「深い川は静かに流れる」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
「深い川は静かに流れる」の意味と類語を紹介します。
さらに「深い川は静かに流れる」の対義語や使い方を紹介して行きます。
目次
- 「深い川は静かに流れる」の意味とは?
- 「深い川は静かに流れる」の類語や似たことわざ
- 「深い川は静かに流れる」を使った例文
- 「深い川は静かに流れる」の反対語や対照語・対義語
「深い川は静かに流れる」の意味とは?
「深い川は静かに流れる」という言葉は、あまり耳慣れない言葉かもしれません。
この言葉を理解するためには、今までの人生で見てきた川の様子をイメージすると良いかもしれません。
まず川幅が大きくて水深が深い大きな川をイメージしてみましょう。
一級河川に指定されているような、自分が暮らしている都道府県でもっとも大きな川をイメージするといいかもしれません。
このような大きくて水深が深い川は、それなりにスピードが出ているものの、物音を立てずに、ゆったりとした流れに見えるのではないでしょうか。
じっと川の流れを見ていると、音はしないけれどなんとも言えない迫力があり、少し恐怖を感じるほどかもしれません。
一方で浅い川をイメージしてみましょう。
キャンプの時に水浴びができるような浅い川や、渓流釣りで遊びに行くような川を想像すると、川の水が岩や岸にぶつかって、賑やかな音を立てている様子が浮かんでくると思います。
「深い川」は水深が深く、川幅が広い大きな川を表しています。
転じて、「思慮深く度量が大きな人物」の事を言い表しています。
一方で「浅い川」は、「思慮が足りず、騒々しいだけの人」となります。
この事から「深い川」つまり「大きな人物」は、騒々しく自分の力をアピールしたり、無駄なおしゃべりをしないという意味を込めて「深い川は静かに流れる」という言葉ができました。
あなたの周囲にも「深い川」のように、普段は無駄な話をしないけれど、いざという時に実力を発揮する魅力的な人がいるかもしれません。
もし自分が浅い川のように、のべつ幕なしにしゃべりまくって、仕事ができない人だと感じたら、「深い川」のような悠然とした人になれるようになりましょう。
また英語のことわざに“Still waters run deep.”という言葉があり、この言葉が「深い川は静かに流れる」の由来になっているとされています。
「深い川は静かに流れる」の類語や似たことわざ
「深い川は静かに流れる」には、類語や似たことわざがあります。
並べてみるとそれぞれの言葉の意味が伝わりやすくなるでしょう。
- 「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】
- 「鳴かない猫は鼠捕る」【なかないねこはねずみとる】
- 「大賢は愚なるが如し」【たいけんはぐなるがごとし】
「能ある鷹は爪を隠す」【のうあるたかはつめをかくす】
「深い川は静かに流れる」に似た言葉で、とても有名なことわざに「能ある鷹は爪を隠す」という言葉があります。
ほとんどの人が一度は聞いたことがある言葉でしょう。
「能のある鷹」は優秀な人の事で、「爪を隠す」とは、能力をひけらかさない、無暗に自己アピールをしたりしない事を示しています。
「能ある鷹」のように、本当に実力がある人は、自分の能力をアピールする必要がありません。
その実力は仕事や学業、スポーツなどを通じて、その人からにじみ出てくるものだからです。
また、自分の能力をむやみにアピールするのは格好悪いからやめようという意味もあります。
「『能ある鷹は爪を隠す』というだろ。自分がすごいと喧伝するのは格好悪い行為だぞ」というように、調子に乗っている人をたしなめる時に使う事があります。
「能ある鷹」はまさに「深い川」のような人の事を指します。
仕事や就活などのシーンでは、自己アピールが必要になる場もあるとは思いますが、基本的には「能ある鷹は爪を隠す」の考え方で生きた方が、実力やスキルを高めるために良いかもしれません。
「鳴かない猫は鼠捕る」【なかないねこはねずみとる】
「鳴かない猫は鼠を捕る」という言葉があります。
逆に言えば、ニャーニャー鳴いてばかりいる猫は、意外と鼠を捕る事ができない…という意味にもなります。
鼠を捕る事ができる高い能力がある猫は、無暗に鳴かずに悠然と構えています。
そしてここぞと言う時、つまり目の前に鼠がいるときに、実力を発揮します。
鳴いてばかりいる猫は、鳴く事に気を取られて鼠を取り逃がしてしまったり、逆に鼠を捕る事ができないから、鳴いてばかりいるのかもしれません。
このように「鳴かない猫は鼠捕る」という言葉は、「能力がある人は、自分をアピールしない」「本当に実力がある人は、悠然と構えている」という意味の言葉になります。
「深い川は静かに流れる」の「深い川」と「鳴かない猫」さらに「能ある鷹」は同じような人の事を指している事が分かります。
会社に出掛ける時、学校に出掛ける時は、できるだけ「鳴かない猫」になろうと思って家を出ると、周囲からの見方が良くなるかもしれません。
「大賢は愚なるが如し」【たいけんはぐなるがごとし】
中国の古い言葉が語源になっている言葉に「大勇は怯なるが若く、大智は愚の如し」という言葉があります。
「大いなる勇気を持っている人は、臆病者に見える事がある」さらに「知恵深い人ほど、バカに見える事がある」という意味の言葉です。
大いなる勇気を持つ人、つまり勇者は、自分が勇気のある人だという事をアピールしたりはしません。
他の人が持てる勇気をアピールするほど、その人は臆病者に見えてくるでしょう。
同じように大いなる知恵を持つ人、つまり賢者は、自分の優秀さをことさらアピールする事はありません。
「自分は賢い」という人に囲まれた時は、あるいはバカに見えてしまうかもしれません。
このように勇者や賢者ほど、自己アピールをしないので、平常時には目立たないものかもしれません。
しかし重要な問題が起これば、勇者は誰よりも勇敢に戦う事ができますし、賢者は誰よりも役に立つ意見を言う事ができます。
「大勇は怯なるが若く、大智は愚の如し」という言葉からは、勇者や賢者は決して自分の凄さを誇ったりしないものだという事を教えてくれます。
「深い川は静かに流れる」を使った例文
「深い川は静かに流れる」の意味が分かったところで、実際に文章に組み込む方法を見て行きましょう。
そこで「深い川は静かに流れる」を使った例文を紹介しますので、そこから使い方を学んで行きましょう。
- 「深い川は静かに流れる」を使った例文1
- 「深い川は静かに流れる」を使った例文2
「深い川は静かに流れる」を使った例文1
自分の身の回りに、普段は静かだけど、いざという時に活躍する人がいるのではないでしょうか。
例えば同じ職場にいる定年が近づいた高齢の同僚に、そのような人がいるかもしれません。
いつもは仕事をしているのかしていないのか、あるいは起きているのか寝ているのかすら分からないような高齢の社員がいます。
「あの人に給料を払うなんて無駄だ」とあなたは思っているかもしれません。
しかし、仕事でトラブルが起こった時に、この社員が静かに動き始めます。
この社員が数か所に電話を掛けただけで、取引先からのクレームは止まり、何事もなかったようにトラブルは収まりました。
このような人こそ「深い川」のような人です。
この人の事を「深い川は静かに流れる」という言葉を使った例文で表現すると、「いつもは役に立たないように見えるけど、有事に大活躍をするなんて、まさに『深い川は静かに流れる』だな」となります。
「深い川は静かに流れる」を使った例文2
日常生活の楽しい出来事も、「深い川は静かに流れる」という言葉で表現する事ができます。
例えばラーメン店の大食いチャレンジに、友達同士で参加をする事になったとします。
いつも「俺は大食いだ」と自慢する友達が、バタバタとチャレンジに失敗して行く中、紅一点の女の子が大食いチャレンジに成功しました。
「自分が大食いだなんて、全然アピールしなかったのに」と友達はみんな驚きました。
この女の子を「深い川は静かに流れる」という言葉を使った例文で表す事ができます。
「彼女は大食いだという素振りすら見せなかったのに、大食いチャレンジに見事に成功した。彼女の様な人を『深い川は静かに流れる』というのだな」となります。
「深い川は静かに流れる」の反対語や対照語・対義語
「深い川は静かに流れる」の反対語や対義語をチェックして、言葉の意味をさらに深く知りましょう。
「深い川」に対してどのような物が例えに使われているのか、興味深いと思います。
- 「浅瀬に仇波」
- 「家の前の痩せ犬」
「浅瀬に仇波」
「深い川は静かに流れる」のアンサーソングのような言葉が「浅瀬に仇波」という言葉です。
「仇波」とは、むやみにうるさい音を立てる波の事を意味します。
そこから転じて、騒々しいだけの人、何かと騒ぎ立てる人の事を指します。
さらに「浅瀬」は川の浅い所の事で、「思慮の浅い人」「軽薄な人物」の事を指します。
このように「浅瀬に仇波」とは、思慮の浅い人や軽薄な人物ほど騒々しいし、むやみに自己アピールをするという意味の言葉になります。
仕事をする前に、自己アピールをする人ほど、実際に仕事をやらせてみると役に立たない事がありますが、まさにそのような様子を言葉にしています。
「深い川は静かに流れる」と対をなす言葉ですので、覚えておくと立体的な言葉の使い方をする事ができるようになります。
これから川を見る時は、「仇波」にはならず、「深い川」として生きようと思って、川の流れをチェックしてみましょう。
「家の前の痩せ犬」
誰かの家を通りかかる時に、やたらと吠える犬に出会う事があると思います。
このような犬は、本当に強い犬かと思いきや、家を一歩離れた途端に、吠えるのをやめて脅え始めるかもしれません。
このように家のような「後ろ盾」がある時は強いけれど、自分一人で何かをしようとすると怖気づいてしまう人がいます。
このような人の事を「家の前の痩せ犬」と言って、誰かバックに味方がいる時は強いけれど、自分一人では何もできない人の事を表現しています。
上司の前では部下に偉そうにする癖に、一人では大した仕事ができない人、親のコネがないと就職もできない人など、「家の前の痩せ犬」のような人はそこら中にいます。
「深い川は静かに流れる」の「深い川」の様な人とは対照的な人です。
「深い川は静かに流れる」という言葉は、耳慣れない言葉ではありますが、使い勝手がいい言葉でもあります。
「深い川」のような、慎み深い実力者を見た時は、ぜひ「深い川は静かに流れる」という言葉を使った文章で褒めてあげましょう。