼は厳しい容態を持ち堪えて、峠を越すことができたのです。まさに奇跡としか言いようのないことでした」
この時に「応える」という言葉の使い方は、「暑さや寒さ、失敗などから来る苦痛や刺激となることがらひどく重荷で負担になり、辛く感じられる」ことを意味しています。
一方の「堪える」は「困難に耐えてある状態を保ち続ける」ことを表しており、「こたえる」という同じ発音でも、ニュアンスに違いが生じてくるのです。
この時の「堪える」という言葉は、「困難な状況に耐えて、その状態を保ち続ける」ことを表して、「厳しい環境に堪える」といったような形で用いられることになります。
「堪える」という言葉は、読み方・発音の仕方で意味が異なってくるのですが、日常会話の中では、そのことをあまり意識せずに使っていることが少なくありません。
しかし、同音の言葉もあることから、どのようなシーンで使われるのか、用法を理解しておくことで、言葉のバリエーションも増えてくることになります。