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「蟷螂の斧」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「蟷螂の斧」という故事を聞いたことがありますか?

ビジネスシーンでも使える「蟷螂の斧」の意味を把握してみませんか?

蟷螂の斧

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「蟷螂の斧」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「蟷螂の斧」の意味とは?
  • 「蟷螂の斧」の類語や似たことわざ、四文字熟語にはどのようなものがあるのだろう?
  • 「蟷螂の斧」はどのようなシチュエーション?
  • 「蟷螂の斧」を使った例文
  • 「蟷螂の斧」の対義語や似たことわざ、四文字熟語にはどのようなものがあるのだろう?
  • 「蟷螂の斧」を英語で表現すると?英語での名言は?
  • 「蟷螂の斧」を分解して深読みしてみると…


「蟷螂の斧」の意味とは?

「蟷螂の斧」とは、力のない者が自分の実力をかえりみず、強敵に挑むことをいいます。

また、はかない抵抗のたとえでもあります。

「蟷螂」とは、昆虫のカマキリのこと。

カマキリがギザギザのトゲがたくさんついたカマ状の前あしをふりあげているようすをたとえた故事成語(こじせいご)です。

「蟷螂が斧を以て隆車に向かう(とうろうがおのをもってりゅうしゃにむかう)」ともいいます。

  • 「蟷螂の斧」の読み方
  • 「蟷螂の斧」の語源は?

「蟷螂の斧」の読み方

「蟷螂の斧(とうろうのおの)」と読みます。

「蟷螂の斧」の語源は?

「斉の荘公出でて猟す。一虫有り、足を挙げて将に其の輪を搏たんとす。其の御に問いて曰く、此れ何の虫ぞや、と。対えて曰く、此れ所謂螳螂なる者なり。其の虫為るや、進むを知りて却くを知らず、力を量らずして敵を軽んず、と。荘公曰く、此れ人為らば必ず天下の勇武為らん、と。車を廻らして之を避く」 (斉の荘公が狩りに行ったときに、道の上の一匹のカマキリが前あしを振り上げて車輪を打とうとしました。

荘公が「これは何の虫だ」と臣下にたずねると、「カマキリという虫で、進むことしか知らず、退くことを知りません。

自分の力量をかえりみず相手に立ち向かっていきます」
と答えました。

すると荘公は「この虫が人間だったら天下をとっていただろう」と言い、その天下の勇者に道を譲るように、この虫を避けて車を進めさせました) このように「蟷螂の斧」は、『韓詩外伝(かんしがいでん)』の中にある故事のひとつです。

『韓詩外伝』は中国前漢の韓嬰(かんえい)が古い故事や逸話を『詩経』詩句と関連づけて説明した、いわば解説書ですね。



「蟷螂の斧」の類語や似たことわざ、四文字熟語にはどのようなものがあるのだろう?

「自分の状況や実力をかえりみずに挑むこと」「無謀(むぼう)」この二つをキーワードに「蟷螂の斧」とよく似ている言葉を集めてみました。

  • 「向こう見ず」
  • 「怖いもの知らず(こわいものしらず)」
  • 「猪突猛進(ちょとつもうしん)」
  • 「暴虎馮河(ぼうこひょうが)」

「向こう見ず」

「向こう見ず(むこうみず)」とは、危険だったり、結果がどうなるかも考えずに事を行うことや、ひとのことをいいます。

自分の行く方向も見ずにただただ走りぬけていくことをたとえたものです。

「怖いもの知らず(こわいものしらず)」

自信いっぱいで、恐れるものが何もないことを、「怖いもの知らず」といいます。

「怖いもの知らず」な人は、他の人が聞きにくい話題も平気で聞いたり、上司や先輩相手でも構わず自分の意見を述べたりしますよね。

「猪突猛進(ちょとつもうしん)」

「猪突猛進」とは、他のことがどうなるか考えることもなく、目標だけを見て全力でまっすぐ突き進むことをいいます。

「猪突(ちょとつ)」はイノシシがまっすぐに突進するという意味から、ひたすら目標だけを目指して行動することを指し、「猛進(もうしん)」はものすごい勢いで突き進むことをいいます。

わき目もふらずまっすぐ前に突進するイノシシの性質のたとえです。

「暴虎馮河(ぼうこひょうが)」

「暴虎馮河」とは、一時の情熱にまかせて、あとさきも考えずに無謀な行いをすることをいいます。

「暴虎」は虎を素手で殴ることを指し、「馮河」は大河を歩いて渡るという意味です。

どちらも無謀な行動をたとえたものです。

「蟷螂の斧」はどのようなシチュエーション?

「蟷螂の斧」は、自分の実力をかえりみず、強敵に挑むこと、はかない抵抗という意味でした。

企業の不正を従業員が告発する、すでにシェアを独占している企業に挑む、取り壊しが決まっているアパートにただ一人残って抵抗している住人など、自分より大きなものに対し無理を承知で最後まで戦おうとする姿をいったものですね。



「蟷螂の斧」を使った例文

  • 「たとえ『蟷螂の斧』だとわかっていても、この事実を知ってしまった限りは不正を見逃す訳にはいかない。断固抗議するぞ」
  • 「しょせん『蟷螂の斧』とはいえども、気持ちだけは負けないつもりだ。頑張るぞ」

「蟷螂の斧」の対義語や似たことわざ、四文字熟語にはどのようなものがあるのだろう?

「蟷螂の斧」の反対は「歯向かわない」「立ち向かわない」ことではないでしょうか。

「歯向かわない」「立ち向かわない」意味を持つことわざや四文字熟語を集めてみました。

  • 「長いものには巻かれろ(ながいものにはまかれろ)」
  • 「逃げるが勝ち(にげるがかち)」
  • 「柔能く剛を制す(じゅうよくごうをせいす)」
  • 「尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)」
  • 「無為無策(むいむさく)」

「長いものには巻かれろ(ながいものにはまかれろ)」

強い権力を持つ者や、強大な勢力を持つ者には、敵対しようとせずに従っておいたほうがいいという処世術を表すことわざです。

処世術といっても多少自分の思うこととは違っていたとしても、歯向かうよりは傘下に入ってしまったほうが何の問題も起きないだろうという消極的なものですね。

「逃げるが勝ち(にげるがかち)」

「逃げるが勝ち」とは、戦いを避けるのは一見姑息(こそく)にも見えるけれど、歯向かって戦えば勝利するわけではなく、時には逃げるほうが得策になるということをいいます。

勝ち目のないケンカや、売られたケンカでも買っても自分にとって何の利益もないケンカならしないほうが、相手よりも有利な立場に立つことがあるという戒めの言葉でもあります。

「負けるが勝ち(まけるがかち)」ともいいますね。

「柔能く剛を制す(じゅうよくごうをせいす)」

「柔能く剛を制す(じゅうよくごうをせいす)」とは、しなやかなものは弱そうに見えても、かたいものの矛先(ほこさき)をうまくそらして、結局は勝つことになるということのたとえです。

無理に歯向かわないほうが得策にもなるという意味ですね。

「尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)」

従順な人は誰からもひどい仕打ちを受けることはないことのたとえです。

素直で人当たりよく愛想のよい人は誰からも愛されるということですね。

「無為無策(むいむさく)」

「無為無策(むいむさく)」とは、何も対策をせずにそのまま放置することをいいます。

「無為(むい)」は何もしないこと、「無策(むさく)」は実効性のある対処をすることができないことをいいます。

「蟷螂の斧」を英語で表現すると?英語での名言は?

蟷螂の斧 meaning in english
  • “It is hard for thee to kick against the pricks.”(蟷螂の斧)
  • “daredevil”(向こう見ずのひと)
  • “fearless”(恐れ知らず)
  • ”I think if you want to do something, then you should go all out completely and be fearless.”(何かをやり遂げたいと思うならば、全力でがむしゃらに取り組むべきだと思います)

“It is hard for thee to kick against the pricks.”(蟷螂の斧)

これは聖書の一節にでてくる言葉です。

“thee”とは、“you”のことで「あなた」という意味で、“pricks”「とげ」「刺すもの」という意味で「ヤリ」を指します。

また、“to kick against…”とは、「…に無駄な抵抗をする」という意味です。

直訳すると「ヤリに向かって無駄に抵抗することは難しい」つまり、「はかない抵抗」であるということですね。

“daredevil”(向こう見ずのひと)

“dare”とは、「あえて…する、思い切って…する」という意味。

“devil”「悪魔」です。

つまり、“daredevil”とは、「あえてやろうとする、向こう見ずな(がむしゃらな)ひと」ですね。

向こう見ずなひとは勝てない相手に立ち向かうことなので同じ意味を持ちますよね。

“fearless”(恐れ知らず)

“fear”(恐れ)が“less”(ない)という意味のこの単語は、恐れ知らずに強いものに挑む「蟷螂の斧」と同じ意味ですよね。

”I think if you want to do something, then you should go all out completely and be fearless.”(何かをやり遂げたいと思うならば、全力でがむしゃらに取り組むべきだと思います)

インド出身の女優でモデルのアヌーシュカ・シャルマ(Anushka Sharma 1988-)の言葉です。

目の前にどんな障害があろうとも、決めた目標に挑むことが大切なのですね。

「蟷螂の斧」を分解して深読みしてみると…

人生には向こう見ずと思われようとも戦わなければならない時もありますよね。

「蟷螂の斧」を深読みしてみましょう。

  • 「蟷螂」を深読み
  • 前あしの「斧」を深読み

「蟷螂」を深読み

「蟷螂」とは昆虫のカマキリのことですよね。

では、カマキリが何を捕食するかを知っていますか?草原のヒットマンともいわれるカマキリは、基本的に自分自身よりも小さい昆虫や小動物を捕食しますが、大きいカマキリは、スズメバチやキリギリス、ショウリョウバッタ、オニヤンマ等の大型肉食昆虫を捕食します。

また、ヘビ、クモ、カエル、トカゲ、ミミズや鳥、ネズミなど昆虫以外の小動物を捕食することもあるのです。

人間にとっては小さな昆虫であるカマキリですが、たとえ自分より体が大きい相手だとしても、一度狙った獲物には食らいついていきます。

無謀だと思うことでも、がむしゃらに戦う姿勢を持つ昆虫なのです。

前あしの「斧」を深読み

カマキリという名前は、その前あしの形が「鎌(かま)」に似ていることから、「鎌で切る」から「鎌切り」となったという説と、「カマキリ」は、「鎌を持つキリギリス」の意味で、この「キリ」はヤブキリ、クサキリ、ササキリなどのキリギリスの仲間の名にふくまれる「キリ」と同じであるという説があります。

日本ではカマキリの前あしを鎌に見立てていますが、「蟷螂の斧」の語源の中国では、「斧」に見立てているのですね。

英語では、カマキリを“praying mantis”といいます。

前あしを振り上げる姿が祈りを捧げているように見えるからといいます。

国によって前あしの見方がずいぶんと違うのですね。

icon まとめ

実力もないのに立ち向かうことは一見するとばかばかしいことに思えます。

特に、若いときにはまだ経験も少なく、実力が伴わないとしても、新しいものにチャレンジしたい、なんとしてでも成功したいと無謀だといわれても突き進んでいくことがありますが、年齢を重ねていく分だけ、いろいろな経験を積み、事の結果が見えてきます。

そしてだんだんと保守的になってしまうのです。

自分を押し殺してブチブチと文句をいっているだけでは、何も変りません。

時には変化を恐れないチャレンジ精神が必要なのではないでしょうか。