「容認」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「容認」とは一般的な「認める」という言葉となにか違うのでしょうか?
意味や使い方、対義語などについて紹介しましょう。
目次
- 「容認」の意味とは?
- 「容認」の類語や言い換え
- 「容認」の使い方
- 「容認」を使った例文
- 「容認」を使った言葉
「容認」の意味とは?
「受け入れて認めていること」の意味で使われるのが「容認」です。
本来否定されるかもしれない場面で「理解を示して許されている」といったニュアンスを含んむことが多いでしょう。
「首脳会談で外交条件が容認された」や、「門限があってないようなもので、夜遊びが容認されている」という言い方をすることがあります。
しかし、「勉強に励むことを容認する」や、「身の回りを整理整頓することが容認されている」といった使い方には違和感が生まれます。
吟味が必要な内容について、受け入れて認めているというニュアンスが含まれていることに注意して使う必要があるでしょう。
- 「容認」の読み方
「容認」の読み方
「ようにん」と読みます。
「容=よう」は、盛り付ける、いれるという意味があります。
そこから、入れ物を表したり、その中身、内容を指す言葉として使われ、事案・ものごと・ものを表わす文字です。
「認=にん」は、認めるという意味ですから、2つを合わせて事案・ものごと・ものを認めるという熟語になります。
「容認」の類語や言い換え
「容認」は、ものごとを受け入れて認める時に使われる熟語です。
吟味が必要なことの実行を認めているというニュアンスがあるので、「認める」という部分の意味に重きが置かれている表現に置き換えると、物足りなさを感じるケースがあります。
類語・言い換えを知ることで、「容認」の意味や使い方、ニュアンスを深く知ることができるでしょう。
- 「賛成」
- 「うけいれる」
- 「やぶさかではない」
「賛成」
対象となっているものごとを受け入れている、賛同しているという点では「賛成」に置き換える事ができます。
「交換条件を容認した」という言い方を「交換条件に賛成した」と言い換えが可能です。
「賛成」という場合、対象を受け入れることに抵抗があったか、スムーズに受け入れるべきものだったのかには関係なく、受け入れていることをイメージさせます。
事案の実行についての意思に焦点があっており、YES/NOでいい切っているというニュアンスになります。
「うけいれる」
賛成と似た言葉ですが、事案の実現・実行をのむというイメージから、抵抗を感じる部分に折り合いをつけているニュアンスが感じられます。
事案の実行についての意思だけでなく、折り合いをつけて気持ちを収めましたという表現になります。
「容認」では、積極的賛成ではないけれど認めているというニュアンスで使われることもありますから、そうした表現の場合には、ややズレを感じるかもしれません。
「門限があってないようなもので、夜遊びがうけいれられている」と使ってしまうと、しぶしぶ認められているというより、抵抗なくOKになっているというニュアンスになってしまいます。
「やぶさかではない」
「全面的に賛成はしないけれど実行を止めるものではない」など、微妙な賛成を表す時に使われます。
すこし時代がかった言い回しだと感じるかもしれません。
本当はYESなのに、否定するポーズを取らなければならない相手がいた場合、相手の考えを汲み取ってYESを押し切るかたちになれば「やぶさかではない」と言うことになるでしょう。
「老舗ブランドが消滅の危機にあるものの、ブランドイメージを壊さずに残してくれるなら、統合もやぶさかではない」といった言い回しになり、「容認」のニュアンスにかなり近い言葉と言えるでしょう。
「容認」の使い方
「容認」の類語や言い換えのところで解説したように、「実行する・しない」、「条件を受け入れる・いれない」を選ぶ時に、結果だけではなく、選択に影響を与えている気持ちや立場を反映させた言い回しになることがうかがえます。
文章の流れ、使われるシチュエーションで、意味合いが変化することに注意が必要です。
- 大いに賛成という気持ちで受け入れられて抵抗なく同意が得られている。
- 本来賛成することに抵抗があるものの認められている。
- 条件を受け入れることで認められている。
「容認」を使った例文
文章の流れや使われるシチュエーションで意味が変化するなんて、使い方や解釈が難しいですね。
「容認」を使った例文で、より理解を深めていきましょう。
- 「容認」の例文1「話し合いによって容認された」
- 「容認」の例文2「彼の行動は容認されている」
- 「容認」の例文3「容認してもらっては困る」
「容認」の例文1「話し合いによって容認された」
意見のすり合わせが必要な事柄について、話し合いで納得できる方法が見つかり実行でいることになったという意味になるでしょう。
一見、不利な状況がある場合でも、見逃して妥協点が見つけられるほうがメリットが大きいのであれば、受け入れて認めたほうが良い選択になることがあるのものです。
話し合いで納得できるのなら、条件の容認が必要なこともあります。
「容認」の例文2「彼の行動は容認されている」
「容認」は社会的ルールに反している、常識外のことがそのままになっているというときにも使われます。
世襲制で管理職についた若造が好き勝手しているときに「まったく奴を容認しているとは社長の目も節穴だ」などとぐちをこぼすかもしれません。
言い換えると「野放しにしている」「放置している」といったニュアンスで使われていることになるでしょう。
本当は対処が必要だということを表現していることがあるのです。
「容認」の例文3「容認してもらっては困る」
文章として、「賛成してもらっては困る」、「承認してもらっては困る」、「同意してもらっては困る」など、そっくり同義語で言い換えることができます。
しかし、「容認」という言葉を使った場合には、「容認」の対象になる事柄が簡単に認めてもらっては困ることや、非難されるべきことだという意味合いが含まれています。
「容認」を使うことで「本来通らないことを簡単に認めてもらっては困る」という気持ちが表れているのです。
「容認」を使った言葉
「容認」は、決まり文句のように使われるフレーズがあります。
単純に「認める」や「うけいれる」というだけでなく、「本来の求めているかたちとは違っているけれど条件付きで承認しました」という気持ちがにじんでいます。
- 「容認せざるを得ない」
- 「容認することもやぶさかではない」
「容認せざるを得ない」
本来認めたくないけれど、認めなければならないときや、条件を飲むしかないといった場合に「容認せざるを得ない」といった言い回しをします。
「苦渋の決断」のように、「本心とは違う選択をしなければならないことに心を痛めつつも仕方なしに選択した」という意味が込められています。
ただ、「忖度(そんたく)」を働かせ、相手の立場やプライドを守るために「容認せざるを得ない」シチュエーションが作られるケースもあります。
倒産よりも統合や、合併というかたちを「会社存続のために、容認せざるを得ない」と言わせることができれば、結果的に身売りを成功させることになるのです。
「容認することもやぶさかではない」
回りくどい言い方ですが、完全に否定はせず条件次第では要求を通さないわけではないことを匂わせています。
YESかNOか、白黒はっきりと言われれば難しいですが、いろいろな条件をすり合わせてWin-Winのポジションを探ることで、交渉が可能だということです。
タマムシ色だとそんな交渉を嫌う人もいますが、お互いの立場を尊重しながら最良の選択をするには必要なことかもしれません。
承認、賛成、賛同、許可、承服など、事案についてYESを表す言い方は様々です。
「容認」は「受け入れて認める」という意味ですが、そこには認められるべきものではないといった気持ちや、条件付きで受け入れられるというニュアンスが含まれています。
交渉事のあとの報告で「容認されました」と使った場合、「相手が厳しい部分を受け入れてくれた」という意味になってしまいます。
他のYESを表す言葉との違いを知って使い分けたいですね。