「豚切り」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「豚切り」は簡単そうで読みにくい漢字です。
そして漢字に「豚」を使うあたり、どんな意味があるのか気になってしまう言葉でもあります。
早速、みていきましょう。
目次
- 「豚切り」の意味とは?
- 「豚切り」の類語や言い換え
- 「豚切り」の使い方
- 「豚切り」の例文
- 「豚切り」の派生語
「豚切り」の意味とは?
まずは、この気になる「豚切り」の読み方から。
「豚切り」と書くと、「ぶたぎり」と読んでしまいそうになりますが、「ぶたぎり」ではなく、「ぶったぎり」が正解です。
「豚切り」の漢字を見てもピンとこなくても「ぶったぎり」と言えば意味を察している人も多いことでしょう。
「豚切り」とは正しい日本語ではありません。
SNS上で使われている言葉です。
意味としては、「今までの会話の流れを全く無視して違う話を振ること」となります。
よく会話をしていると、割り込んできて自分の話を始める人っていますよね。
唐突に違う話を振ってきたり。
そういう話し方を「豚切り」と呼びます。
この「豚切り」という言葉ですが、恐らく「ぶった切る」(ぶったぎる)という言葉が語源です。
「ぶった斬る」(ぶったぎる)いう言葉もあるりますが、意味をみると、「ぶった切る」が「豚切り」と同様の性質をもつ言葉であることが分かります。
「ぶった斬る」…主張や批判などに対して、本質をついて勢いよく否定すること。
「ぶった切る」…1つのものを2つにすること。
分けること。
以上の意味をみると、今までの会話が途中でばっさりと分断させられている様子を表すのは、「ぶった切る」の方でしょう。
「ぶった斬る」の言葉の方は、分断するというよりも、今までの主張を否定するというものです。
今までの主張を踏まえた上での否定なので、分断の意味とは異なります。
よって、「ぶった切る」が「豚切り」の語源だと言えるでしょう。
ちなみに、なぜ「豚」という字が使われているのか。
これは単なる当て字だと思われます。
「ぶった切る」だから「ぶた」、そして「豚」だというように、単に漢字を当てただけだと思われます。
「豚切り」の類語や言い換え
「豚切り」の類語や言い換えをみていきましょう。
- 「脈絡のない」【みゃくらくのない】
- 「ブレる」【ぶれる】
- 「切り上げる」【きりあげる】
「脈絡のない」【みゃくらくのない】
「脈絡のない」には、「話の筋道が一貫していない」「ちゃんとした筋道がなく散漫」「いきあたりばったり」などの意味があります。
「脈絡のない話」などという表現を挙げれば、意味もなんとなく分かるでしょう。
「脈絡のない話」といえば、今までとは関係のない話を唐突に繰り広げることを指しています。
これは、「豚切り」の「今までの会話の流れを全く無視して違う話を振ること」という意味とまったく同じ用途で使われているといってよいでしょう。
「脈絡のない」は「豚切り」の類語として挙げることができます。
ちなみに「脈絡」とは、一貫した筋道のことを指しています。
つまり、「脈絡」が「ない」で、「一貫した筋道がない」という意味になります。
例文としては、「何の脈絡もなしにそんなこと言われても困るよ。以前の話と違うじゃないか。」
(何の話もなく、急にそんな話をされても困るよ。以前の話と違うじゃないか。)
などが挙げられます。
「ブレる」【ぶれる】
「ブレる」とは、「揺れ動くこと」を意味する言葉です。
よく写真を撮るときに「写真、ブレちゃった。」
などと表現することがあります。
これは、写真を撮影するときに手がふらついて、しっかりと撮影できなかったときに使う言葉です。
この表現から分かるように、「ブレる」には揺れ動く、フラつくなどの意味があります。
また、他にも「意思や政策が一定せずに、揺れ動くこと」も意味します。
例えば、サッカー選手になると言って頑張っていたのに、いつの間にか野球選手を目指しているような人。
このような人のことを「いつの間にか、彼は違う夢に心がブレてしまった。」
などと表現することができます。
また、「話がブレる」などと表現した場合は、「話がそれる」という意味になり、今までとは違う話題が取り上げられてしまうことを意味します。
「豚切り」も今までの会話を無視して違う話になるという意味のため、「豚切り」の類語として挙げることができます。
例文としては、
「彼の話はいつも話がブレてばかりで疲れる。」(彼の話はいつも話があちこちに飛んでばかりで疲れる。)などが挙げられます。
「切り上げる」【きりあげる】
「切り上げる」とは「適当なところで区切りをつけること」という意味です。
今までのことに区切りをつけて、終わりにするという意味を持っています。
「豚切り」は今までの話に区切りをつけずに、全く違う話に移行する意味があるので、区切りをつけてから違う話に移行する「切り上げる」とは少し言葉のニュアンスが違います。
ですが、「違う話題にする」という意味から、「豚切り」の言い換えの一つとして挙げることができるでしょう。
例文としては、「さっさとこの仕事を切り上げて、飲み会に行こう。」(さっさとこの仕事に区切りをつけて、飲み会に行こう。)などが挙げられます。
「豚切り」の使い方
「豚切り」の使い方を説明します。
「豚切り」を使うときは、SNS上です。
正しい日本語なので、公の場で使うのは、ふさわしくないのでやめましょう。
どのような場面で「豚切り」を使うかというと、話の流れを断つようなときです。
例えば、旅行の話をしていたのにいきなり仕事の話をし始めたというとき。
「せっかく旅行の話していたのに、豚切りしないでよ。」
などと使います。
違う話に方向転換してしまったときに、その様子を「豚切り」という言葉で表現することができます。
「豚切り」の例文
「豚切り」の例文を挙げていきます。
- 「豚切り」の例文1
- 「豚切り」の例文2
「豚切り」の例文1
「いつもあの人、話、豚切りしてくるよね。本当に空気読めないんだから。」
(いつもあの人、話を中断させるよね。本当に空気読めないんだから。)
話の腰を折ってばかりの、空気のよめない人にイライラしているところを表現しています。
「豚切り」の例文2
「豚切り、ごめん。あのさ、これってどう思う?」
(話を中断させてごめん。あのさ、これってどう思う?)
話を中断させてしまうことを理解しつつも、あえて話を中断せざるを得ず、謝っている場面です。
「豚切り」の派生語
「豚切り」の派生語をみてみましょう。
- 「豚切りネーム」【ぶったぎりネーム】
「豚切りネーム」【ぶったぎりネーム】
今、ネット上では「豚切りネーム」と呼ばれる名前があります。
どんな名前を「豚切り」と呼ぶのかというと、漢字の一部だけを読み、他の読みを切り捨てている名前です。
具体例と挙げてみます。
- 愛(あい)→(あ)
- 結(ゆう)→(ゆ)
- 桜(おう)→(お)
といった感じです。
これらの読み方をする名前は、読みをぶった切って読んでいるので「豚切りネーム」と呼ばれています。
しかし、ネット上では、「豚切りネーム」を非常識な親が子供につけそうな名前だとし、DQNネーム(ドキュンネーム)などと揶揄される傾向があります。
きっと日本語の正しい読み方をしていないため、このように言われることとなったのでしょう。
ちなみに、ネット上では豚切りなどといったDQNネームのイメージが強いですが、世間的にはキラキラネームなどといい、変わった読みはするけれど、美しい響きをもつ名前などとして存在しています。
豚切りはSNS上で用いられている言葉です。
あまり綺麗な表現ではないので、良い大人の人はあまり真似をして使わない方がよいかもしれません。
豚切りネームという言葉も良い印象を受けない言葉なので、使うのは止めた方がよいでしょう。
豚切りネームだと思っても、キラキラネームといった方が無難です。