「一喜一憂」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
日本語の言葉やことわざの中には、人の感情の状態を如実に表現しているものがあります。
人には、それぞれの性格(パーソナリティー)がありますし、との時々の状態や環境によっても、大きく気持ちが動いていくものです。
そのような状態を指し示す言葉として、「一喜一憂」があります。
目次
- 「一喜一憂」の意味とは?
- 「一喜一憂」の類語や言い換え
- 「一喜一憂」の使い方
- 「一喜一憂」を使った例文
- 「一喜一憂」の類義語
- 「一喜一憂」の対義語
「一喜一憂」の意味とは?
「一喜一憂」とは、「物事の事象の状況が変化する、ちょっとした出来事で、喜んだり不安になったりすること」を言っています。
また、「周りの状況にふりまわされること」という意味も含んでいます。
- 「一喜一憂」の読み方
「一喜一憂」の読み方
「一喜一憂」は、「いっきいちゆう」というふうに読むことになります。
「一喜一憂」の類語や言い換え
人の感情を表している「一喜一憂」ですが、この言葉を他のもので表すのであれば、次のような言葉が挙げられるでしょう。
- 「浮き沈み」
- 「気持ちが動く」
「浮き沈み」
「浮き沈み」とは、「浮いたり沈んだりすること」というのが、直接的な意味となりますが、この意味が転じて、「良くなったり、悪くなったりすること」や「栄えたり、衰えたりすること」という意味でも使れます。
「彼は、浮き沈みの激しいタイプの人間だから、付き合いにくい。」
その人も感情の起伏が激しいことを言っています。
「気持ちが動く」
「気持ちが動く」も、ある意味「一喜一憂」に近い意味で使われることがあります。
意味としては、「そうしたいという気が起こる」や、「気持ちが平静でなくなる」とこと指しています。
「彼の言った一言で、彼女の気持ちが動いている。」
その人の感情が大きく動いている状態ですが、ここで言っている「動く」は、いい意味と悪い意味を持つこともあります。
「一喜一憂」の使い方
必ずしも悪い場合だけに当てはまるわけではありませんが、「一喜一憂」は、たいていあまり良くない意味で使われることが多いのではないしょうか。
人によっては、単純なことで悩みすぎて、
「お前なあ、そんなことで、いちいち一喜一憂するんじゃない!」
こんなふうに言われてしまう人もいます。
「一喜一憂」は、いいも悪いもないような感じもするのですが、この言葉は、「その物事や状況につられてふりまわされる」といった意味も含まれているので、マイナス的な指摘をされたり、状況を表す時に使われることが大半でしょう。
時といて悪い意味ではないケースの使い方もあります。
例えば、「サッカー観戦で、試合ので、流れに一喜一憂してしまいます。」
このような使い方ですね。
この表現であれば、応援しているチームが点を取った時に喜んで、点を取られたら時は悲しんでしますということから、試合観戦を楽しんでいることが分かります。
このような時の「一喜一憂」は、何となく悪い印象はないような感じもします。
ただ、どちらかというと、前述の通り、少しダメな場合の意味で使い方となります。
ので、「試験に合格するために勉強を頑張っているが、試験の成績結果に一喜一憂する。」
こんなケースで使われること見ると、「一喜一憂」の用法が理解できるのではないでしょうか?
「一喜一憂」を使った例文
「彼女は恋愛で、いつも一喜一憂する癖がある。」
このように「一喜一憂」する人は、恋愛について悩みがちな傾向があります。
恋人にLINEでメッセージを送信した時に返事が来れば、嬉しくなることは当然なのですが、少しでも返事が来なかったり、すぐに既読が付かないだけでもだけ、必要以上に悩んでしまう傾向があります。
手が離せずに、すぐにメッセージが返せない状況にいる場面は、誰にでもあることですが、「一喜一憂」する人は、自分のことばかり考えて、「どうして返事をくれないんだろう?」と思い悩んでしまいます。
まさに自分優先の人なのです。
「一喜一憂」の類義語
「一喜一憂」には、次のような類語語もあります。
- 「悲喜交交」【ひきこもごも】
- 「喜怒哀楽」【きどあいらく】
- 「泣き笑い」【なきわらい】
「悲喜交交」【ひきこもごも】
「悲喜交交」は「ひきこもごも」と読みます。
意味としては、「悲しみと喜びをかわるがわる味わうこと」、あるいは「悲しみと喜びとが入り交じること」を指しています。
この言葉は、「ある人が悲しみと喜びを同時に、もしくは順番に経験すること」を表しており、用法しては、次のような表現ができます。
「その書籍は、若い主婦の人達が子育てについて、悲喜交交が軽妙なタッチで文章が描かれています。」
「サラリーマン人生を長く続けていると、ボーナスや昇格・昇給、転勤や異動などが悲喜交交ある。それでも頑張らなくては。」
人生には、色々なドラマがありますが、その流れをこの言葉で表せるのではないしょうか?
「喜怒哀楽」【きどあいらく】
「喜怒哀楽」という言葉は、日常会話の中でも時々聞くことがあるかもしれません。
しかし、実際には、意味は何となく分かっているつもりでも、実際の会話や文章の中にどうように活用すればいいのか、よく分からないという人も結構、多いのではないでしょうか?
「喜怒哀楽」は「人の持っている喜び・怒り・哀しみ・楽しみなどの感情」という意味も持っています。
「喜」とは、よろこぶという意味で、「楽」は楽しいという気持ちを表しています。
今までの自分の思い出を振り返ってみると、喜んでいる時は、必ずしも楽しいという気持ちを思っているとは限りません。
例えば受験に合格した時、就職で内定をもらった時などは、喜んでも、楽しいという気持ちにはならないでしょう。
このようばケースを見ると、喜と楽は異なる感情を示していることが理解できるでしょう。
また、「哀」については「かなしい」という感情を表しているのですが、哀と悲の違いも同じようにあります。
このことについても、文字が持つ意味の違いを理解できる人は、意外と少ないのではないでしょうか?
「悲」という字の語源は、鳥の羽が左右に割れる状態を表した「非」と「心」から成り立っています。
一方の「哀」の語源は、「口」に「衣」で「ふた」をすることで、感情を外に出さずに泣いている様子からきています。
このことから、「悲」よりも「哀」の方が、人の心の感情のことを強く表しています。
喜怒哀楽の語源については、まさに漢字の通りで、人間の様々な感情の中でも基本的なものとして挙げられる「喜び」「怒り」「哀しみ」「楽しみ」からとなります。
「あの人は喜怒哀楽が激しい性格だね。」
「彼女はすぐに喜怒哀楽が顔に出てしまうから、きついね。」
「喜怒哀楽を演じるのは難しい。」
このような使い方は、その人の性格等を正確に表していると言えます。
「泣き笑い」【なきわらい】
「泣き笑い」とは、「涙を流しながら笑っている表情」ことを言っています。
意味は、「泣いたり笑ったりすること」や「悲しいこともうれしいこともあること」で、「彼の生き方は、泣き笑いの人生だ。」
といった表現ができます。
悲しい気持ちを堪えて、涙を笑顔でごまかすという場面でもよく使われることがあります。
「これまでは、人生泣き笑いがありました。」や「泣き笑いのある心温まるドラマ」とプロセスを重視したた言い回し方かもしれません。
ある意味、言葉にとても深みや重みがある言葉ではないでしょうか?
一方で「笑い泣き」という言葉もありますあ、これは「笑いすぎて涙腺が緩んでしまい、おもしろいのに涙がボロボロと笑いながら涙が出てしまうこと」なので、意味は全く異なってきます。
「一喜一憂」の対義語
「一喜一憂」の対義語としては、次の言葉があります。
- 「泰然自若」【たいぜんじじゃく】
「泰然自若」【たいぜんじじゃく】
「落ち着いて物事に動じないさま。」
この言葉は、「直面した物事に動揺したり慌てたりしない様子」を表しています。
用法としては、以下のように用いることができるでしょう。
「試合は急に負けムードとなっていったが、監督は泰然自若とした態度のまま、チームにひっぱっていきました。」
「急に大きな地震で場内がざわめく中でも、彼は一人泰然自若として座っていた。」
人に対する言葉しては、褒め言葉として使うことが多いです。
多くの人は、「泰然自若」を座右の銘としています。
「突然の大きな揺れに皆が慌てているのに、彼は泰然自若と取引先と電話で続けていた。」
「ビルの非常ベルが鳴り響いても、泰然自若として冷静に行動できるのがすごい彼。」
「理不尽なクレームをぶつけ来る顧客にも、泰然自若とした態度で対応できる」
このように、常に沈着冷静なことを言っています。
「一喜一憂」という言葉の意味や使い方を知ると、自分自身も含めて、生き方やあり方を改めて考えなおすのではないしょうか?
人生には、本当に様々なことが起こりますが、その度に一喜一憂せずに冷静に行動したいものです。