「発破をかける」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
頻繁に聞く言葉ではないので、たまに聞くと一瞬「ん」と思うかもしれない「発破をかける」という言葉。
また文字にすると更に不思議な感じがするかもしれません。
この「発破をかける」の「発破」とは一体何を表すのでしょうか。
今回は「発破をかける」の使い方や例文なども一緒に見ていきたいと思います。
目次
- 「発破をかける」の意味とは?
- 「発破をかける」の類語や言い換え
- 「発破をかける」の使い方
- 「発破をかける」を使った例文
- 「発破をかける」の発破とは
- 上手な「発破」のかけ方のコツ
「発破をかける」の意味とは?
「発破をかける」は【はっぱをかける】と読みます。
意味は、
- 言われる本人にとって厳しく激しい言葉であったり、その言葉でやる気に火を着けられる言葉のこと
- 少々手荒できつく、内容も激しいけれど、内心では応援したり励ましたりしている事
などになります。
決して木の「葉っぱ」ではありませんので注意してください。
この「発破をかける」は「陰ながらそっと支える」「注意や忠告をして窘める」と言うような柔らかく生易しいものではなく、かなり激しくある意味「活」を入れ奮起させるような事だと思って下さい。
ですから言われた側は怒られていると感じたり、場合によっては「何なんだよ」と腹が立ってしまうかもしれませんが、言っている側は決して怒ったり馬鹿にしているのではなく、むしろ『まだまだ全力じゃないでしょ、もっと自分の力を試しなさいよ』という愛情を含んだニュアンスで発言しているのだと理解して下さい。
発言はキツく厳しくても、なぁなぁにしたり、その場凌ぎの生半可な言葉で片付けるような行為ではないという事を表す言葉になります。
「発破をかける」の類語や言い換え
「発破をかける」には類語や言い換えがないとされています。
それは意味やニュアンスが独特で難しいからです。
ですから、近い意味を含み、大まかな振り分けをすると似ているといったものを挙げてみました。
- 「活を入れる」【かつをいれる】
- 「気合いを入れる」【きあいをいれる】
- 「鼓舞する」【こぶする】
「活を入れる」【かつをいれる】
「活を入れる」とは柔道などの格闘技で使われる言葉が一般化したと言われています。
投げられて失神や気絶をする事が多い柔道の世界では、絞め技と同時に気絶した気を戻す術も学びます。
そこから転じて《気を入れて呼び起こす》から《気合いを入れる》という意味で使われるようになりました。
またよく「活を入れる」の「活」を「喝」だと思っている人がいますが、それは誤りになります。
「活」は「気」という意味なので「入れる」が後にきますが、「喝」は漢字の作りからも分かるように部首が《口編》です。
つまり「大きな声を出す」といった音の響きの事を表します。
ですから「喝を入れる」は誤用になります。
- 「この辺で活を入れないと益々だらけてくるでしょう。」
など。
「気合いを入れる」【きあいをいれる】
やる気を入れて気持ちを奮い立たせる事を言います。
自他共に精神的に乱れていたり、集中できない時に使う言葉になります。
- 「さぁ、これから気合いを入れてもう一度挑戦しましょう。」
など。
「鼓舞する」【こぶする】
勇気づけたり、応援したりして気持ちを奮い立たせ勢いつける事。
元々は昔、出陣の際に鼓(つづみ)や笛で音楽を奏でて舞を舞い、兵士達を励ました事によります。
- 「目標をたっせいするために、自らを鼓舞して頑張った。」
など。
「発破をかける」の使い方
気合いをいれたり、勢いや物事に対してやる気の火を着ける為にする事なので、能力や才能が眠っている相手や、まだまだ全力ではない状況、可能性がくすぶっている状態などに使います。
間違っても自分の都合よくストレス発散の為に使ったり、「?のためだ」なんていう言い訳で使う言葉ではありません。
今の状態を打破する、ぶち壊して創造する為に『発破』するのですから、感情的になったり私情を挟むシチュエーションには使えません。
逆にいうと、創造が可能であり夢や希望、将来性を見据えていなければ『発破』にならないので、簡単に「発破を」かけてはいけませんし、エネルギーやパワーが必要なのでかける事も出来ないはずです。
また、この言葉は目上の人や自分よりも立場が上の人に対しては使わないので注意して下さい。
「発破をかける」を使った例文
- 「付き合ってもう6年になるけれど、一向に将来について話をしないので、自分の方から発破をかけた。」
- 「もっと自分の立場について責任を持つように発破をかけた」
- 「発破をかけるのはいいけど、やり方を間違ってしまうと、彼は更にやる気をなくすかもしれない」
- 「なぜ会議が開かれたかというと、やる気を出させる為でもあるけれど、恐らくは発破をかけたかったのかもしれない」
- 「憧れの人に発破をかけられてからは、人が変わったようにがむしゃらに勉強をする様になった。」
「発破をかける」の発破とは
「発破をかける」の「発破」とは建物や建築物をなどを勢いよく爆破する時に使う火薬の事を指します。
土木工事や鉱山作業時においてよく使われる方法なので、テレビなどで見たことがあるのではないでしょうか。
コンクリートや岩を爆破するには相当強力なパワーやエネルギーが必要なわけですが、つまりそれくらい、力強く激しい言葉だという事を表します。
「発破をかける」事で相手の現状を爆破させたいと思う気持ちも含まれているかもしれません。
上手な「発破」のかけ方のコツ
- かけられる側の捉え方
- 上手に「発破をかける」
かけられる側の捉え方
例えば上司に「この部署は全く数字が伸びない。前の部署は少し忠告をしただけですぐに問題に取り組み改善した。君達からはやる気が感じられず、このままでは給料にも進退にも響くかもしれない」と言われたとします。
もしこれが図星で言われて当然だとしても、毎日毎回このような言われ方をするとストレスがかかり、数字を伸ばす事ではなく文句を言われないようにする事に気をかけるようになります。
そして、そもそもこの上司の言葉に愛情を感じる人は少ないのではないでしょうか。
上手に「発破をかける」
ではどうすればいいのかといえば、まず「発破をかける」と「圧力をかける」の違いを理解しなければいけません。
だいたい上司という立場だけでも強い圧力になっているのです。
一言だけで部下によっては非常に重い圧力になる事もあります。
ですがそれでは根本的な事が解決をするわけではないので意味がありません。
大切な事は数字を伸ばし、その先に楽しい事がある事を理解してもらう事です。
ではどう言えばいいかと言うと、「この部署は全く数字が伸びない。
その原因が何なのかをすぐに追究し、問題に取り組み改善すれば、給料も上がるし君達もやりやすくなり楽しくなると思う」と言うようにポジティブな発言をするようにします。
誰かと比べたりネガティブな発言をしても何の意味もありませんし、むしろ更にやる気が失せてしまいます。
「発破をかける」とは素晴らしい未来のために現状を爆破させる事なので、しっかりとコントロールをしないとただ爆発させるだけで終わってしまいます。
「発破をかける」は意味合い的に過激なので、状況や立場、タイミングなどを考えて発言しなければいけません。
先述した通り、やり方を間違えてしまうと相手とトラブルになる場合もありますし、相手を間違っては大爆発なってしまいます。
言葉をしっかり理解し、選び使う事は非常に大切な事であり、自分のためにも繋がります。
適切な時にきちんとした言葉を使う事で、更に相手にも気持ちが伝わりやすくなり、「発破をかける」のような特殊な言葉もより信憑性が深まるでしょう。