「惚気」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「彼女が物凄く可愛くて、よく気が利く」「夫が優しくて私には勿体ない」など別に聞いてもいないのに、自分のパートナーについて自慢したり褒めたりする人が居ます。
多少であれば可愛らしく幸せな姿にほっこりするものですが、この様な自分の恋人や好きな相手の事を「惚気る」とはどういった事を言うのでしょうか。
今回はこの「惚気る」について詳しく解説したいと思います。
目次
- 「惚気」 の意味とは?
- 「惚気」の類語や言い換え
- 「惚気」の使い方
- 「惚気」を使った例文
- 「惚気」を使った言葉
- 「惚気」る人の心理
「惚気」 の意味とは?
- 「惚気」の読み方
- 「惚気」の意味
「惚気」の読み方
「惚気」は「のろけ」と読み名詞になります。
「惚気」とそのまま読む事もあれば、後ろに「〜る」とつけて「惚気る」(のろける)などと動詞として使う事もあります。
まず「惚気」の「惚」という漢字には、心を奪われる・心がぼーっとする・ぼんやりするという意味があり、音読みで「コツ」訓読みでは「ほれる」「ぼける」「ほうける」「とぼける」と読みます。
「惚」は意味と音を合わせた漢字で形成文字になり、部首は[りっしんべん]なので人の心を表し、右側の「勿」には打ち消しの意味の「〜ない」や「〜してはいけない」などの意味があります。
また「勿」の下にはもう一つ「心」があるため、この漢字には部首の意味である心も合わせ"心"が失くなる、奪われてしまう意味や様子が強く表れた漢字になります。
「惚気」の意味
「惚気」とは男女間において、もしくは自分の大切な人やパートナー、恋人、配偶者の事を得意げに自慢したり褒めたりする事をいいます。
殆どの場合は「聞かされる」側が何も質問していない場合が多く、何かキッカケを見つけては勝手に惚気出すパターンが多いといえるでしょう。
惚気られること自体は限度を超えなければ周りも話を聞いたり相手をしますが、やはりあまりいい印象を与えないようです。
それはおそらく、会話の主体や論点がズレている事にも気付かず話し続け、挙げ句の果てには呆れられている事に気付かずに勝手に「羨ましいんだな」や「僻んでるんだ」と勘違いするからではないでしょうか。
中には本当に羨ましくて素っ気ない人も居ますが、殆どの場合は、聞いてもいない事を勝手にペラペラ話された上に、質問と関係のない答えをされる事が面倒臭いと思っていりことが多いでしょう。
また「惚気る」の「のろ」は、速度が遅いという意味の「鈍い」の「のろ」と同じ語幹であり、「惚気」は「頭の動きや感情がのろくなった精神」という意味を持ちます。
つまり頭の中が恋愛でいっぱいになっていて、周りが見えず一人勘違いや空回りをしては盛り上がり、空気も読めないほど頭の回転が鈍っている状態を指すのが「惚気る」という行為だと言われています。
「惚気」の類語や言い換え
「惚気」自体には類語はありません。
「惚気」という言葉だけで「好きな相手とのエピソードを嬉しく話す事」だと分かるので類語や言い換えになると、「恋人の事を褒めちぎる事」や「好きな人との出来事を自慢したり発表する事」が近いかもしれません。
当てはまる言葉がないので、文章になってしまいますが、この文章も「惚気」という単語の説明になるかもしれません。
「惚気」の使い方
「惚気」という言葉は、相手に対しても自分に対しても使うので、状況によって主語が変わります。
「惚気る」「惚気た」「惚気たい」などは自分がする事ですが、「惚気られる」「惚気けてきた」などは相手が自分にしている事を指す言葉です。
「惚気」は熟語なので後に来る動詞で状況や立場が変わります。
「惚気」を使った例文
- 「いい加減、皆、君の惚気話にはあきあきしている。同じ話をなんども聞かされる身にもなって欲しい。」
- 「惚気るのは自由だけど、時と場所を考えないと引かれてしまうよ。」
- 「あの人は会うたびに奥さんの事を惚気てくるけれど、奥さんは旦那さんの文句しか言わない。」
- 「彼女は僕の事をよく惚気ているみたいだけど、ハードルが上がるのでやめて欲しい。」
- 「それは愚痴なのか、それとも惚気てるのか、どっちですか」
「惚気」を使った言葉
- 「惚気話」【のろけばなし】
- 「惚気られた」【のろけられた】
- 「惚気ない」【のろけない】
「惚気話」【のろけばなし】
惚気をする話のこと、もしくは会話の中で恋人やパートナー、大切な人の事を自慢したり褒めたりする事。
「延々と惚気話を聞かされて困った。」などと使います。
「惚気られた」【のろけられた】
他人から恋人やパートナー、大切な人の事を褒めたり自慢したり、頼んでもないのにされる事を言います。
「今日は久しぶりに集まったけど、それぞれの奥さんの事を惚気られた。」などと使います。
「惚気ない」【のろけない】
好きな人やパートナー、恋人に配偶者とのエピソードについて話さない事、または、自慢したり褒めたりしない事を言います。
「彼女は彼氏の事を聞いても全く話さない。うまくいっているのに一切、惚気ない。」などと使います。
「惚気」る人の心理
他人に惚気る人の中には意識的な人もいれば無意識な人もいます。
また、男女でもその理由は変わってくるものです。
ここでは総合的にみた「惚気」る人の心理について挙げてみたいと思います。
- 現実逃避
- 承認欲求
- 自己暗示
現実逃避
本当に相手に愛されているのかと不安に思っていたり、相手の気持ちが離れてるんじゃないかと思っている場合も、惚気話をする傾向があります。
惚気ているので幸せなのかと一見思ってしまいますが、まさしくそれがポイントであり、周りに幸せだと思って欲しいのです。
そしてその事を現実だと思い込みたいのではないでしょうか。
口に出す事で大丈夫だと言い聞かせ本当はそうではない事を打ち消したいのかもしれません。
本当に上手くいっていればわざわざアピールなんてしない筈です。
承認欲求
二人の仲の事もですが、実は恋愛をしている自分について認めて欲しいという承認欲求の場合目あるようです。
こんなに愛されている私、あんなに可愛い子と付き合える俺、という風に自分の事を凄いと思って欲しいが為に惚気てアピールをする事があります。
要は相手を褒めている様で自分を褒めて欲しいのです。
もちろん好きな気持ちに嘘はないと思いますが、あくまでも「そんな自分て凄いでしょ」という顕示欲を満たしたい感情の方が強いのかもしれません。
自己暗示
惚気ているような内容のようになりたいがために、周りに話すことで自分に暗示をかける場合も惚気話をする人の特徴でもあります。
現実逃避と違うところは、どちらかというと前向きに考えていて、発言した事を実現しようという気持ちがある事です。
どんなカップルでも一つや二つ不満くらいあるものです。
むしろ完璧な方が胡散臭いかもしれません。
このタイプの人はそこを上手く利用し、本当は相手に「こうなって欲しい」と思っている事をあえて惚気としていう事で、相手に対しプレッシャーを与えたりする場合もあるようです。
全く興味がなくても惚気話を長々と聞かされれば、一応マナーとして「ごちそうさま」と食事後の挨拶の時の様に返すと思います。
本来であればこの時点で「もうおなかいっぱい」なんだなと気付き、嫌がっている、興味がない事を察しなければいけません。
聞かされる方は全然聞かないのも何となく器が小さいみたいですし、妬んでいると思われるのが癪なので聴いている場合が多いしょう。
ただ、もちろん話が面白ければこの限りではありません。
惚気ていても聞いているだけで楽しくなったり温かい気持ちになれるのであれば、ただの惚気話にはなりませんし、また聞きたいと思うのではないでしょうか。