「両手に花」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
とてもうらやましい状況を示す言葉「両手に花」の意味と読み方、類語を紹介します。
また「両手の花」を使った例文を通じて、言葉の使い方を紹介して行きます。
目次
- 「両手に花」の意味とは?
- 「両手に花」の読み方
- 「両手に花」の類語や似たことわざ
- 「両手に花」を使った例文
「両手に花」の意味とは?
「両手に花」という言葉を聞いただけで、華やかな気持ちになります。
それくらい「両手に花」な状態は、本人にとっては嬉しくて、他の人から見るとうらやましい状況です。
「両手に花」の意味は大きく分けて2つあります。
ひとつめが、「2つの素晴らしい物を、同時に手にする事」です。
ふたつめが、「一人の男性が二人の素晴らしい女性に挟まれている」または「一人の女性が二人の素晴らしい男性に挟まれている」を指します。
前者の意味で使われる事もありますが、後者の方をイメージして使う事のほうが多いかもしれません。
「両手に花」と聞いた時は、ほぼ「一人の男性が二人の女性を連れている」という状況だと考えていいでしょう。
「両手に花」の読み方
「両手に花」は「りょうてにはな」と読みます。
「花」は「はな」と読み、同じ読みと似た意味のある「華」と勘違いしやすいので注意しましょう。
「両手に花」を「一人の男性が二人の女性を連れている」とした時に、「両手の花」という状況がすごいのはなぜでしょうか。
たくさんの女性と付き合っている男性はいますし、浮気のような形で結果的に二人以上の女性と付き合っている人は、意外と多いかもしれません。
しかし、「両手に花」の場合は、二人の女性を「同時に」連れていないと成立しません。
つまり、もし女性が恋人だとしたら「女性同士が二股をかけられているのを納得している」事になります。
これは男性の器が相当多くないと成立しない状況です。
経済力があり、包容力がないと女性はその立場に満足する事はないでしょう。
江戸時代以前のお殿様や、一夫多妻制を取っている国なら起こりうる話ですが…。
女性が恋人でなくても「両手に花」という状況を作るのはなかなか大変です。
会社員の男性なら、同じ部署の綺麗な女性二人と、三人でランチを食べようと思うと、その大変さが分かるかもしれません。
あまり起こりうる状況ではないからこそ、「両手の花」を達成している人の凄さが伝わってくるのかもしれません。
「両手に花」の類語や似たことわざ
それでは「両手に花」の類語や似たことわざをチェックしていきましょう。
「両手に花」の「花」を、他のどの言葉で例えるかがポイントになります。
- 「梅と桜を両手に持つ」【うめとさくらをりょうてにもつ】
- 「両の手に花と紅葉」【りょうのてにはなとこうよう】
- 「両手に旨い物」【りょうてにうまいもの】
- 「盆と正月が一緒に来たよう」【ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう】
「梅と桜を両手に持つ」【うめとさくらをりょうてにもつ】
「両手に花」の「花」をもっと具体的にしたのが、「梅と桜を両手に持つ」という言葉です。
この言葉も、「素敵な物を両手に持つ」という意味の言葉になります。
平安時代編纂された和歌集のひとつに「後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)」があります。
この中に「梅が香を 桜の花に にほわせて 柳が枝に さかせてしがな」という歌があります。
これは「香りが良い梅の花、見た目が美しい桜の花、さらには枝振りがいい柳の、良い所を取った素晴らしい木があればいいのにな」というような意味になります。
このように「梅と桜」にはそれぞれ、最上級の魅力がある花という意味があります。
「梅と桜を両手に持つ」事の素晴らしさが伝わってくるのではないでしょうか。
職場や学校に「梅や桜」に例えられるような素敵な女性がいたとして、その二人と同時にデートができたら…などと妄想をすると、この言葉の誉れな感じを味わいやすいと思います。
「両の手に花と紅葉」【りょうのてにはなとこうよう】
「両の手に花と紅葉」という言葉も「両手に花」と同じ意味の言葉です。
先ほどの「梅と桜を両手に持つ」では、最上級の花を「梅と桜」に例えましたが、この言葉では「桜と紅葉」に例えています。
お花が好きな人は、年間のスケジュールの中に、「花見」と「紅葉狩り」はマストで入っていると思います。
桜が舞い散る姿が美しい、春の花見と、真っ赤な紅葉の姿が素晴らしい、秋の紅葉狩りは、半年に一度の楽しいお祭りのようなものです。
「両手に花と紅葉」という言葉から、両手に桜の枝と紅葉の枝を持って、満面の笑みを浮かべている人の姿をイメージする事ができます。
「両手に旨い物」【りょうてにうまいもの】
「両手に花」の「花」を「美味しい食べ物」に変化させたのが「両手に旨い物」です。
こちらの言葉の方が、しっくりくるタイプの人も多いかもしれません。
「旨い物」は人よって違いますので、自分が思いつく、食べ物のツートップを思い浮かべるといいでしょう。
「お寿司とラーメン」「カレーライスと餃子」「フォアグラとトリュフ」「ピザとパスタ」「たこ焼きとお好み焼き」「とんこつラーメンと明太子」など、いくらでも浮かんできそうです。
「両手に旨い物」という言葉を友達に教えて、両手に持ちたいツートップの好きな食べ物を聞いてみても楽しいかもしれません。
「盆と正月が一緒に来たよう」【ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう】
「両手に花」とは少し違いますが、にぎにぎしくて楽しそうなイメージの言葉に「盆と正月が一緒に来たよう」という言葉があります。
お盆とお正月は、たくさんの人が集まりますし、お墓参りをしたり初詣をしたりと、何かと忙しいです。
その事から転じて、活気があり楽しく、忙しい様子を「盆と正月が一緒に来たよう」と言います。
「両手に花」にいざなってみると、デートが忙しくて「盆と正月が一緒に来たよう」かもしれません。
「両手に花」を使った例文
「両手に花」という言葉の意味が分かったところで、「両手に花」を使った例文を見て行きましょう。
例文を見ていると、「両手の花」を文章に組み込むコツが見えてるかもしれません。
様々なシーンやケースで見る「両手の花」をチェックしましょう。
- 「両手に花」を使った例文1
- 「両手に花」を使った例文2
- 「両手に花」を使った例文3
- 「両手に花」を使った例文4
「両手に花」を使った例文1
「両手に花」の典型的な例として、ものすごい美女を連れて歩く男性をイメージしてみましょう。
例えば表参道などの街角で、モデルさんや芸能人のような綺麗な女性を二人も連れ歩いている男性を見る事があるかもしれません。
このようなシーンを「両手に花」を使った例文にしてみましょう。
「うわ、中年のおじさんが、すごく若くてきれいな女性を二人連れて歩いてる。まさに『両手に花』だよ。…どっちかの女性でいいから、俺とデートさせてくれないかな」という感じです。
「両手に花」を使った例文2
「両手に花」という言葉には、二人の美しい女性を連れているケースだけではなく、素晴らしい人や優秀な人、または男性を連れているケースでも用いられます。
例えば、優秀な部下を二人同時に持った上司も、「両手に花」状態です。
それでは、自分には身に余るような部下を持った上司の状況を、「両手に花」を使った文章にしてみましょう。
「俺は頭脳明晰で武力もすごい、関羽という武将と、一騎当千の豪傑、張飛という武将ふたりを、いきなり部下にしてしまった。これが『両手に花』でなくてなんなのだろう」という感じです。
三国志の主人公の一人劉備玄徳は、物語の冒頭で最高の部下を二人同時に手に入れて、「両手の花」状態になります。
あなたの会社にも、劉備のように恵まれた部下を同時に二人持つ、「両手の花」上司がいるかもしれません。
「両手に花」を使った例文3
「両手に花」という言葉を、少し冗談めかして使う事があります。
例えば、連れている女性が、若くてきれいな女性ではなく、おばさんやおばあさんの場合でも、「両手の花」という言葉を使う事があります。
会社の飲み会で、ある男性がたまたま両隣を60歳近い女性に囲まれた時などは、「両手に花」を使うチャンスです。
「うわ、『両手に花』ですね、ラッキー!」などと言って、笑いを取る事ができます。
またこのケースでは女性の方から「あなた『両手に花』よ、良かったわね」と、やや自虐的なネタとして使う事もあります。
さらに犬の散歩をしている人を見た時に、二匹の可愛い犬を連れている場合は、「うわ、どっちのワンちゃんも可愛いですね。『両手に花』ですね」と話しかけたりします。
「双子の女の子の赤ちゃん」をベビーカーで連れて歩いているお父さんも、「双子の女の子ですか、可愛いですね。
お父さん『両手に花』ですね」などと言われる事があります。
本来の意味で使われる時よりも、冗談めかして使った時の方が、「両手に花」という言葉を楽しく使えるかもしれません。
「両手に花」を使った例文4
「綺麗な女性二人」ではなく、誰かが何か大きな事を同時に達成した時などにも「両手に花」という言葉を使う事ができます。
例えば、小説家が発表した一つの作品で、二つの文学賞を獲得した時は「両手に花」という言葉を使ってお祝いされる事があります。
「権威のある○○賞と、本屋さんの店員に高い評価を受けた○○賞を同時に受賞するなんて、『両手に花』のようですね。本当に素晴らしい作品です」となります。
同じように、プロスポーツ選手が、同じ時期に大きな栄誉を二つ同時に得る事があります。
例えばプロボクシングの他団体のチャンピオン同士が統一戦を行う時、その勝者は二つのベルトを腰に巻く事になります。
この勝利をリング上でアナウンサーが祝う時は、「KO勝利おめでとうございます!WBAとWBCのベルトを同時に巻くなんて、まさに『両手に花』ですね。最強のチャンピオンの登場です」という感じです。
大きな成果を出した時は、ほとんどの場合、同時にいくつかの栄誉を手にする事なります。
「両手に花」という誉れな状況になるケースも多いので、この言葉を使った褒め言葉などを使う機会も多くなるでしょう。
「両手に花」という言葉は、それほど身の回りに起こりやすいケースではないため、使う機会が少ないかもしれません。
しかし、芸能ニュースなどを見ると、「両手に花」状態を手にしている、ノリノリの人物を見かける事があります。
このようなニュースを「両手に花」という言葉で切り取る事ができます。
また冗談めかして「両手に花」を使うケースは、比較的多いと思います。
女性二人に囲まれたら、言葉を使うチャンスですので、次の機会に「両手に花」と言って笑いを取ってみましょう。